豊臣大坂城(静岡HS出展作品) | 城郭模型製作工房

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城郭模型作家・島 充のブログです。日本の城郭および古建築の模型やジオラマの製作過程を公開しています。

五月のホビーショーに出展する作品づくりに取り掛かりました。
豊臣大坂城で申請したのですが、構想がまとまらず、やっとイメージが固まりました。イメージさえ掴めれば全体の作業の半分くらいは進んだようなものなので、大きな進展です。ただ、かなり細かく作りこむつもりなので間に合うかちょっと不安だったりします。

まずは大まかなレイアウト。B4サイズです。
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ちょうど冬の陣図屏風や大坂城図屏風の構図です。天守は付櫓のある東からのイメージが強いので、はじめはそちらを表にしようかも思っていましたが、城下からの眺めということで西を正面にして少し傾ける構図です。
以前作った現在の大阪城のジオラマと似た構図です。
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ただ、奥御殿は全部入れたい。極楽橋もほしい。水堀に囲まれた感じも出したい。という欲張りなレイアウトです。

ただし、この段階では、いくつか問題点があって、

1、天守が小さいし天守台が切れている
この度も既存キットのパーツの切り貼りでつくるつもりです。ホビーショーなので、できる限り市販されているプラモデルの部品の組み合わせでいきたいと思います。ですので、どうしても図面優先ではなくパーツ優先の部分が出てきます。天守に使うつもりのパーツからすると、つくりたいレイアウトに縮小した図面の天守台は小さすぎます。

2、舟入のところで水堀が途切れてしまっている
これだと水堀に囲まれた景色をつくることができません。
奥御殿の対面所の角もはみ出してしまっていますね。

これらの修正をしていきます。
図面を部分ごとに拡大したり縮小したりして切り貼りしていきます。
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今回は厳密な復元模型ではなく、豊臣大坂城の豪華さを表現したいので、あるいは強調し、あるいは省き、デフォルメを加え、密度の高い作品にしたいと思っています。

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天守はかなり大きめです。その方が模型として迫力も出ます。

水堀で手前を囲みたいので、中の段帯曲輪の幅を狭くしました。

天守が大きいので、御殿の位置も手前にずれます。当然水堀を広くしたいということと矛盾してしまうので長屋を少し短くしました。

このような、実際の図面とは辻褄の合わない部分を、出来上がった時に不自然に感じさせないようにしないといけないのでやり甲斐があります。

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どうにか一枚の図面になり、レイアウトが決まりました。手前の水堀をもっと広くしたいのですが、これが限界です。

ちなみに天守はこんな感じ。ラフスケッチですが。
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破風が納まるかどうか試しに描いてみました。
冬の陣図屏風、夏の陣図屏風、エッゲンベルグ城の大坂図屏風、名護屋城、広島城、熊本城などなどを参考に、折衷して自前で想定してみました。最上階の妻側の唐破風がポイント。

また考察を載せます。