どうしたら練習するようになるのか | 沖田音楽院教室ブログ

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子どもたちが教えてくれるもの

“どうしたら練習するのか”
これはピアノの習い事における最大のテーマ。

私の約20年のキャリアを通じて学んだ、
ノウハウを書き綴っていきます。


☆特効薬はない

いきなりですが…この一言につきます。
これさえすれば自分から進んでバリバリと練習するといったような
魔法の方法はありません。

とにかく試行錯誤あるのみです。


☆練習しなきゃやめさせるわよ!!!

よく聞く言葉です。
「自分がやりたいっていったんだから
言われなくても練習して当然でしょ。
やる気がないならお金もムダだし、やめさせるわよ」

確かに正しいです。仰る通りです。
しかしそんな単純なものでしょうか?

それならみんなダイエットに失敗しません。
まぁ…痩せたいは痩せたいんだけど・・・
早朝ランニングなんてムリ!
間食しないなんてムリ!

そういうのが人間なのではなのでは?

確かに一時的には効果があります。
こうした脅しは。
しかしそこに「大人側の成長」はあるのでしょうか?

育児は育自。
大人側も成長できるようなやり方を模索していきたいと思います。


☆練習を聞いてあげる(関心を持つ)

特効薬が無いと言いつつも
確実に成果がでるのがこの方法です。

練習を聞いてあげるんです。
もちろん忙しい中、お母さんが練習に付き添うのは
かなり大変だと思います。

しかし一通りだけでも毎回聴いてあげれば、
その子は確実に練習するようになります。

一通りといっても、宿題曲の長さは
「数秒」程度です。
1分を超える宿題曲は初期段階では出しません。


お母さん側に音楽知識は必要ありません。
ダメ出しをする必要は全くありません。
もっと言えば間違いを直す必要もありません。

それは私の仕事です。

お母さんにはただただ聴いてあげて褒めてあげて欲しいのです。

自分の演奏をお母さんが聴いてくれて褒めてくれる
私はこれ以上の喜びを生徒に与えることは出来ません。
ご家族にしか出来ない至宝の技術です。




☆練習パターンを決める

「夕飯を食べる前に10分練習する」とか、
「お風呂から出たら練習する」とか、
「土曜日は朝一で練習する」とか。

日々の行動に練習を組み込ませる。

これも効果があります。
例外をなるべく作らないことがポイントです。


☆1日と0日は全然違う

毎日練習するなんてムリです。
今の子どもは忙しいです。

私も毎日練習して欲しいなんて全く思っておりません。
週に3日もやれば十分です。
まぁ2日でも…1日でも…

しかし、0日と1日は違います。
全く違います。
週1日の練習でも成長はします。
しかし週0日だと堕ちてくのみ。

逆に週1日の練習でもOKなんです。
ちょっと工夫をすれば週0日を回避するのは
そう難易度が高くないかと思います。


☆最初の一歩は全体の半分

これは私が大切にしている言葉です。
この言葉は真理をついていると思います。

最初の一歩です。最初の一歩さえ踏み出せば、
ゴールが見えてきます。



☆座るだけでもいい

ドだけ弾くだけでも、
ピアノのふたを上げるだけでも
椅子に座るだけでも
いいと思うんです。

それだけで練習終了でも全然いいんです。

それをすることによって沈まずにいられるんです。
最初の一歩はとても小さくていいんです。


「練習しなさい」と言っても練習はしないでしょう。
でも「座るだけでも座りなさい」とか
「ドだけ弾きなさい」
なら、やってくれる可能性は高い。

確かに
そんなんで上達するのか?
意味あるのか?
と思われるかもしれません。

しかし必ず効果が出ます。

大切なことは速く遠くに行くことではなく、
沈まないことです。

沈みさえしなければ新天地に近付けます。






☆やってはいけない練習

さて、練習するなら何やってもいいのか。
…というとそういうワケでもないんです。

椅子にすわるだけでもOKなのに、
それよりも悪い、“やってはいけない練習”というのがあるんです。


それは、
“お母さんが見本を弾いて、それを子どもが耳で覚えて弾く”
という練習です。

子どもの譜面を読む力が全くつきません。
お母さんが弾けないレベルの曲になったり、
お母さんの弾く時間がとれなくなったらアウトです。

そしてその練習の最大の悪影響は
子どもが「一刻も早く正解を欲しがる」ようになります。
出来ないとすぐにイライラするようになります。

自分で苦労して譜面を読んでそれを形にしていく
という工程を経なかった弊害はとても大きいです。

学んでいない子は、答えがすぐに出ないとイラつきます。

幼少期だと実はこの練習方法はかなり早く
上手く弾けるようになります。
発表会でも難易度の高い曲を弾けたりします。

そして子どもに譜面を読ませるという作業は
かなり骨の折れる作業です。
その煩わしさからも解放されます。

しかし必ずいづれ壁にぶち当たります。
そしてほとんどが越えられずに終わります。

ご自宅で上手く弾かせる必要は全くありません。
ただただ聴いてあげて、そして褒めてあげて下さい。


☆最後に…とても大切なこと。

いまさらながら私がとても大切に思っていることがあります。
それは

「練習することって何によりも一番に大事なこと?」

ということです。

練習しなくても楽しめます。
練習しなくても上達します。
練習しなくても学べます。
得るものはあります。

逆に練習しなければ、させなければ!
っと思うことにより失うものもあるかもしれません。

音楽とは楽しむものです。
泣いてまで取り組むものではないと思います。

練習しなければ習う意味がない。
確かにそういった側面もあるかもしれません。
しかしそれではあまりにも悲しい。

練習しなくても
この子を受け持てて良かった~
と思える生徒はたくさんいました。

そしてその生徒も、
僕に習えて良かったと思ってくれていると信じています。


“練習はするにこしたことはない”
これくらい気楽に取り組むことによって
その子の成長に大切なことをその子が得られるかもしれません。


そしてそんな子をいままでたくさん見てきました。

これは私のいままでのキャリアで学んだ
最も大切なノウハウです。

☆追記☆
パート2が出来ました。
もしよかったらご覧ください。
『どうしたら練習するようになるのか2』
http://ameblo.jp/oretatinoidensi/entry-12188279297.html

 

 

 

 
 
 
 

 

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