偶然にも二日連続英国ネタ(^^;)
著者の80歳を超える祖母が、ある正月に「一生に一度でいいからイギリスに行きたい。お姫様のような旅がしてみたいわ」と言い出す。
そんならと叔父たちが出資し、英国在住経験のある著者が「あんたが連れて行ったったら?」と言われて実行となったロンドン5泊7日の旅行のお話である。
まず「お姫様旅行」のしょっぱなとして、日系航空会社のファーストクラス、ロンドン中心部の5つ星ホテルが手配される。
ロンドンかぁ。数えてみたら5回も行っとるわ(^^ゞ でもほとんどはB&Bやったし、飛行機も一度KLMでビジネス・クラスにアップグレードされたことがあったくらい。
と、そんなロンドンおタクにとっては、最初っから最後まで「そうそう!」「こんな感じ!」と懐かしくかつあるあるな一冊である。
フォートナム・アンド・メイソン、ハロッズはもとより、今は無きロンドン三越へお買い物に訪れる。
英国人のセンスある立ち居振る舞いや、ホテルやお店でも日本では見られない臨機応変な対応が随所に出てくる。
個人的には賛成派であるチップ文化もあらわれる。著者も「きちんと感謝の意を形にできるシステムというのは、いがいといいものだなあ」とゆうてはるし。
ホテルは5つ星だけあって、ドアマンの対応はすばらしく、バトラー(日本語で執事?)もつく。その対応がけっして「マニュアル読んで覚えました~」なものではなく、つかず離れずかゆいところに手の届くところはすばらしいとしかいいようがない。
「一流ホテルのバトラーというのは、こういうものか…と、最初からガツンと一撃食らった感じ」と書いている。
日本でも東京の帝国ホテルなんかはそんな感じかな。とにかく物事がスムーズに運ぶ。
ホテルのスタッフが話しかけるときも、おばあちゃんに用事があるときは、英語が通じないのが分かっていてもおばあちゃんに向かって話しかける。横で聞いている著者が通訳し、おばあちゃんが日本語で答える。それを著者が英語で伝える。
これは欧米のあるレベル以上のレストランやホテルでは、よく見られる流れである。「この人と話しても通じないんだから」というのではなく「誰が主役か」をちゃんと意識している。大事です。
それから宿泊しているホテルでのアフタヌーンティー。
スコーンのデカさに驚くのはよしとして、その表現が「御座候より、確実にでかい。」ってなんなんよ。兵庫県在住の生まれつきの関西人ならではのたとえにワロタ。
ちなみにロンドンじゃないけどイギリスでアフタヌーンティーしたことあるが、そこまでデカくはなかった。御座候のほうが確実にでかい。でもロンドンのスコーンはでかいのかも。
そのちょっと後にクロテッドクリームについて書かれた部分で、日本のアフヌーンティーをボロカス言っているが、その内容については全て同意。
真ん中の割れた辺りで上下二つに分け、断面にジャムとクロテッドクリームをどっさり載せて食べるのが一般的です。
そう、どっさりがキーワード。
日本で供されるアフタヌーンティーで最も不満なのは、ここかもしれません。
スコーンが驚くほど小振りなのはまあいいとして、クロテッドクリームもジャムも、ほんのちょっぴり。
なんなんでしょう、あのけちくさい量は。
いいか、ジャムもクロテッドクリームも、「塗る」もんじゃねえんだ、「載せる」もんなんだよ! それぞれ五倍量持ってこーい!
と最初はおとなしいがだんだんエスカレートし、最後はget ungryされているのであった。
日本のアフタヌーンティーで出てくるのは、たいていはクロテッドクリームではなく、ケーキ等で使うふつうの生クリームである。あれは安い。クロテッドクリームは高いねん。
そのクロテッドクリームが英国ではド~ンと出てくる。子供用茶碗の半分くらいの量が。
読んでいて、やっぱり旅本はおもろいなぁと元バックパッカーの血が騒ぐのであった。
ロンドンは行きやすいし、また行こう(^^♪
んで、ポンドっていまなんぼやねん?と調べてみたら188円。1£=JPY240~250時代に渡英した者にとっては安い安い(爆)