地面のつくり方②仕上げと応用 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

引き続き地面のつくり方です。


前回、質感をつくって色を出すところまで行きました。こんな感じです。

今回は仕上げです。

仕上では多くの場合、緑の表現と関連してきます。
前回まででつくった地面に、パウダー素材で緑を入れます。

緑の表現に使う素材や基本はこちら。知恩院三門の製作記事です。この時は一面の緑表現ですが、上の写真のように土の地面のキワなどに緑を入れるときも基本は同じです。

土の地面と緑を隣り合わせる時は、その境目が大事になってきます。
リアルにしたい場合は、緑と土の地面の境目をボカす。


作り物っぽくしたいときは、キッチリ境目を出します。


ボカす時に使っているのはパステルです。
パステルの黄土色と白と灰色を茶こしなどの目の細かい網で擦って粉にして混色します。それを柔らかい筆にすくって、擦り込んでいくのです。
これは1/1000の竹田城ですが、ご覧のように、緑のパウダーの上からパステルを擦り込んでいます。

まず、緑のパウダーをまばらに撒いて、乾燥後にパステルを擦り込んでキワをぼかしていきます。
この写真は1/100の竹田城ですが、パステルはスケールに関わらず有効です。

最後につや消しのトップコートを吹き付けるなどして定着させましょう。

完成するとこんな感じ。

【応用編】
地面の色をグレー系にすると、公園のように整備された砂利敷の地面になります。こちらもパステルでニュアンスを加えます。

完成。

砂のテクスチャーを作るのに、リアルサンドを使わずに、すでに粒状の素材が練り込まれた塗料などを使う方法もあります。
右のナチュラルサンドは、色が付いていないので、アクリルガッシュで自由に着色して使います。
薄め方を工夫したり、乾燥後にペーパーがけをしたりして表情を調整します。

それぞれ粒の大きさなど感じが違いますので、場面に応じて使い分けましょう。乾いた後に色を上からかけて様々な色にすることもできます。あくまでテクスチャー表現として使います。

【参考・姫路城の場合】
手前はコンクリート舗装、奥は土の地面にコンクリート舗装道路

①下塗り:セピア使用
※コンクリート部分はスチレンボードにモデリングペースト塗り/土部分は壁補修パテにサンドペーパーがけ

②土のテクスチャーづくり
地面色+ナチュラルサンド
※コンクリ舗装部分にはニュートラルグレー7

③地面中塗り
土部分に地面色

④上塗り
全体にエナメルの濃い茶系をごく薄めて塗り、色を落ち着かせる

完成

【様々な地面表現】
●舗装部分との対比
舗装部:サンドペーパーを貼り込み着色

●石畳、舗装、土地面混合

●砂利敷

●築地塀での区分け

●乾いた地面

●まばらな草

●庭と雨落ち溝

●展示模型風

などなど。

【関連】
1/150での石垣のコケと背の高い草表現は

拙著
に素材や接着剤など詳しく解説していますので参考になさってください!