いまさらな初・東野圭吾作品である(爆恥)
う~む、よくできている(エラソ(^^ゞ)。
主人公・直井玲斗が、伯母・柳澤千舟から月郷(つきさと)神社にある「クスノキ」の番人を命じられるという話である。
月郷神社には神殿もあるが形だけであり、重要なのは境内脇繁みの奥にある、太古から鎮座する荘厳なクスノキだった。いわゆるご神木ですな。
かつては地元の人たちだけが知る「月郷神社のクスノキに願掛けすれば、やがて叶う」という言い伝えが、ネットの普及に伴いパワースポットとして広く知られるようになった。
が、「クスノキの番人」の仕事は日中の見回りではなく、千舟が言うには「あなたに命じたいのは夜中の仕事。それこそがクスノキの番人の本当の役目なのです」ということだった。
クスノキのパワーだけだと「なんじゃそれ?」なオカルトちっくな話にすぎないが、クスノキを訪れるさまざまな人物・家族の人生や葛藤、クスノキを管理する柳澤家の人間関係、そして最初はぼーっとしていてこの先大丈夫かよ?みたいな頼りない青年だった玲斗の人間的成長を絡ませた、とても読み応えのある作品である。
東野圭吾、畏るべし。やっぱし売れるにはそれなりの理由がある。
ちなみに「クスノキの番人 あらすじ」で検索すると「「クスノキの番人」のネタバレ&あらすじと結末を徹底解説|東野圭吾」というサイトが引っかかるが、かなり違う...というか設定からしてズレていて、ホンマに読んだん??と思うくらい違う。一瞬AIが書いたのかと思った(笑)