岡山城天守【外壁の製作】押縁の謎 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

岡山城の天守です。1/300です。

外壁をつくっています。
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岡山城の天守が小ぶりなのは知っていましたが、1/300で起こしてみると予想以上に小さくてちょっと驚きました。

この天守の大きさでも本丸全体の模型は1メートル四方になるのですから、城郭は巨大だということを改めて思わされました。

さて、今回は下見板についてです。

古写真を見てみると、まず、横板の枚数がよくわかりません。鎧張りでは無いようにも見えます。鎧張りであったとしても板はかなり薄いです。
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そして、押縁(横板を押さえる縦の棒材)の数が多い。
図面上記ので窓と窓の間の押縁の本数を数えてみます。
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古写真では
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6本としているところは7本かもしれません。目がチカチカする。

同じ場所を再建天守で見てみます。
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全部バラバラ…
とにかく、再建天守より古写真と図面の方が倍近い本数があります。

天守の南東の隅部分です。
実測図では
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古写真では
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再建天守では
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こちらも全部バラバラ…

直前に熊本城をつくっていましたのでこういうことが気になってしまいます。

それにしても戦前の押縁の本数は多くて細い気がして、住宅のような割付でないかと思ってしまいます。

実測図や古写真に近い本数を入れることにしました。一番細い0.3mmのプラ材でもぎゅうぎゅうになるので、正確な本数は入れられません。
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これから押縁を進めます。
南面。
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北面。
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岡山城の特色である不整形の平面です。
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