城郭模型製作工房 -19ページ目

城郭模型製作工房

城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。


皆様のこの新たな一年が、平安で素晴らしいものでありますことを心より願っております。

城郭模型製作工房は2019年も多くの作品を生み出して参ります。 

今年はさらに活動の幅が広がる予定です。

ますますのお引き立てを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

島 充


大晦日です。

護摩壇は無事に昨日、ご依頼主様に受け取って頂くことができました。

1/10サイズです。

金箔を使っていないだけで、木製、漆塗り、金属金具、と材質も本物と同じです。

模型というより雛形ですね。

壇線はご依頼主が本物の護摩壇に使われる壇線を組んでいる組紐屋さんで特注されましたのでこれも本物。
電飾して光ります。護摩木はゆらぎ照明で火のように光ります。

今年最後の作品となりました。

今日で2018年も終わります。
今年も本当にいろんなものを作りました。思い返すとよく体がもったな、と正直思います。

毎年、画像を上げて総まとめしていましたが、今年はその時間がありません。

お正月中に二つ仕上げたいものがあるのです。
一つはプライベート作品の創建時金閣。
天鏡閣も作って、義満の北山第の様子を彷彿とさせるジオラマにするつもりです。
室町期の古風な入母屋屋根をつくっています。
プライベート作品を作らないと、質を保ち、向上させていくことができません。

力を抜いて取り組めるものがやはり必要だと感じます。

もう一つは豊臣大坂城天守。こちらはもうお受けしてから2年以上…

この二つから2019年は始まります。
熊本城になかなか入れない(笑)

2019年は今までに増して大変なことになる年になりそうです。

少しずつご報告できればと思います。


2018年やり残したこと。
岡山城の動画アップと中の段以下の説明。
年をまたぎますが必ずやります!

工房の大掃除も終わりました。

今年一年、本当にありがとうございました。

来年もなにとぞよろしくお願い致します。

どうぞよいお年をお迎えくださいませ。



護摩壇の脇机です。

護摩壇の製作記事の前に…

昨日、今日と熊本の方に取材と調査。
熊本城じゃないこのお城に行きまして。

清正の城です。

そして今日は熊本城へ。
熊本城納めです。来年は熊本城のための一年になることでしょう。

街から見上げる熊本城はほんとうに雄大で。

写真には写らないんです。存在感が。

それでは護摩壇です。

漆塗りなんですね。
そして私の勘違いというか思い込みで、黒で仕上げかけていたのですが、ご依頼主様から朱です!とメールが。

しかし、怪我の功名か、下地が黒のため、鎌倉塗りのような重厚な朱になりました。

漆は乾燥に24時間かかりますので、その間にちまちま仏具を作ったり。
お寺の床に見立てた台もつくりました。

漆は都合5回くらい塗り重ねています。
指紋や脂がつくといけないので、手袋をつけての作業です。

抜けているところを塞ぎ…

金具を取り付けていきます。

金具が付くとぐんと豪華になりますね。

次回は完成。

漆の乾燥待ちの間に、前々から構想していたプライベート作品も進めることができました。
護摩壇をつくっていると、もう無性にこの建物がつくりたくなって。

創建時金閣です。
金閣、秀吉が生まれる頃までこんな姿だったと言われています。

舟入玄関は本物と同じ構造で。

フジミの改造でなおかつ半分くらい作っていたので、建物だけはあっという間にできました。

なぜこんな形だったと分かるのか?などなど、こちらは護摩壇完成後、詳しく記事にします。




短畳(たんじょう)です。

こんな大きさです。

1/10スケールだと、畳表がのっぺらぼうだと面白くありませんよね。

どうやって畳表を表現するか。
ヒントは台徳院霊廟模型にありました。

増上寺に見に行った時、そこに模型の畳が展示してありました。この模型がちょうど1/10。

その畳の解説に、畳表は和紙に模様をつけて表現、とあったのです。

当然、どうやってやるのか、具体的方法は書いてありません。

試行錯誤。
まず、真っ白な和紙にやってみる。

最初、硬い板の上に木綿を一枚、その上に和紙、でやってみるもなかなかうまくいかず、結局和紙を数枚重ねてやるのが一番模様が綺麗につきました。

しかし…

この後塗装したら、和紙が水気を含んでのびてしまい、時間をかけてつけた模様がほとんど消えました。

トホホ。

次に塗装後にやった場合。
なんか表面がデコボコに…

近いけど違う。

最終的に、塗料に木工用ボンドを混ぜて、表面を固めると同時に少し弾力を持たせる。その上で模様をつけていくと、いい感じのツヤも出て畳表らしくできました!

三度目の正直です。

印刷した高麗ベリを合わせてみる。


芯に貼り込んで完成です。




護摩壇の製作に本格的に入りました。

漆塗り仕上げです。
漆といっても合成漆ですが、現在お仏壇に至るまで幅広く使われているものです。

下地ののち1度目の塗りこみ。

綺麗な表面になればいいのですが。

塗装前の状態ですが、けっこう細かく造形しています。

最終的には金具打ちになります。
イメージを掴むため、金具をとりあえず置いてみました。
金の色目がイメージとちょっと違います。
工夫しましょう。

このようなお仏具は模型とはいえ、心静かに取り組みたいです。年末ですが焦らずじっくり綺麗に仕上げます。

これから2度目の漆塗りに入ります。