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日本美術はかわいいという風潮 #美術展 #鳥獣戯画 #若冲 #琳派 #仁阿弥道八 (関連まとめ)

先日ブログでも少し触れた日本橋高島屋の「細見美術館 琳派のきらめき ―宗達・光琳・抱一・雪佳―」展に行ってきました。(会期は既に終了)
何回かに分けて感想を書きます。

今回見た中で一番よかったのはなんといっても中村芳中の「白梅小禽図屏風」!
もともとネットで画像は見ていたのですが、小さい画像では魅力に気づけませんでした。
ということで、実際見ないとわからないところはあると思いますが、とりあえず昨年、千葉市美術館、細見美術館、岡山県立美術館で開催された「光琳を慕う―中村芳中」展の紹介動画(インターネット・ミュージアム)を貼っておきます。


「白梅小禽図屏風」は冒頭と0:20~0:27あたりで登場。

まずは梅の花弁に注目。梅と言えば光琳も多く描いている琳派の定番モチーフで、作品によっては光琳も花弁をシンプルな丸で描くような表現をしていますが、このふにゃふにゃしたかたちは芳中独自のものでしょう。輪郭も太い。ゆるくおおらかな画風が特徴の芳中とはいえ、金屏風で堂々とこれをやるのがすごい。(芳中は小さいサイズの作品が多く、こういう大画面の作品は珍しいようです)

幹は墨や絵の具のにじみを活かす琳派の伝統技法「たらし込み」で描かれています。芳中はとにかくたらし込みを多用する人でやり過ぎ(だがそれがいい)と思えるような作品も多いのですが、この作品に関しては幹の質感が巧みに表現されていると思います。

が、この幹、途中までしか描かれてません!上の方がフェードアウトしています。大胆な省略ぶりに驚きますが、こうして思い切って描く対象を絞ったこと、一番右の面にあえて何も描かず余白をとったこと、絶妙な位置に鳥を配したことがあいまって、構図としてはすっきりとよくまとまっています。(この感覚はいかにも琳派的)

そして、赤いくちばしが鮮やかな鳥の表情!ぽかんと口を開いた、間の抜けた顔を見ていると、なんともいえないほのぼのした気持ちになります。

琳派の美意識と芳中の個性、華やかさと間抜けさが絶妙な(あるいは珍妙な)バランスで調和した作品で、個人的には傑作認定です。

近くにいたお客さんが「中村芳中って誰?」と言っていたのが印象的(T_T)でしたが、芳中作品は他にも6点ほどあり、「月に萩鹿図」では鹿の間抜け面を、「扇面貼交屏風」では扇面いっぱいに描かれた大根を堪能できました。
「月に萩鹿図」、「扇面貼交屏風」ともにたらし込みがやり過ぎ(だがそれがいい)な作品でもありますね(「月に萩鹿図」は葉の部分)。
これらの作品でのたらし込みは対象を効果的に描写するためというよりも、たらし込みをすること自体が楽しくてやってる感じがして、見ている方も楽しくなります。

そして、「初夏山水図」。山水画までこのテイストで描くとは、もう何も言えねえ((笑)

画像は以下のサイトでご覧ください。

とんとん・にっき (個人ブログ)
扇面貼交屏風

細見美術館ニュースレター
「月に萩鹿図」拡大図

turblog...I hope too (個人ブログ)
「月に萩鹿図」
「初夏山水図」

こちら↓は「光琳を慕う―中村芳中」展の図録。欲しい~。
光琳を慕う―中村芳中/芸艸堂
¥2,700
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先日の「若冲と蕪村」展の話に続いて若冲の話題。
自分用の備忘も兼ねて若冲関連の本を紹介します。

もっと知りたい伊藤若冲―生涯と作品 改訂版 (アート・ビギナーズ・コレクション)/佐藤 康宏
¥1,944
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若冲は以前から好きなのでこんな本↑(僕が持っているのは改訂版じゃない古いやつ)も持っていて、これはこれで面白いのですが、「若冲と蕪村」展に行ったのをきっかけに、他にも若冲関連の本欲しいなあ、と思っているところです。

Pen(ペン) 2015年 4/1 号 [若冲を見よ]/著者不明
¥720
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芸術新潮 2015年 04 月号 [雑誌]/著者不明
¥1,440
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「若冲と蕪村」展のグッズ売り場には最近出た雑誌「Pen」と「芸術新潮」の若冲特集の号が置いてありました。「Pen」は気軽に買えるお値段ですが「芸術新潮」の方も面白そうで、考えた結果どちらも買いませんでした(笑)。

SIGHT ART VOL.2 ジャパン5月増刊号 2015年 05 月号 [雑誌]: ロッキ.../著者不明
¥1,200
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若冲百図: 生誕三百年記念 (別冊太陽 日本のこころ 227)/著者不明
¥2,592
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家に帰って調べたら他にも最近出た若冲本がありました。
「SIGHT ART」はロッキング・オンの渋谷陽一さんが立ち上げた雑誌でこれが第2号です(第1号は北斎)。「若冲は絵で世界を救いたかった」というタイトルは「???」という感じですが、岡田美術館館長の小林忠先生、MIHO MUSEUM館長の辻惟雄(のぶお)先生への取材を踏まえての言葉のようです。

SIGHT ART VOL.2(2015年5月号) | ロッキング・オンの出版物

若冲/澤田 瞳子
¥1,728
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若冲の小説も出てます。池大雅、円山応挙、谷文晁、そして与謝蕪村も出てくるようです。
若冲と蕪村に交流があったという記録はないのですが、小説でどう描かれてるのか気になるところです。

最近出たもので気になる本はそんなところですが、最近のものにこだわる必要もないわけで、過去の本ではこれ↓が評判がよさそうです。

目をみはる伊藤若冲の『動植綵絵』 (アートセレクション)/狩野 博幸
¥2,052
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著者は「Pen」の若冲特集を監修している狩野博幸先生。
今でこそ人気の高い若冲ですが、かつてはあまり人気がなかったそうで、その人気の火付け役となったのが1970年に出版された辻惟雄先生の著書『奇想の系譜』と、2000年に京都国立博物館で開催された「没後200年 若冲」展だといわれていて、2000年の若冲展を監修したのが狩野先生です。

奇想の系譜 (ちくま学芸文庫)/辻 惟雄
¥1,404
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そして、こちらが辻惟雄先生の『奇想の系譜』。
文庫本でサイズが小さく、若冲だけを取り上げてる本でもない(紙は曽我蕭白の「雲龍図」)のですが、名著として名高く、前から読みたいと思っていた本です。大きいサイズでカラーの絵がたくさん載ってる本も欲しいですが、それとは別でこちらも大本命です。

<Amazonの紹介文から引用>
意表を突く構図、強烈な色、グロテスクなフォルム―近世絵画史において長く傍系とされてきた岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢蘆雪、歌川国芳ら表現主義的傾向の画家たち。

彼らを「奇想」という言葉で定義して、“異端”ではなく“主流”の中での前衛と再評価する。刊行時、絵画史を書き換える画期的著作としてセンセーションを巻き起こし、若冲らの大規模な再評価の火付け役ともなった名著。

現在サントリー美術館で開催されている「若冲と蕪村」展は7月から滋賀のMIHO MUSEUMに会場を移すのですが、そこの館長が辻先生です。

もう一人、若冲人気を語るうえで外せない人物がジョー・プライス。ロサンゼルス在住の富豪であるプライスは『奇想の系譜』の出版よりずっと前の1953年、ニューヨークの古美術店で偶然、若冲の「葡萄図」と出会ったことをきっかけに、何の知識もない状態から自らの審美眼のみを頼りに日本絵画の蒐集を続け、世界有数の日本絵画コレクションを築きました。若冲を中心とするプライスのコレクションは日本でも度々公開され、若冲人気に大きく貢献しています。

村上隆が語る、若冲の魅力 | 若冲が来てくれました―プライスコレクション 江戸絵画の美と生命―
ジョー・プライスさんは1950年代、日本でも若冲がほとんど評価されていない頃からコレクションを始められました。そのコレクションはこれまで何度か国内外の展覧会で紹介されています。とくに2006年に開かれた「若冲と江戸絵画」展は圧巻でした。若冲について知りたい、という方には「奇想の系譜」とこの展覧会のカタログは必見だと思います。

村上隆さんも『奇想の系譜』とともに、2006年に東京国立博物館で開かれたプライス・コレクションの展覧会「若冲と江戸絵画」の図録を若冲について知りたい人の必読書として挙げています。

プライス コレクション 若冲と江戸絵画展図録 カラー 282ページ/著者不明
¥価格不明
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プライスさんの自伝も出ています。

若冲になったアメリカ人 ジョー・D・プライス物語/小学館
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最後に『奇想の系譜』の話に戻りますが、この本で取り上げられた若冲と国芳以外の4人(岩佐又兵衛、狩野山雪、曽我蕭白、長沢蘆雪)は今もあまり人気があるとは言えないように思います。というか僕もよく知らない人もいるので調べていきたいと思ってます。

ねこと国芳/パイインターナショナル
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↑国芳本。

【関連まとめ】
伊藤若冲と与謝蕪村は同い年だった!2015年、2人の天才の展覧会が開催
「燕子花と紅白梅」展を見た後、たまたま通りかかった表参道ヒルズで荒木経惟の写真展『男 ―アラーキーの裸ノ顔―』というのが無料でやっていました。
荒木経惟写真展『男 ―アラーキーの裸ノ顔―』を表参道ヒルズで開催

月刊誌『ダ・ヴィンチ』で17年続く連載企画が写真集として刊行されたのを記念して開催された展覧会で、塩谷瞬、山本太郎、荒川良々、高田純次、桂歌丸、竹内力、SUGIZOといった男性著名人(列挙したのはやや恣意的なチョイス)のモノクロ・ポートレート写真約200点が並んでいます。
基本1人1枚ですが唯一重複しているのが1997年2月に撮影された第1回のビートたけしと昨年12月に撮影された北野武で、この2枚がメイン・ビジュアルとなっています。

荒木経惟「男-アラーキーの裸ノ顔-」写真展 真剣勝負で撮る「究極のヌード」 (産経新聞インタビュー)

アラーキーいわく「それぞれの顔に、男たるものこういうもんだって個性がにじみ出てる」「自分の顔に自信と責任を持て。男こそ顔ですよ」だそうで、そのとおりだと思います。

男 アラーキーの裸ノ顔 (ダ・ヴィンチBOOKS)/KADOKAWA/メディアファクトリー
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アラーキーは去年の年末に資生堂ギャラリーでやっていた「荒木経惟 往生写集-東ノ空・PARADISE」というのも見たのですが、その時も今回同様、偶然通りかかったのがきっかけ。不思議なものです。

資生堂ギャラリー > 過去の展覧会
往生写集/平凡社
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