長旅でした。 | 城郭模型製作工房

城郭模型製作工房

城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

お納めした岐阜城の模型がさっそく→新聞記事←になったそうです。この模型のこれからの歩みを製作者として楽しみに見守りたいと思います。

岐阜まで自家用車での旅。せっかくなので寄り道をしながら行きました。

まず三井寺(園城寺)。目的はこの三重塔。
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この塔は秀吉の木幡山伏見城にあったものです。
近年発見された屏風にもあります。残念ながら伏見城内にあったことは解説にありませんでした。なんで書かないんだろう。
{CE421A81-7E4B-405F-A60B-23C24A6FDF7C}吉野の比蘇寺→木幡山伏見城→園城寺と二度移築されています。
城郭の中に仏塔が建てられた例は数少ないにもかかわらず、安土城の摠見寺三重塔と伏見城のこの塔と二つも現存しているのは不思議ですね。

国宝の金堂は北政所が寄進したもの。

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次は石山寺。
多宝塔前のこの岩盤が目的。いろんな角度から撮影してきました。平安時代、女房たちの一大レジャー地だったたけあり、境内は様々な表情があり、飽きさせません。
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次は安土城。駅前の城郭資料館で20分の1の雛形を久しぶりに。
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閉じてもらって全景も見ることができました。
ちなみにこの模型の制作は京都科学。
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安土城跡に登り天守台。
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10キロを超えた娘を抱っこして登る石段は苦行のようでした…
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次は彦根城。彦根城のご依頼が立て続けに入ったので念入りに取材してきました。
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次は長浜城。
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続いて琵琶湖を渡り竹生島。
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都久夫須麻神社の本殿は秀頼の寄進。伏見城の御殿とも、豊国廟の創建時の本殿とも言われます。
{99E8712E-C479-445D-B521-03F92C1ADE84}内藤案の安土城最上階の扉はこの本殿の桟唐戸がモデルです。

本殿に繋がる舟廊下は秀吉の御座船「日本丸」の部材で作られたことからその名がついたとか。
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内部。
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そして目的の宝厳寺唐門。豊臣大坂城の唯一の建物遺構です。もとは極楽橋だったものです。
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残念ながら修理中。2年後まで素屋根に覆われています。
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足場の隙間から唐破風の輪垂木と重厚な部材を覗いてきました。

長浜にもどり海洋堂のフィギュアミュージアムでジオラマをたくさん見て。
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岐阜で納品ののち、
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京都に入り、醍醐寺三宝院。
襖絵が悉く印刷の複製品でちょっと残念。
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国宝の唐門。かなり久しぶりで前回は修復前でした。
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京都で最古の建物、五重塔。秀吉が醍醐の花見のために修理させたので今に残ります。日本三名塔の一つにも数えられます。
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隅の組物に、まだ発達途上の古風な納まりを見せます。私が一番好きな塔です。
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続いて伏見城。本来の伏見城とは場所も違う創作のもの。桃山風の似せ物ですが完全な偽物。
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とはいえ、軒の出や反り具合などよく出来ていて、結構好きなのです。以前行った時はまだ現役時代でしたから、キャッスルランド閉園後、放置され半ば廃墟状態の現在の姿には寂しさを感じました。
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その後平安京の大ジオラマを見に。ついに見れました。平安遷都1200年記念につくられたもので、制作費はなんと2億3000万円!この模型も京都科学の制作です。
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ひと区画ずつ発掘調査や文献史料から綿密に復元され、分からないところは空白にするという徹底ぶり。

六勝寺といわれた寺々の林立する仏塔。
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このジオラマは一辺が10メートル以上あり、本来は歴史博物館をつくって展示する計画が、バブルの崩壊のあおりで博物館の建設が叶わず、現在はその一部が平安京創成館に展示されています。
展示されていない部分はどこに保管してあるのでしょうか…

こちらは法勝寺の復元模型。
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これらの模型を見るために全国から人が見えるそうです。

最後は大阪城を北側から一望。このアングルからははじめてです。
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手前のビルが邪魔ですが、城内の高低差をよく確認しました。

いく先々で豊臣家とゆかりのあるところが多く、関西圏における建築史に豊臣家が果たした役割の大きさを感じました。

心地よい疲れとともに九州へ戻ります。
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