模型の打ち合わせ と 飛雲閣との再会 | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

今日は新潟の上越市、柿崎に来ております。

この地の古刹、浄福寺様に拙作の飛雲閣をお納めしたことがご縁となって、模型のご相談をお受けしており、その打ち合わせです。
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このお寺は浄土真宗の宗祖、親鸞聖人のご旧跡であり、明治天皇が二度も滞在されたそうです。
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その当時の本堂はなんと18間の規模を誇ったそうですが、明治の柿崎大火で類焼。その本堂の姿を伝えるのは、わずかに1枚の図面と2枚の絵図のみ。

現在の本堂は二度と火事で燃えないようにと、歌舞伎座をモデルに昭和2年に再建された鉄筋コンクリートづくりの建物です。
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見せていただいた焼失前の本堂の図面の原本がこちら。妻側のこの立面図のみが資料です。
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予めコピーをお送りくださっていたので、復元図面を用意して伺いました。
柱間から縮尺を割り出し
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6尺5寸の京間と6尺の江戸間の複合になっていることが分かります。

真宗寺院の様式から復元平面図を作成。
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最大幅14間、本堂の正面11間で復元したのですが、これは私の思い違いで、今日お話を伺うと18間だったそうで…本堂の正面は奇数間になるはずなので、おそらく正面15間幅、左右の廊の1間半×2を足して18間ということでしょう。もしくは正面17間、半間幅の縁を足して18間ということか…

しかしながら、明治天皇が滞在されているので、宮内庁には図面が残っているかもしれないとのこと。これが出てくれば全体像がはっきりしますね。

あと10年で築100年を迎える現在の本堂の方は建築図面がきちんと残っていて、そちらも見せてもらいました。全体はお見せできませんが…
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そして飛雲閣との再会。本堂に展示して下さり、嬉しかったです。
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こうやってお西さんのお寺に納まったのもご縁だなと思います。