●コントの「3段階の法則」

コントは、社会の歴史は人間精神の歴史の反映であると考え、人間精神の発展の3段階「神学的→形而上学的→実証的」に対応して、社会は「軍事的→法律的→産業的」の順に発展していくとした。

(正解肢)

コントは、人間の精神が神学的、形而上学的、実証的と3段階に進歩するのに対して、社会は軍事的段階から法律的段階を経て産業的段階へと発展するとした。


●スペンサーの「軍事的社会から産業型社会へ」

スペンサーは、生物有機体と同様に、社会も低次な構造から高次な構造へと進化するという「社会進化論」を唱えた。そして、同質→異質、非凝集的・曖昧→凝集的・明確という進化論が「強制的協働に基づく軍事型社会から、自発的協働に基づく産業型社会へ」として定式化された。


(正解肢)

スペンサーは、社会は強制的協働に基づく軍事型社会から自発的協働に基づく産業型社会へと進化するとした。

出典:国Ⅱ(一般職) 2006 民法

不動産物権変動に関するア~オの記述のうち,妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

ア: AがBに土地を売却したが,さらにAは,Bへの売却の事実を知っているCにも当該土地­を売却した。Cは民法第177条の第三者に当たるので,BがCに土地所有権を主張するには登記が必要である。

イ: Aの土地をBとCが相続したが,Bは土地の登記を自己の単独名義にしてDに当該土地を売却した。Dは民法第177条の第三者に当たるので,CがDに自己の持分権を主張する­には登記が必要である。

ウ: Aの土地について,Bが自己に所有権がないことを知りながら20年間占有を続けた。その間の14年が経過した時点でAはCに当該土地を売却していた。Cは民法第177条の第三者に当たるので,BがCに当該土地の時効取得を主張するには登記が必要である。

エ: AがBに土地を売却したが,Aは未成年者であったことを理由に契約を取り消した。その後,BがCに当該土地を売却した場合,Cは民法第177条の第三者に当たるので,AがCに土地所有権を主張するには登記が必要である。

オ: AがBに土地を売却したが,Bの債務不履行を理由にAは契約を解除した。その後,BがCに当該土地を売却した場合,Cは民法第545条第1 項によって保護されるので,CがAに土地所有権を主張するには登記は不要である。

1 ア,エ

2 ア,オ

3 ウ,エ

4 ア,イ,エ

5 イ,ウ,オ

正解:1

出典:国Ⅱ(一般職) 2008 民法

代理に関するア~オの記述のうち,妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。ただ­し,争いのあるものは判例の見解による。

ア: 民法第110条(権限外の行為の表見代理)の規定による表見代理の成立の要件となる基­本代理権に関しては,単なる公法上の行為についての代理権は基本代理権には該当しない­が,公法上の行為であっても,特定の私法上の取引行為の一環として行われる登記申請行­為に関する代理権については,基本代理権として認めることができる。

イ: 無権代理人の責任の要件と表見代理の成立の要件が共に満たされる場合において,相手方­が無権代理人の責任追及をしたときは,無権代理人は,表見代理が成立することを主張し­てその責任を免れることができる。

ウ: 任意代理人が復代理人を選任した場合には,本人の指名により選任したときに限り,復代­理人の選任及び監督について責任を負う。
エ: 無権代理人が死亡し本人が無権代理人を相続しても,無権代理行為は当然に有効となるも­のではないが,本人が死亡し無権代理人が単独で本人の地位を相続したときは,本人自ら­法律行為をしたのと同一の地位を生じ,当該無権代理行為は有効となる。

オ: 制限行為能力者であっても,代理人となることができるが,代理人として選任された後に­,破産手続開始の決定を受けた場合には,その代理権は消滅する。

 ア,イ,ウ
 ア,ウ,エ
 ア,エ,オ
 イ,ウ,オ
 イ,エ,オ


正解:3

出典:国税 2008 民法


意思表示に関するア~エの記述のうち,判例に照らし,妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。

:錯誤による意思表示の無効を主張するには,法律行為の要素に錯誤があること及び表意者に重大な過失がないことが必要となるが,動機の錯誤も動機が表示されて意思表示の内容となった場合には,法律行為の要素の錯誤となり得る。


:錯誤無効は表意者の保護を目的とするため,表意者に意思表示の無効を主張する意思がない場合には表意者以外の第三者が錯誤無効の主張をすることは許されないのが原則であるが,第三者において表意者に対する債権を保全する必要があり,表意者が意思表示に関し瑕疵があったことを認めている場合は, 当該第三者は表意者の意思表示の錯誤による無効を主張することができる。


:AB間の土地売買契約が通謀による虚偽表示である場合,買主Bから当該土地を­買い受けたC,AB間の売買契約が虚偽表示であることについて善意無過失であっても登記を具備していなければAの土地返還請求を拒否すること ができない。


:AB間の土地売買契約に関して,売主Aが,当該売買契約は買主Bの詐欺によって­締結されたものであるとして取り消した場合,取消しにより土地所有権はA に復帰し,A,当該取消しによる物権変動について登記を具備していなくても,取消し­後にBから当該土地を買い受けたCに対して対抗することができる。

1 ,

2 ,

3 ,

4 ,,

5 ,,


正解:1


ウ→第三者として保護されるには、登記を備えることを要しない。

なぜなら真の権利者Aと第三者Cは当事者関係にあり、対抗関係には立たないからである。


エ→Bを起点にして、取消による復帰的物権変動とBからCへの売却の二重譲渡状態、そしてAとCは対抗関係にあり、先に登記を具備した方が勝つ。(取消後の第三者)


















制限行為能力者に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

1、未成年者は、単に権利を得る行為については法定代理人の同意を得なくても単独でできるので、債権につき弁済を受けることは単独で行うことができる。
2、成年被後見人はすべての財産行為について行為能力を有せず、単独で行った法律行為はすべて取り消すことができる。
3、保佐人は被保佐人の法定代理人であるので、被保佐人が単独でできない民法131項所定の重要な財産行為については、保佐人が被保佐人を当然に代理して行うことができる。
4、本人以外の者が補助開始の審判を請求するには、本人の同意がなければならない。
5、制限行為能力者が詐術を用いて相手方に自分が制限行為能力者ではないと信じさせた場合においても、制限行為能力者は制限行為能力者であることを理由に、その行為を取り消すことができる。


【正解は4】
解説
1:債権につき弁済を受けると債権が消滅することになるので、単に権利を得る行為にはあたらず、法定代理人の同意を必要とする。
2:成年被後見人は「日用品の購入その他日用生活に関する行為」、「身分上の行為」については、単独で行うことができる。
3:保佐人は、当然に被保佐人の法定代理人となるのではない。家庭裁判所は、本人以外の者の請求がありかつ本人の同意がある場合か、または本人の請求がある場合には、被保佐人のために「特定の法律行為」について保佐人に代理権を与える旨の審判をすることができる。
4:妥当
5:制限行為能力者が行為能力者であることを相手方に信じさせるた
め詐術を用いたときは、その行為を取り消すことができなくなる。→詐術による取消権消滅

●損失補償

適法な行政活動によって加えられた財産上の特別の犠牲に対し、これを調整するためになされる財産的補償をいう。


●趣旨

公益目的のために生じた特別の犠牲を「損失の公平な負担」の見地から調整することにある


●根拠法

一般法は存在しない。個別の法律に保障に関する規定が設けられているのが通例。

法令が損失補償に関する条項を欠く場合は直接憲法29条3項を根拠。



●補償の判断基準

①一般的なものではなく特定人(形式的基準)

②財産権の方本質的内容を侵すほどに強度であること(実質的基準)

※内在的制約に由来する損失は補償されない(奈良県ため池条例事件)


●補償の内容

土地収用法の場合-財産の価値が等しくなるような完全な補償

農地法の場合-合理的に算出された相当な額







●特許

特定の私人のために、本来は私人が有していない特殊な権利や法的地位を新たに設定・付与する行政行為

例)公有水面埋立免許、河川や道路の占用許可



●許可

法令または行政行為によって課せられている不作為義務を特定の場合に解除する行政行為

例)飲食店の営業許可 自動車の運転免許


特許も許可も行政庁の意思表示で成立する法律行為的行政行為


Order and progress-特許と許可



法律の優位の原則-行政活動は法律に反して行われてはならないとする建前

対象:行政活動全般

法律の留保の原則-一定の行政活動を行うには法律の根拠が必要であるとする建前

1. 侵害留保説-(範囲)国民の自由・財産を侵害する行政活動

   (批判) 法律のコントロールが及ばない範囲が広くなり民主主義の理念に反する

2. 全部留保説-(範囲)すべての行政活動

(批判) 多様化した行政活動に迅速に対応できない

3. 権力留保説- (範囲) 権力的な形式で活動する場合

(通説) 民主的チェックが可能になる

共通点

法律による行政の原理を具体化

違法な行政活動への民主的コントロールによる歯止め

●相違点

法律の優位はその対象がすべての行政活動
法律の留保は必ずしもすべての行政活動が対象になるわけではない


※【建前/立前】基本となる方針・原則。表向きの方針。