大樹率いるクーガー小隊はジェフリー率いるダンパー小隊と共に艦隊から先行してラウラ達輸送艦隊とはぐれゼントラーディと反統合ゲリラ.戦闘宙域に向かっていた。
遠目から見えるほど戦闘の光が見え始め、ゼントラーディ艦艇の大きすぎる姿が見える。
隊員に突撃命令を出そうとした瞬間、シナノから通信が入った。
『シナノコントロールよりクーガーリーダーへ、クラビウスベースより警務飛行隊が出撃しました。予測現場到着は我々が現場に到着して15分後です。』
「クーガーリーダーよりシナノコントロールへ、どう言う事だ?何故警務飛行隊が出てくる?」
『カゴメ・バッカニア少尉とラウラ・ベルタリア曹長がVFー1Dを無断使用に基づく・・・』
「ここまで言えばそれでいい。」
ラウラとカゴメの無断使用、いや無断使用したのはラウラの方。
ゼントラン海兵隊出身であるラウラは本能でVFを無断使用したんだろう。
真面目で軍務に誠実でオペレーターが本業のカゴメがやるはずがない。
艦隊が襲撃されて何も出来ない事に不満を感じ、本来のパイロットよりも先にVFー1Dに乗り込んだ・・・・カゴメはそれを見つけて巻き込まれたと。
「確実にラウラだな・・・・ラウラらしい。」
呆れた声のシュリの声が聞こえた。
生まれてずっと同じ部隊の仲のいい戦友として戦ってきたシュリならばラウラの性格はここにいる誰よりも詳しい。
ラウラがVFー1Dを無断使用し、戦場で戦っても当然だと思っているようだ。
白川提督の推薦の兵とは言えこのような軍規違反が当然だと言う感覚でこれから一緒に戦ったり、過ごすのはラウラ自身や周りの面々的に不味すぎる。
地球人とゼントラーディ人の風習や文化の違いで済ましてはいけない。
『艦長のボーグナインだ!白川提督からの伝達である。カゴメ・バッカニア少尉並びにラウラ・ベルタリア曹長を保護しろ!』
「保護?提督にも報告済みなのですか?」
『当然だ!今回の件は軍司令部各所に報告されている。提督としては両名を保護、処遇はこちらで決めるそうだ。』
「了解。難しい事は任せます。」
今回の遭遇戦の報と警務飛行隊の出撃の報は白川提督の下に届いており、カゴメはともかくラウラを軍法会議で処分されるわけにはいかないので保護するように命令を出した。
完全に権力の私物化であり軍人として規律を見做す行為だが、馬鹿正直にやっていては権力闘争を勝ち抜いたり目的達成する事は出来ない。
目的達成の達成の為、法を犯してでもラウラを保護しなければならない。
とは言え完全に無罪とするわけにはいかないので軽度の処罰を与えるが・・・・
「クーガーリーダーから各隊員へ、戦場に急行し友軍部隊の救援任務に従事した後・・・無断使用のVFー1Dを連れ帰る。」
大樹は白川提督や軍内部の事情がどうであれ、任務遂行を優先した。
自分が副隊長として率いる部隊の隊員候補をむざむざここで死なせるわけにはいかない。
優秀な兵士であるが故にこんな所で死なせるのは無念の極みしかない。
それに無断使用の件で警務隊に連行されるのも忍びない。
操縦桿を強く握り、大樹は部隊を率いて戦場へ急行した。
【戦闘宙域】
ラウラはVFー1Dのカメラが液晶漏れする程、ボロボロになっていた。
新型のVFーXー8を駆るレミアと旧型のD型を駆る自分の機体性能差は大きく、いくら自分がエースとは言え段々と追い詰められていった。
ラウラは航行不能になり残骸と化したオーベルト級宇宙駆逐艦シンプソンの甲板に着地しレミアに向けてガンポッドを向けた。
「このままでは私が負ける........」
自分が地球由来の兵器に痛い目を見たのは海兵隊に所属してた時の哨戒任務で遭遇したゲラムが駆るヴァリアブル・グラージ以来だ。
ゼントラーディ軍や監察軍とも違う技術を持っており、自分達が思いつかないような戦術を駆使する事が出来る。
特にVFなんかはファイター・ガウォーク・バトロイドに変形する事が出来、3形態を上手く活用する戦術はゼントラーディ軍からしたら衝撃的だ。
今こうしてVFー1Dに乗って3形態を駆使して戦っているから分かる。
だが、その形態を駆使した戦い方は目の前にいるレミアの方が経験値が上手だ。
強奪した最新鋭機に乗っており、旧型である自分と比べたら差が大きい。
「何としても生き延びてVFの技能をしっかり身につけたい。死んでたまるか!」
差が大きいけれども何としても生き延びて経験を活かしたい。
何のためにマイクローン化したのか?何のために今までの自分を捨ててVF(可変戦闘機)パイロットになろうとしたのか?死んでしまっては意味がない。
同胞と戦いゼントラーディ軍人として無くなり、生きる意味を無くし死に場所を求めていた自分にようやく見えてきた希望の光を失うわけにはいかない。
「!?……こいつ…諦めが悪い……」
「お前ら何かに私の行く末を壊させてたまるか!邪魔するならば消えろ!!」
生への執着
圧倒的不利なラウラを奮い立たせ、激しい猛攻を凌いでいた。
更にシンプソンの残骸を利用し遮蔽物として攻撃を防ぎ、隙を見て反撃……
生への執着と周りにある味方の骸がラウラの最後の頼みの綱だ。
だが・・・・
「しまった、銃弾の予備が・・・」
ラウラのVFー1Dのガンポッドの銃弾が予備共に無くなった。
既にミサイルもなく、対空レーザーしか残っていない。
いや対空レーザーもいつまで使えるか分からない。
それでもラウラは使用可能な武器でレミアを撃退しなければならない。
「レミア、そろそろ撤収しないと退路塞がれるぞ……」
「分かっているよ…セルゲイ…だがこいつだけは殺す…………」
「…………好きにしろ……」
優勢に戦いを進めているレミアだが、時間がない。
艦隊からはSOS信号を発しているので近隣の新統合軍や同盟国軍が救援に来る。
その前に撤退しなければ折角達成した目的も無に返す。
とっとと撤退してくれればいいものを、このゼントラーディの女は目先の強敵しか考えていない。
取引相手(ビジネスパートナー)に新型機VFーXー8のデータを渡す前に機体を新統合軍増援部隊による奪還もしくは破壊されてはたまらない。
この女(レミア)にとっとの目の敵(ラウラ)を撃墜してもらわねばな。
「ぐっ」
「痛・・・・ラウラ?」
「軽く頭打った・・・・・意識が鈍く・・・」
時間を意識してかラウラの乗るVFー1Dはレミアの駆るVFーXー8に頭掴まされシンプソンの残骸に叩き伏せられた。
叩き伏せられた衝撃でラウラは後頭部と前を軽くぶつけ意識が鈍った。
それだけじゃない・・・・機体も動かない。
VFーXー8は動かなくなったVFー1Dの手足を破壊し、頭部を掴んだ。
「勝負あったな、マイクローン・・・・その訓練機(トレーナー)でよくやった。」
「お前は同胞?私と同じメルトランなの?」
「ほう・・・・・同じメルトランか奇遇だな、いや良くやったは無しだ。やれて当然か。」
接触回線でお互いの声を聞いた・・・そしてお互いが同胞であると知った。
目の前にいる真新しいVF(VFーXー8)に乗る同胞・レミアは自分より遥かに優れた機体に乗っていてかなり優れた器量を持っている。
名前は知らずとも何処かの艦隊で何処かの戦隊のエースパイロットであるのは間違いない。
そう考えているとマナット中隊の防衛網を突破したリガード.2機接近してきた。
ラウラを掴んだままガンポッドで瞬時に撃破した。
「簡単に同胞を殺した・・・・何故殺せる?」
「何故って?敵だから?お前もそうだろ?」
「私は・・・・私は・・・」
「はぁ・・・・その質問している時点で私に負けてんだよ。誰であろうと敵であれば殺すそれが軍人・・・・今のお前は軍人として半人前に堕ちたか。」
平然と同胞を殺した姿を見たラウラは何故殺せると思わず問いかけたが反応が悪かった。
返ってきた言葉が軍人として半人前に落ちたかと・・・・・
敵だから殺すそれが出来ないのは軍人として半人前、突きつけられた言葉は冷たい。
更に激しくレミアの冷たい言葉は続く。
「地球人は同じ地球人を誕生から今に至る現在進行形で同胞同士で殺し合いをしているぞ。それを知らないでマイクローンになったのか?」
「一応知っている、でも・・・・・今でも信じられない。」
「はぁこれだから半人前は・・・・生きる価値ないな。」
地球人は平然と同胞同士で戦争し殺し合いをする。
先の大戦の1年前まで地球人同士の最後の大規模戦争である統合戦争をしており、100年以内には2度の世界大戦や冷戦下の多様な戦争で多くの人間が殺し合い殺された。
ラウラが想像する以上に地球人は同じ地球人を多く殺している。
ゼントラーディ軍は敵前逃亡、反攻鎮圧で同胞を殺す事はあるが地球人と比べたら月とスッポンと言ってもいいように圧倒的に少ない。
一応知ってはいるがラウラからすれば半信半疑な話である。
半信半疑な考えを持つラウラを見下すようにレミアは嫌な視線を送ってきた。
地球人の苛烈な戦争事情を理解できない半人前だと。
「半人前はここで死ね!」
レミアは人を絞殺するかの如くVFー1Dの首を強く握り絞めた。
そろそろ本気でラウラとカゴメを殺すつもりでいる。
頭部カメラにヒビが入りもはや使い物にならなくなった。
「カゴメ・・・・・」
「ラウラ・・・・貴女・・・」
「死ぬのは私だけでいいや・・・・・カゴメは・・・・生きて・・・・・」
死の時が迫る中、ラウラは自身が犠牲になりカゴメを逃がそうと考えた。
無断出撃でカゴメが付いていく形になったので巻き込んでしまった。
自分勝手で本来死ぬはずの無かったカゴメを死なすのは申し訳ない。
せめて脱出させ、死ぬのは自分自身だけで済ましたい。
「ラウラ・・・・それはダメ・・・ラウラ・・・」
無論、到底受け入れられる話ではなかった。
死地へ赴くラウラに付いていったのは自らの意志だし、共に死ぬ覚悟はあった。
だが・・・・・自身を助ける為にラウラが犠牲になるのは堪えられない。
何故あそこまで自己犠牲精神を貫けるのか?何故、生きる希望を簡単に捨てるのか・・
そう簡単に死ぬ事を望むのはダメ、死ぬのは全てが終わってしまう。
何とかしてラウラを止めようとするが、声は届かない。
「私を殺す前に頼みがある!」
「何だ?」
「私を殺す前に同乗者、新統合軍.カゴメ・バッカニア少尉を助けて欲しい。」
ラウラは銃口を向けるレミアに自身の命を引き換えにカゴメの助命を嘆願した。
ゼントラーディ人として兵士として死ぬ覚悟ある。
自身の夢はここで潰える事になるがカゴメを救えるならば悔いはない。
初めての地球人の友人を救えるならば自分の命は安い。
そう考えていたラウラは目から生気が抜けながらも必死にカゴメの命を救おうとした。
必死に何度も助けてほしいと叫んだりしながら・・・・
だが・・・・・現実は残酷であった。
「助けるわけないだろ・・・・腑抜けたのか?元ゼントラーディ軍人の癖に・・・」
拒絶された・・・・・
助命嘆願は一蹴され、VFー1Dの頭部を掴んでいた指の圧が強まる。
更に追い打ちをかけるようにゼントラーディ軍人としての誇りを傷つけられた。
精神が更にボロボロになる・・・・ラウラは絶望のあまり手の震えが止まらなくなった。
「ベルタリア少尉・・・・・貴女何を言っ・・・・きゃ・・・」
「お前の相手は俺だ!民間人(ミーリヌィエ ジーチリ)!」
ラウラとレミアのやりとりを聞いていたアムは助けに向かおうとしたが、対峙していたSvー51Ωの妨害により遮られた。
正規軍人ではないアムはSvー51Ωと対峙しているだけで精一杯であり、仮に突破してもレミアの駆るVFーXー8に返り討ちにあってしまうのがオチだ。
それでもラウラが脱出するチャンスを得られるならばと後悔はない。
アムも同じように自己犠牲で誰かを救いたいつもりでいた。
それも叶わない壁が大きくラウラの元に到達出来ないのだから。
「本当によくもそんな甘い考えで生きてこれたな。」
「なっ・・・それは・・・カゴメ・・・カゴメだけは・・・・」
「知らん・・・・だったら死んでくれ・・・・」
残酷な現実と共に自身と駆る愛機に冷たい銃口が突きつけられる。
カゴメは軍人として覚悟を決めたのか目を閉じ、自らの死の運命を受け入れた。
一方のラウラは残酷な現実と銃口を突きつけられ、涙を流した。
自身のせいで艦内にいればまだ生きられたのに死ぬ事になってしまった。
死ぬならば私だけで死ねば良かった。
嫌違うそれは違う・・・・
「私はこんな所で死にたくない・・・折角生きる希望が出来たのにぃぃぃぃぃ」
感情を込めて叫んだ死にたくないと・・・・・
やっと生きる希望が見つかり、これから新しい人生を歩もうとしたのにこの座間。
今までの戦友と二度と再会出来ず、やりたい事も出来ず死ぬのは嫌だ。
ラウラは無意識に自身の顔を両腕で隠した。
「!?なんだ!?」
「この攻撃何処から?」
撃たれると思い叫んだ直後、レミアを狙うようにガンポッドの銃弾が飛んできた。
咄嗟に回避したレミアであるが、一部装甲に命中しその場から離れた。
一体何処の機体だ?ラウラは見渡すと、黒い機体が目の前を通り過ぎた。
そして目にしたのは航空自衛隊第8飛行隊のブラックパンサーズのマーク。
VFー1とは違う大型で全く違うVFの姿が見えた。
唖然とする姿にモニターに目つきの鋭い若い男が出てきた。
「ラウラ・ベルタリア曹長だな・・・・・実物はとんだじゃじゃ馬だな。」
「えっなんで私の名前を?」
「援護する!」
目の前に桜花、一撃必勝と描かれたVFー4ライトニングが現れレミアのVFーXー8を攻撃し激しい戦闘を繰り広げた。
そのVFー4ライトニングのパイロットは援軍を引き連れ来援した大樹だ!
大樹のVFー4はレミアからの反撃を宙返りしながら回避し、そのまま追撃した。
「凄い・・・・・」
3形態をうまく駆使した激しいドックファイト(格闘戦)
一流エース級のパイロット同士の激しい戦闘の様子を見てラウラは言葉を失った。
大樹が逃げる立場になっても、ガウォークを使い艦船の残骸を滑るように移動し背後から追撃してくるレミアの攻撃を上手く回避し一定の地点でバトロイドに変形し上部構造を左手で掴み上にジャンプし背後から銃撃を加えた。
あんな戦い方が出来るなんて何者なんだ・・・・・
「吉野大尉、本日アルタミラに転属する日なのに来てくれるなんて・・・・」
「吉野大尉?カゴメそれは誰?誰なの?あのエースは?」
「それは・・・・・」
唖然としていると、カゴメの口から吉野大尉の単語が気になった。
吉野大尉それが目の前で優れた戦闘を繰り広げているエースの名か・・・
カゴメに吉野大尉について聞こうとすると近くにVFー4が目の前に降り立った。
聞きたい事を遮られ残念そうな表情を浮かべたラウラだったが、映し出されたモニターにはとても懐かしい人物が出てきた。
「ラウラ、やっぱ生きてたんだな。」
「シュリ!?」
「シュリ・ベルラン少尉、今では上官口に気をつけて!まっいいけど。」
半年前に海兵隊から離れVFパイロットになったシュリ・ベルランだ。
海兵隊から離れ音信不通であったが、まさかこんな所にいたとは。
ゼントラーディ軍時代や海兵隊時代と比べ、明るい性格となっていた。
そればかりではなく階級も同じ曹長たったのが、今では少尉と上官になっている。
下手すれば実力を上回っているかもしれない。
助けてもらった以上考えるのは無駄か・・・・
ラウラはそのままコックピットの中で動かなくなった。
「火星の英雄(マーズ・ヒーロー)、これほどの実力だとは・・・」
「新星インダストリーの新型、VFー4000の発展型と言うがやるな。」
大樹とレミアの激闘は続いていた。
激闘は大樹が優勢に進めレミアを追い詰めていった。
予想外に強力であった大樹の実力、対策も何も出来てない為対応が出来ない。
3年前の火星独立ゼントラーディ軍の武装蜂起の時、混乱が生じた新統合軍火星方面軍の中に新人パイロットが輝かしい功績を残した。
それが火星の英雄.吉野大樹、ロイ・フォッカー章とチタニウム章を受章し20代前半の若さで小隊長そして中隊副官を勤めた次世代の期待の星。
先の大戦で一条輝と言う凡人が後世に名を残すほどの実績や輝かしい出世街道を歩んでいるが、大樹も似たような道を歩む・・・その輝かしい実績の中で踏みつけられるのがレミアのような敵・・・・・
是が非でも殺してやろうとレミアは最後の力を出そうとした。
「やめろ!レミア・ジフォン!Mrダルダントンの失望を買いたいのか!早く撤退しろ!」
「こいつは・・・・」
「ヤバい連中が来ている、こいつらは先遣隊だ・・・今逃げねば終わるぞ!」
「チッ・・・・・」
僚機のSvー51が近づき任務遂行優先の為撤退するように促された。
反論しようにもレーダーには複数のVFと空母2隻が接近しつつあり、下手すれば脱出ルートが封鎖され折角達成した任務が失敗に終わってしまう。
引き際を間違えれば作戦成功が反転、作戦失敗に終わってしまう。
舌打ちをしながらレミアはSvー51と共に戦線から離脱を開始した。
離脱するレミア達にジェフリーらダンパー小隊が追撃した!
「野郎!」
「リックやめろ!」
「しかし・・・・」
「はぐれゼントラーディがいる友軍艦隊を救うぞ!ジェフリー、お前らも戻れ!」
強奪された最新鋭機を追撃しようとリックは動くも大樹は止めた。
普通ならば最新鋭機を奪還する為追撃するべきなのだが、はぐれゼントラーディの勢力は以前そのままであり脅威の排除がされていない。
ラウラも戦闘不能な状態に陥っている為追撃したら艦隊が全滅し救援が無意味になる。
今は艦隊を救い出す事を優先しなければならない。
「様子はどうなっている?」
「我が方の部隊、被害甚大・・・敵の援軍多数・なれど後詰めを出せば・・・」
「そうか分かった。最後の部隊を出せ・・・・」
はぐれゼントラーディ艦隊は後詰部隊発進しようとしていた。
直掩部隊と新統合軍護衛部隊全滅後に投入予定だった制圧部隊の混成である。
リガード・16、ヌージャデル・ガー・10機そしてグラージ・5機
艦隊からすれば十分な脅威であり、前線で戦っていた残存14機を含め50機近くの戦力になる為艦隊に留めを刺すには十分すぎた。
アブサラン甲板では残存した唯一のプロトタイプモンスターが艦載機群に向け砲撃、数機撃破するも数の暴力に押し切られ撃墜された。
「ラウラは早く退避して!ここは我々が食い止める!」
「シュリ!私だけ逃げるなんて・・・・」
「バカ!その機体で何ができるの?それに折角拾った命を捨てるつもり!死んだら許さないから!」
「くっ・・・・シュリこそ・・・・・死ぬなよ。」
「バカを言え!死ぬか!」
援軍が来たとは言えはぐれゼントラーディ最後の攻勢に苦戦を強いられた。
戦闘不能になったのにラウラは逃げる事を拒絶したが戦力外だとシュリに逃げるように言われると渋々退避し戦場から離れようとした。
ラウラから死ぬなよと言われたシュリはムッとした表情を浮かべ反論しその場を去った。
誰が死ぬか・・・・それもそうだよな。
「吉野大尉、本隊はまだですか?」
「後数分後だな、ジェフリー・・・それまで耐えろ!」
大樹率いるクーガー小隊とジェフリー率いダンパー小隊は苦戦していた。
マナット中隊残機と合流しシナノとアルタミラ本隊を待っていたが敵の数が多すぎるかつ、被弾した艦隊を警護しなくてはならないので力が発揮出来なかった。
シナノとアルタミラ本隊はもうすぐ合流する手はずだが、まだ数分ある。
わずか数分も言えども長すぎる。
「レーダーには艦あり!ゼントラーディ軍艦艇・・・これは・・・・」
「リックどうした?」
「友軍・・・・ブリタイフリート(第1機動艦隊)です!」
本隊到着を待っているとゼントラーディ軍艦艇がレーダーに映った。
一瞬敵だと思ったが、友軍を示すIFFを示した為安堵した。
友軍・・・・第1機動艦隊.通称ブリタイフリート。
ブリタイ・クリダニク率いる第1機動艦隊であった。
「ゼントラーディ軍将兵に告ぐ新統合宇宙軍総司令官ブリタイ・クリダニクである。」
「ブリタイ司令!?」
「貴官らは完全に包囲されている。無駄な抵抗はやめ投降せよ!命までは取らない。」
ブリタイ艦隊は旗艦ノプティバガニス級ガンドゥーラを中心しキエトラ・ケルエール級やケアドウル・マグドミラ級などを旗艦に複数のスヴァール・サラン級を僚艦にした小艦隊を右翼・左翼に展開し強力な包囲網を展開した。
第1次星間大戦後、ブリタイは旧アドクラス艦隊.ラプ・ラミズ艦隊残存艦艇を取りまとめ第1機動艦隊を編成し地球圏と月面防衛の任に就いていた。
修理する艦艇が多かったのか単艦で行動してながらも、ダガオ・ノルガル率いる工業衛星奪取作戦など数々の実績を積んでいき新統合軍総司令部からの信頼を勝ち取った。
2015年には星村謙三大将に代わり新統合宇宙軍総司令官に就任し、新統合軍内部や国防総省内はおろか新統合政府において無視できない程の大物人物となった。
引き続き第1機動艦隊旗艦ノプティ・バガニス級5631ガンドゥーラに乗艦しながら総司令官としての職務に就いている。
ゼントラーディ軍の装備の部隊だけでなく、ゼントラーディ人兵士によるVF飛行隊を多数有しており異種混合大隊を編成し反統合ゲリラやはぐれゼントラーディと交戦し多数のエースパイロットを輩出するなど第1機動艦隊は精鋭揃いと称された。
そんなブリタイだが、第1機動艦隊を率いて月面一周哨戒任務に就いて航行中にレーダーにてラウラ達の戦闘を確認した。
空母シナノと空母アルタミラの2隻が援護に入っているが、ゼントラーディ艦相手では更なる損害を被ると判断し自らの介入を決断した。
「ブリタイ・クリダニク・・・・」
「艦長・・・・・」
「相手にしたらどの道負ける・・・・降伏する。」
ゼントラーディ軍艦隊はブリタイフリートの威容を見て戦意を喪失、降伏した。
第1機動艦隊からはゼントラン海兵隊やダルエスカラック中隊などのVF部隊が発艦し次々にはぐれゼントラーディ艦艇に侵入し制圧したり、艦載機部隊の武装解除を開始した。
中には抵抗する者がいたが一蹴され武装解除はスムーズに完了した。
「ラウラ・ベルタリア曹長・・・でありますか?」
「はい・・・・ラウラ・ベルタリア曹長・・・です。」
「レフトウィッチまで連れていきます」
ラウラとカゴメはボロボロになりながら、残存したドーントレスに掴まれレフトウィッチに帰還しようとしていた。
レフトウィッチまで自力で移動することが困難であり、救援信号を出した所たまたま近くにいた残存ドーントレスがキャッチし回収しに来てくれた。
機体の中でラウラは安堵しパイロットスーツのヘルメットと胸元のチャックを外しリラックスし、カゴメもヘルメットを取った。
第1機動艦隊から到着して数分後、トリコロールカラーでMPと翼に描かれたVFー5000スターミラージュで編成された警務飛行隊が到着した。
「隊長、あれ?」
「警務隊・・・リック.シュリついてこい!」
現場に到着した警務隊のVFー5000の姿を見た大樹は直ぐ様動いた。
連中はラウラ達を逮捕するつもりであり、その前にラウラ達を保護しなくてはいけない。
近くで警戒しているリックとシュリに呼びかけラウラと警務隊の元に向かった。
その頃、警務隊のスターミラージュはバトロイドに変形すると否やガンポッドを銃剣モードで構えラウラのVFー1Dと掴んでいるドーントレスに銃口を向けた。
「動くな!」
「うっ!?」
「我々は新統合軍警務隊、主犯ラウラ・ベルタリア曹長.共犯カゴメ・バッカニア少尉貴官らを拘束する!」
警務隊のVFー5000スターミラージュはラウラ達を取り囲んだ。
ガンポッドの銃口はラウラのVFー1Dに向けられており、全方位に4機編成小隊が固められ完全に逃げられないように包囲していた。
ーロイエンタール少佐により今回の件は不問にされていたはず!
ラウラは意味不明な展開に困惑した。
警務飛行隊の隊長が近づき、ラウラのVFー1Dに手を置いた。
「抵抗しても無駄だ、我々を排除した所で新統合軍全軍を敵に回すのだからな。おい!」
「「ハッ」」
「待ってください。ベルタリア曹長は強奪されたVFーXー8の奪還を・・・・」
「新星インダストリー、本来ならお前も拿捕対象だ!今回はベルタリア曹長の逮捕だけだが、これ以上口にするならばお前も拿捕する!」
「な・・・なんて横暴な・・・・」
警務飛行隊長の態度は横暴極まりなかった。
連行されるラウラを擁護しようとアムに警務隊は銃砲を向けて脅した。
本来国民を守るべき軍隊が銃砲を向けており、アムは横暴だと評した。
アムが怯んだ所でラウラの連行を開始した時、隊員の一人が何かに気がついた。
「隊長、一般部隊です。」
「黒いVFー4・・・・・部隊は?」
「空母シナノ所属ブラックパンサーズ中隊、JASDFの末裔です」
周辺警戒をしていたブラックパンサーズ中隊もとい大樹達が近寄ってきた。
ブラックパンサーズは航空自衛隊第8飛行隊の後継部隊で有名であり、警務隊の面々の中に存在を知っている者が多数存在してきた。
それに火星の英雄である大樹の存在も・・・・
「俺はブラックパンサーズ中隊副隊長.吉野大樹.大尉だ!」
「警務飛行隊ホワイト・ドック隊、ジョージ・ディアス大尉である。貴官らは何用か!」
お互い挨拶をした・・・・・階級は共に大尉。
何とも言えぬ空気がこの場を支配した。
膠着状態が続いたが先に口を開いたのは大樹であった。
「我々はロイエンタール少佐の命により、カゴメ・バッカニア少尉並びにラウラ・ベルタリア曹長を拘束。シナノまで連行するように言われている。引き渡しを・・・」
「!?一般部隊の貴様らが我ら警務隊に意見するのか!!」
「我々は白川提督の指示に従っているが何か?」
ロイエンタールの命令によりラウラとカゴメを連行するように言われていると警務飛行隊の隊長であるディアス大尉に告げるが、予想通り反論してきた。
本来軍規違反者を取り締まるのは警務隊であるからだ。
予想通りの反論に大樹は上位階級者である白川提督の名を出すと怯んだ。
ディアス大尉らは権力者に弱いようだ。
「白川提督だろうと我々は軍法に基づき・・・・」
「我々に課せられた命令は白川提督直々の命令である!」
「貴様・・・・軍法をなんだと・・・」
お互い激しい言い争いをする。
ディアス大尉は権力者に弱いが、法を持ち出してラウラとカゴメを連行し軍法会議に処する権利を有するのは我々だと必死に言ってくる。
流石に一筋縄ではいかないか・・・・大樹の額に冷や汗が垂れたその時だった。
「そこまでにしろ!」
「貴様は?」
「ダルエスカラック中隊長ロシュラル・トリューズ少佐だ!」
近くで戦後処理を行なっていたダルエスカラック中隊の隊長であるロシュラル・トリューズ少佐が大樹とディアスの言い争いに介入した。
トリューズの介入にディアス大尉や警務隊員らは何か言いたげだったがら、鋭い眼光に怯んだまま何も言えずにいた。
「貴様らは民間人であるアム・ヒタチアに横暴な態度を取ったがそれこそ軍法に違反するのでは?」
「それは・・・・・」
「軍法を出しているが軍法を盾に横暴を働くのは度が過ぎるぞ。黙っているからこれ以上は手を退け!」
眼光に怯んだ警務隊にトリューズは正論を言い放った。
先ほどのアムに対する横暴な態度は軍法的にもモラル的にもアウトであった。
本来守るべき国民であるアムを銃口を向けて連行すると脅したり、見下す行為は他の正規の新統合軍人から見ても異常であった。
無論、民間人であるアムが無断で自衛行動に出るのもアウトであるが・・・
トリューズの言葉を聞いたディアス大尉は警務飛行隊は悪態をついたまま逃げ帰った。
大樹は擁護してくれたトリューズに感謝の言葉を述べるとラウラの元に来た。
「ベルタリア曹長・・・・」
「はい!」
「貴官には問い詰めたい事がある。今回の件は完全に無罪放免とは行かんからな。」
鋭い眼光で大樹と話したラウラは心臓を抉られるかのような感覚に襲われた。
まるで獲物を狩る野生の狩人に狙われた野生動物のように。
震えるラウラを他所に大樹はアムの機体の肩に手を置いた。
「ヒタチア主任・・・・」
「は・・・はいなんでしょう。」
「他組織なので詳しく問い詰めませんが、極力しないように・・・次はこうはいきませんのでいいですか?」
「はい・・・」
大樹は詳しく問い詰めないと言いつつ、民間人であるアムの無断自衛行為に極力するな次はないと脅すような事を言った。
あまりにも冷たすぎる声に警務隊と同じじゃんとアムは言えなかった。
アムはその後、事情聴取の為レフトウィッチに乗艦する事となった。
【空母シナノ.格納庫】
VFー1Dから降ろされたラウラとカゴメは厳しい視線を送る大樹の姿に震えていた。
大樹だけではない、ブラックパンサーズ中隊の面々やシナノ整備班の視線もあってか尚更厳しい。
震えるラウラの前に大樹が近づいてきた。
「ラウラ・ベルタリア曹長、何故あんな真似をした?」
「ハッ艦内でそのまま死ぬのが堪えられなかったのであります。」
鋭い殺気の籠もった目をしており、とても怖かった。
さっき警務隊から助けてくれた人物と同じ人だとは思えない程恐ろしい。
震えるラウラに指揮棒を持ちながら大樹が目の前に立った。
目の前に立った大樹の目は氷のように冷たい。
「気持ちはわかる・・・・が・・・・貴様は軍人だろ?そんな勝手が許されるのか?」
「それは・・・・・」
「貴様は軍人だろうがぁぁぁぁぁぁ!!」
ラウラの正直な問いを聞いた大樹は氷が沸騰したかのように激しく激昂した。
パイロットスーツのホルスターからベレッタM9を取り出し額に突きつけた。
今まで激怒された目に遭った事のない。
額に頭の頭蓋骨を捩じ込むかのように強拳銃の銃口を突きつけられ痛い。
頭から少し血が出る程に痛い。
「!?」
「隊長それは・・・・」
「お前らは黙って見てろ!」
カゴメやシュリとリックらブラックパンサーズ中隊の隊員達はこの光景を見てあおざめ、諌めようとするも大樹に一喝され何も言えなくなる。
ラウラは目の前の殺気際立っている4階級上の上官である大樹に殺されるかと思った。
しばらくすると落ち着いたのか拳銃を降ろしホルスターに戻した。
「俺が怒っているのは軍法会議云々の話じゃねぇんだ。勝手な独断専行で更に人が死ぬ事を理解してねぇから怒ってるんだ。」
「それは・・・・・」
「貴様・・・・・自分の身勝手な行動や言動で仲間を殺すと言う事・・・まともな軍人ならば理解した方がいいぞ。」
ラウラのした事はあまり許される行為ではない。
結果的にレフトウィッチなどの新統合軍等の友軍兵士の命を救えたが・・・・
下手をすれば自分の行動次第では余計な犠牲が出ていたかもしれなかった。
「軍人ならば自分の行動で誰を殺すか生かすか決まる。感情で動くな、考えた上で行動しろ!」
「はい・・・・・分かりました。」
軍人である以上、感情ではなく冷静な判断をした上で行動をしなくてはいけない。
感情で動いた結果、自分自身や仲間を失い最終的に国民に多大な害を与える事になる。
納税と言う国民の支援の元に活動している新統合軍としては許されない事だ。
今のままのラウラでは今後生きていく上で生涯になるので大樹は敢えて怒鳴った。
「吉野大尉、私は・・・・」
「バッカニア少尉、本来なら貴官も厳しく言いたいが不問だ。ベルタリア曹長のこれからを頼む。」
「ハッ」
ラウラに対する説教に戸惑っていたカゴメに対し大樹は鋭い眼光のまま普段通りに接した。
大樹は感情的に怒る性格ではない、部下を叱る時もアメとムチの感覚を弁えており戦場で死なせない為に厳しく叱り良く出来た時や嬉しい事があったら褒めたり共に喜ぶ事がある。
激しい激昂は感情から来るものではない。
仲間を救うため嫌われ者になる覚悟から来るものだ。
しばらくして話し合いが終わると話し合いが終了しラウラとカゴメそして大樹率いるクーガー小隊やダンパー小隊は整列を解除して解散した。
だが、ラウラはまだ大樹に睨まれている事に気が付きビビった。
「ベルタリア曹長、一言言いたい事がある。」
「はい。」
「そしてシュリ・・・バッカニア少尉を部屋に案内してくれ。」
「了解です。」
自分だけ呼び出された・・更にきつい事を言われるのだろうか
それを考えると震えが止まらなくなった。
拳銃を突きつけられた時、本気で殺されるかと思った。
ラウラにとって大樹は存在自体がトラウマと言う認識が出来た。
するとシュリは薬と笑い目の前に現れ口を開いた。
「ラウラ、吉野大尉の事あんまり怖がらないでね。」
「シュリ・・・・」
「大尉、結構素直じゃないから。」
素直じゃないと言う言葉に、大樹を怖がっていたラウラは拍子抜けした。
ラウラは厳しい口調で説教する大樹は恐怖の対象でしかなかったが、素直じゃないと言う言葉を聞いてから安心感を覚えた。
軽くシュリと会話を交わしたラウラは大樹の所へ向かった。
到着するとVFー4ライトニングⅢを名残惜しそうに見ている大樹の姿が見てた。
まるで親しい人と別れるかのように寂しそうな表情だ。
ずっと見つめているラウラに気がついた大樹は近づくと目の前でお辞儀をした。
「さっきは厳しい事を言って済まなかったな。」
「いえ大尉の言う通りですし、私もまだ・・・・」
「まだだからこそ周囲から学べ、俺もお前も若いし挫折はある。だからこそ道だけは外れるなよ。それだけだ。」
話はそれだけであった。
謝罪と今後の行く末に対するアドバイス。
人生挫折する事があるから道から外れず周囲から学べ、ラウラはこの言葉に感銘を受けた。
なんかまた明日が歩めそうな気がした。
ラウラはしばらくぼーとしていたが自室に戻る大樹を引き留めた。
「大尉!」
「ん?まだなんか?」
「ありがとうございます。まだ私は生きていられそうです。」
大樹を引き留めて言った言葉は感謝だった。
初めて誰かに感謝の言葉を述べる事が出来た。
戦友のアンジェミラやメフィリア達でさえ言えなかった感謝を今こうして・・・
今まで人生
ありがとう・・・・・なんて言葉知らなかったのに自然と口から発した。
大樹は軽く笑ってラウラの肩に手を置いて言葉を返した。
「バカを言え・・・・友軍を助けるのは軍人として当たり前だからな。それと・・・」
「は・・・・・はい」
「簡単に死ぬと思うなよ。お前が死んで悲しむ仲間がいる事を忘れるな。死こそ解放ではないからな。」
「了解しました。肝に銘じておきます。」
感謝されるほどではない、友軍を助けるのは当たり前。
簡単に死ぬとは思うな、悲しむ仲間がいる大樹の言葉が心地よく感じた。
同時に気持ちが変になった。
今まで感じた事のない不思議な感覚、大樹の顔がまともに見えなくなるくらいに。
海兵隊時代ゼントランと同乗していたが、不思議な感覚に陥っていない。
「ラウラ・・・顔赤いわよ。」
「えっ顔が赤い?そうかな?そう見える?」
「ふ〜ん、なるほどね。なるほどね。」
「シュリ・・・なるほどって一体なんなのよ?」
カゴメを部屋に送ったシュリから顔が赤いと指摘されるとラウラは戸惑った。
顔が赤くなった原因を察したのか、指摘した本人は笑った。
何か知っている・・・ラウラは問い詰めるも、はぐらかされ結局分からなかった。
その後、ラウラはシュリに部屋を案内され入室した。
「吉野大樹か・・・・なんでだろう・・・一緒にいたいと思うんだよね・・・・」
クラビウス基地に到着するまでに用意された部屋のベッドの上に下着姿のまま寝っ転がったラウラは大樹に対する気持ちを吐露した。
一緒にいたい、今まで男性相手にそんな感情を抱いた事は無かった。
後に恋だと言う感情であると知るのだが、この時のラウラはまだ知らなかった。
西暦2021年2月1日
クラビウス基地にラウラ・ベルタリア曹長、カゴメ・バッカニア少尉が到着、VFー1Dの無断使用に対する罪状により在室謹慎がクラビウス基地司令部から命じられた。
その一方で機種転換センターに入所に対しては予定通りに入所する事が許可された。
入所式までの間ラウラは本を買い込み、軍人として己を磨こうと考えた。
再び吉野大樹と出会った時、きちんとした軍人として振る舞えるように。
次回予告
機種転換センターに入所したラウラは手渡された銃にとてつもない重さを感じた。それは国民の為の軍人として背負う命の重さを認識した時であった。憧れの人生を歩み始めたラウラであったが、現実は想像を絶する苦難を歩ませようとしていた。
次回、マクロス外伝蒼い髪のメルトラン
モデルチェンジ
大地を抉る炎となれモンスター
前回
合間
次回