大天守の塗装を進めています。
前回の粗下塗り。フラットブラウンとデザートイエローの混合色です。
下見板と瓦の質感が全てです。
城郭の下見板には通常、煤と松ヤニ、柿渋や油を混ぜた墨を塗ります。安土城や豊臣大坂城、現在では松本城などには漆が塗られますが、高価な上に退色が早いということで、ほとんどの場合は墨だそうです。
これは去年撮った熊本城の長局です。墨は雨で流れてしまうのでこんな感じに。新しい建物なので、墨が落ちたところは白木に近い色です。
これは今年の被災後の宇土櫓。
板自体に年季が入っていて落ち着いた色です。
広島城の窓には、内側に障子が入っていたようで白く塗っています。これと格子の塗り分けが苦しいです。後で窓には突き上げ戸を取り付けるので、少しはみ出しても目立たないかな…なんて思いながらも出来るだけ丁寧に塗りました。
古写真を見てみると、瓦もかなり年季が入っているように見えます。