岡山城古写真 新発見??その2 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

昨日は一日舞い上がってしまいました。

岡山城の宍粟櫓と旗櫓だとされてきた写真が、模型製作のためよくよく見てみると、全然別の建物ではないかということに気づいたのでした。

宍粟櫓だとされていたものは池田主税屋敷内櫓、旗櫓とされていたものは伊木長門屋敷内櫓である可能性が高そうです。
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どこに報告すればいいか迷い、岡山市の教育委員会文化財課にメールを送りました。取り合ってもらえればいいのですが…

そして今日、今回の模型をご依頼下さった岡山市内の方が、現地で写真を撮ってラインで送って下さいました。

まずその場所を特定することから始め…
古写真を見ると、矢印のところで土塀が折れ曲がっているのが分かります。
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グーグルアースで見てみると確かに折れ曲りがあります。
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折れ曲りの様子。
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そうするとだいたいの位置関係はこのようになります。池田主税屋敷内櫓はちょうど水門のある橋の付け根あたりかと推定できます。素軒屋敷櫓と伊木長門屋敷内櫓の跡は今も櫓台が残っています。
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そうするとこの矢印かもう一つ右の中州辺りから撮影されたのではということが分かります。
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そして現地で撮って下さった写真がこちら。
写真の右側、水門の橋越しに伊木長門屋敷内櫓台の石垣が見えます。
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その櫓台を基準に古写真を合成してみると….
ゾクッとするとはこのこと。
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県庁の建物と水門の橋がなんとも!!

そして現在の伊木長門屋敷内櫓台。
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古写真と並べてみると土居の感じなどそっくりです。
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櫓台には木製に手書きの表示がポツンと。
今回の発見で立派な看板ができる日がくるかも!?
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今回の私の推測は限りなく正解であろうと半ば確信しています。
昨日に続きもう一度叫ぶ。….新発見であることを願う!

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また、ご依頼主様は資料も収集しておられ、岡山城の古い絵葉書を手に入れられたとのことですが、これも見せてもらったらなんと…

舂屋(つきや)櫓が鮮明に!初めて見た!
大納戸櫓も棟高なのがよく分かる!
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見たことのある古写真も鮮明に!
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これは貴重なのでは…??
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そして製作の方です。延々と櫓の芯の箱組みを作っています。
積み木の家が並んでるみたい。
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櫓は全部で櫓20ありますのでまだ3分の1。

今週は考証メインでしたが、新しい発見がいくつもあり、嬉しかったです。