今回は一重目屋根の完成までです。
前回、屋根面の切り出し法をご紹介しました。
この切り出した屋根材にプラ丸棒で本瓦葺きを表現します。その製作風景を動画にしてみました。
動画では300分の1としていますが、この天秤櫓は200分の1ベースです。それはプラモデルの天守と合わせるにあたって瓦の幅をそのキットに合わせたためで、0.5ミリだと本来ならば五寸丸瓦の300分の1に相当します。
さて、屋根面を切り出して仮組みしたところです。
この屋根面に、動画のように丸瓦を取りつけていきます。
切りそろえるとそつが出ます。これはあとで掛け瓦や鳥衾に使えますので捨てずにとっておきます。
屋根を組む前に、あとで作る軒裏パーツのために形をなぞっておきます。
屋根を組み立てました。
続いて破風面を作ります。
図面に合わせて破風板を切り出します。この時、掛け瓦が覆いかぶさっていることを考慮して、破風板は図面より少し広めに取ります。
破風板と懸魚を取り付けました。
引き続き、蓑甲部分の掛け瓦を作ります。
これを破風板の上に斜めに取り付けていきます。写真では左に掛け瓦を取り付けています。先ほど破風板を広めにとった意味がお分かりいただけるかと思います。
掛け瓦の取り付けには取り付け面の調整が必要です。屋根面の丸瓦を削り取ったり、接着面を斜めにカットしたりして調整します。
屋根の仕上げは棟瓦です。
まず大棟から。屋根の上に飛び出していた棟木材を挟むように両側からプラ材を取り付けます。
次に半丸棒を上面にかぶせ、鬼瓦を取り付けて棟の完成です。
降り棟、隅棟も取り付けます。
隅棟は取り付け位置の丸瓦を削り取ったり、これも調整を要します。
屋根の納まりの細部の写真を掲載します。
屋根の製作はその場での調整など臨機応変な対応が求められます。そもそも図面どおりにやると噛み合わなかったりすることもあります。建物を実際に組み上げていくつもりで、柔軟に現場合わせを行いましょう。