仕事終わって20:10~のレイトショウに緊急参戦したので、すでに昨日のおはなし(^^ゞ
大阪ステーションシティシネマのスクリーン1は、定員502席のところ、数えてみたら20人いなかった(◎_◎;) 不人気というより、23:20終了という時間帯のせいかもね。
第96回アカデミー賞7部門受賞、Sir.クリストファー・ノーラン監督(「ダンケルク」他)、原子爆弾を開発し「原爆の父」と呼ばれるロバート・オッペンハイマーの生涯を描いた作品である。
監督が同じだからなのか、観ていて「なんか”ダンケルク"に雰囲気似てるよなあ」と思った。
アメリカでは昨年7月に公開されていたが、日本での公開日はずっと未定のまんまだった。そのうち、映画公開より先にBru-ray Discが入ってきてしまったそうな。
約3時間のうち、最初の1時間くらいはハーバード大学卒業→ケンブリッジ大学・ゲッティンゲン大学への留学、そしてカリフォルニア大学で教鞭をとる物理学者・オッペンハイマーの活動が描かれる。
この辺りまでは物理の難しい話がちょくちょく出てくるし、それをイメージしたドカーン・ぐるぐるな映像が出てきたり(意味不明でスンマセン)、なかなかアカデミックである。
その後やっと本題、原爆開発・製造のためのプロジェクト「マンハッタン計画」のリーダーに抜擢され、ニューメキシコ州ロスアラモスに原爆開発の拠点(というか町)を作る。
ときは第二次世界大戦のさ中。当初、原爆開発の目標はナチス・ドイツだった。ところがそのドイツが降伏してしまいプロジェクトの継続を疑問視する声が出てくると、なんと目標を太平洋戦争の敵国・日本に切り替えて開発を続ける。また、連合国の一員であると同時に敵対する共産主義国としてのソ連を、軍事的にけん制する狙いもあった。
もちろん広島・長崎への原爆投下の話も出てくるが、さすがに全世界からの批判を浴びるのを恐れてか、そもそもアメリカの原爆に対する考え・見方がそうなのか、日本人が「原爆」という言葉から思い浮かべる熱戦や放射能などについては触れられず、「一個で巨大な破壊力を持った爆弾」程度にしか描かれていない。
おきまりの原爆投下の正当性も語られる。「戦争の早期終結に役立った」「多くの米兵の命を救った」ので原爆投下は正しかったという理論である。
しかし初めて聞いた話もあった。核兵器保有は戦争の抑制につながるのは確かだが、実際にその威力を見せないと抑制力にはならない、という考え方だった。
作品中で広島・長崎が軽く扱われているという批判もあるが、この作品は「原爆映画」ではなくあくまでも「オッペンハイマーの伝記映画」なので、我々日本人も冷静に観る必要がある。