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以前、共同代理人の黛先生がこんな事を言っていたのを思い出します
この社会からいじめを無くしたい この裁判をその第一歩にするのだ
私は嘲笑いました 不可能だと思ったからです
勅使河原先生はカズヒコ君に虐めに立ち向かうべきだったと仰いました
はたして立ち向かえる相手なのでしょうか?
そもそもいじめの正体とはなんでしょう?
加害者生徒、教師、学校 いえ、そのどれもが本質ではありません 正体はもっと恐ろしい物です
それは教室だけで無く、職員室にも、会社にも、家庭にも この国のあらゆる処に存在します
我々は常に周りの顔色を伺い、流れに乗る事を強いられる
多数派は常に正義であり、異を唱える者は排除される いじめの正体とは空気です
特に右から左、左から右へと全員で移動するこの国では空気という魔物の持つ力は実に強大です
この敵の前では法ですら無力かもしれません すべてを飲み込み巨大化する恐ろしい怪物 立ち向かうどころか逃げる事さえ困難な相手です
あるいは藤井先生 いや、加害者であるアオヤマ君達でさえこの怪物に飲み込まれた犠牲者なのでしょう
しかし今回私は奇跡を見ました
飲み込まれていた者達が怪物の腹を食い裂き敢然と立ち上がったのです
カズヒコ君、藤井先生、そして2年C組34名の生徒達 どれ程の勇気がどれ程の覚悟が必要だった事でしょう
しかし彼等は確かに目覚め、自分たちの意志で空気を打ち破った 私は彼等の姿に希望を見、そして自らを恥じました
世界は常に前に進んでいるんだと気づかされたのです
敢えて申し上げます、この世界からいじめをなくす事は出来ます
この裁判をその第一歩にしましょう
昨日に続いて村上龍さんの編集後記です。
非常に文章がきれいですね。
利益を最優先しない、それは歴代ゲストの共通点だ。
では何を優先するのか。
必ず挙がるのが顧客の満足である。
ただ、「満足」では少し足りない。
中央タクシーは、客を感動させ、幸福にすることを、
サービスの軸とすることで画期的な成功を収めた。
だが、それは意図的な演出、マニュアルでは生まれようがない。
街を走る中央タクシーをみるだけで
幸福になるという客がいるらしい。
中央タクシーは、幸福の「象徴」になっているのだ。
客への思いは簡単には伝わらない。
客の幸福に関与することが自分の幸福につながるという自覚と、
こんなことをされると自分はうれしいと思うことを
他者に対して行い、それを維持、継続すること、それ以外に、方法はない。
カンブリア宮殿の加賀屋の特集を見ました。編集後記が非常に心が残ったので、下記に引用します。
おもてなしの心、
日本社会の美徳の一つと言われるが、
それが具体的にどんなことなのか、
わかっている人は
意外にすくないのではないか。
サービス業界では、顧客満足と
まるで呪文のように唱えられる。
だが、客には個性がある。
その好みも千差万別だ。
だから、もてなすためには、
「この客は何を求めているか」を、
過去のデータと、経験と、
何より想像力で、
絶えず問い続けなければならない。
加賀屋の伝説的な女将、小田孝は、
目の前にいるお客を通して、
まだ見ぬお客にも挨拶するつもりで
頭を下げたという。
また加賀屋の客室係は
「幸せでいないと笑顔はでないと教えられる」
と教えられる。
加賀屋のサービスには、
隙がなく、
そして一片の嘘もない。
◆イデオロギー
ある社会において、人の意識や行動を制約する、ものの見方の枠組み。
イデオロギーは私たちを支配し拘束するものとして、ほとんど否定的に用いられます。
◆資本主義
ものごとをお金に換算して考えること。
◆逆説
常識から考えるとおかしいが、よく考えると正しい。
例)急がば回れ
矛盾を含んだ真理。一つの事柄の中に二つの矛盾した事柄が含まれているという点が存在。
「一見~だが、実は、~ということ。」「表面的には~だが、実質的には、~ということ」という文系を使うと、逆説のもつズレがすっきり説明できます。
◆膾炙
広く知れ渡ること。
人口に膾炙する=世間で評判になっている。よく知られている。
◆敷衍
意味や趣旨などを押し広げてわかりやすく説明すること。
例)自分なりに敷衍して話す。