どうしたら練習するようになるのか2 | 沖田音楽院教室ブログ

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子どもたちが教えてくれるもの

 
パート1が思いのほか好評だったので、
続編を作ってみました。
 
少々長いので先に【まとめ】を張っておきますね。


■まとめ■
 
【脳は“以前の状態”に戻ろうとする。】
 
【たゆたえど沈まず。】
“椅子に座るだけ”で練習終了!
 
【新しく始めるのは1つだけにする。】
「早起き」して「練習」する。
といったような2つの目標は立てない。
今できることを今出来る範囲で!
 
【続けることがなによりも価値がある】
結果は無視!
続けなければ結果は手に入らない。
 
【サイクルが乱れると一気にやる気が失せてしまう】
 
【練習時間をパターン化する】
この時間は練習すると決めてなるべく例外を作らない。
 
【ヒト・モノ・場所を巻き込む】
他人や自宅以外の場所を巻き込むと
言い訳を封じ込める


以上です。
子どものピアノ練習だけでなく、
大人の“続ける力”にも一助になれば幸いです。
 
 
 

「よし!今日から毎日練習するぞ!」
と思っても続かないことは多々あるかと思います。
 

それは

気合が足りないからでも
時間が…お金が…才能が…ないからでも
自分の心は本当には求めていないからでも
周囲の協力がないからでもないんです。
 

“練習が続かない理由”それは…
 
『脳は以前の状態に戻ろうとするから』
 
練習を毎日するぞ!…というのは昨日までとは違う状態です。
昨日とは違う状態になると人間は
“いままでと同じ”に戻ろうとするらしいのです。
 
脳科学的にそうなのですから、
気合や気持ちで対抗しようとすることにムリがある。

逆を言うといったん、滑車が回るようになれば、
毎日練習しないというのに
むしろ違和感を覚えるようになる。

しかしその境地に至るまでには
2つの大きな壁があります。
 

【第1の壁】力尽きる壁
 
そしてその次に訪れる
 
【第2の壁】もうや~めた壁
 
この2つを乗り越えなければなりません。
 

【第1の壁の特徴】
 
以前の状態に戻ろうとする力がとても強い時期です。
気合では乗り越えられません。

【対策】
 

大切なことはとにかく続けることです。
一番よくないのは、
決めたことを、決めた時間に決めた量やらないとダメ
…と思いこむこと。
 
こう子どもに要求したら
その時点で続かないことが確定したといってもいい。
 
そうなると
「あれだけ言ったのに!練習しないのなら辞めなさい!」
というコースにまっしぐらです。

完璧主義な為に力尽きてしまわないためには…
 
☆たゆたえども沈まず
 

何もしないというのが一番よくありません。
練習したくないのなら
椅子に座るだけでいい。
 
とにかく沈まないこと。
沈んでしまうと脳は以前の「やらない状態」
というのに戻ろうとします。
 
足りない(それも意味がないレベルで足りない)練習を
むしろ積ませることが沈まないためには絶対必要なのです。
 
ダイエットなんかでも
「ランニングウェアに着替えるだけ」
というものもあります。
 
意味は必ずあります。
「椅子に座ったから練習終わり!」を続けましょう。
それが未来へのエネルギーになります。
 

☆一つだけやる。
 
例えば…“練習するためにゲーム時間を減らす”
という目標を立てたとします。
 
これは「練習する」という目標に、
「ゲーム時間を減らす」という目標がプラスされています。
 
2つのことを達成するのは非常に困難です。
今できるところから今できることをやるのです。


☆結果はどうでもいい
 

続けること、それが一番価値のあることで、
結果がともなっているかどうかなんてどうでもいいことです。
 
大切なことは、
続けられていることに価値を感じることです。
 
上手くなっていなくても、まだまだ下位でも
そんなことは後から挽回すればいいんです。

ここで結果に捉われると
挽回できたはずのものが出来なくなります。
 
 

【第2の壁の特徴】
せっかく練習するように習慣づいても…
 
練習日なのに祝日だったため出掛けてた。
運動会の練習で疲れてた。
 
あるいは、
 
練習したのに○をもらえなかった。
発表会で同級生に比べられ嫌味を言われた。
 
といった突発的な要因で練習ペースが乱れると
「もうや~めた」となりがちです。
 
また練習の成果が現れてきたものの、
70点ぐらいの時期に、
「…まぁ…これが出来たところで
別にそんなに大した意味はないかもなぁ…」
なんてマンネリ化、飽き化が起こったりします。
 
 
大縄跳びと一緒でグルグルと縄が回っている間は
リズムよくいけるけれど、
一度止まると次の一回が大変なものです。
 
【対策】
☆練習時間をパターン化する
 
・お風呂からあがったら練習する
・土日の午前中は何があろうと練習する
・30分弾かないと夕飯が食べられない
 
など、生活リズムの中に練習を取り込んでいき、
基本的には例外を認めない。
 
それでも、(さすがに今日は無理だ…)と思ったり
止まってしまったら
前述の“沈まず”を思い出して、
「座るだけで練習終わり」でもいいので実行する。
 

☆練習せざるをえない状況を作る。
一番手軽なのは、
発表会や弾きあい会なのどの
各種イベントに参加する。
 
やはり他者が関わってくると、
やらざるを得なくなります。
 
 
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風邪をひいたり、旅行したり、
期末テストがあったり、暑かったり寒かったり…

続けていく過程には様々な障害があります。
それでも続けたからこそ見える景色というのがあって、
それは続けた人しか見ることが出来ません。

その景色がどのように役立つのかは分かりません。
分かりませんが、自分の人生において役立つことは
確実だと私は信じています。