今日から全仏オープンが開幕して、初日から錦織が登場します。また、大坂も第1シードとして臨む初めてのグランドスラム大会となります。
男子は、今年もナダルが優勝候補筆頭で、先週のイタリア国際でもクレーコートにおける強さを見せつけました。今大会もかなりの確率でナダルが優勝するのではないかと思っています。
対抗は第1シードのジョコビッチですが、イタリア国際では第2セットこそ取ったものの、第1セットと第3セットは合わせて1ゲームしか取れずにナダルに敗れました。当然、全仏でナダルと再戦となれば何か対策を講じてくることが考えられますが、やはりクレーコートでナダルに勝つのは中々難しいのではないでしょうか。
ナダルとジョコビッチに続くのが、フェデラー、ティエム、ズベレフの3人です。第3シードのフェデラーはクレーコートでの戦いは苦戦を強いられるので、もしかして早い段階で敗退する可能性があります。一方、久しぶりの全仏出場ですので、何かやってくれるのではという期待もあります。
ディエムはクレーコートを得意とするプレースタイルで、昨年は錦織を破り決勝まで進出しました。しかし、決勝ではナダルに完敗し、グランドスラム大会でナダルに勝つことの難しさを思い知らされました。クレーでの戦いでは安定感がありますので、早期敗退はないと思いますが、ジョコビッチやナダルに勝つ可能性はかなり低いのではないでしょうか。
ズベレフは兄弟でATPツアーに参戦していますが、その弟のアレクサンダーの方です。マスターズでも複数回優勝し、昨年のATPファイナルズでも優勝を果たしています。しかし、グランドスラム大会では昨年の全仏のベスト8が最高で、5セットマッチに弱いと言われています。ズベレフが勝ち進むには、出来る限りストレートで勝ち、長丁場の試合に持ち込まないことが条件となるでしょう。
第7シードで出場する錦織は、中々厳しいドローに入りました。初戦は、世界ランキング153位のフランスのカンタン・アリスとなります。22歳のフランス期待の若手で、ストロークだけでなくネットプレーもこなすオールラウンダーです。地元フランスの選手ですし、錦織も初戦と言うことで緊張しますので、先にリードして試合の主導権を握りたいところです。
2回戦では、元世界ランキング5位のウォンガとの対戦が予想されます。昨年に左膝の故障により離脱した影響でランキングは85位にまで落ちていますが、地元フランスの選手で地力もありますので、錦織にとってはやっかいな相手です。2015年の全仏では錦織と準々決勝で対戦し、フルセットの末に勝利しています。
4回戦では、シードが順当に勝ち上がると第12シードのメドヴェージェフとなります。昨年からランキングを上げており、力を付けてきている選手です。今年のバルセロナ・オープンでは、準決勝で錦織をフルセットの末に下しています。また、この山にはスペインとカレーニョブスタもいます。今年の全豪オープンでは、敗れはしましたが4回戦で錦織とフルセットの激闘を戦っています(詳しくは「錦織が激闘を制して全豪ベスト8進出」参照)。実は全豪オープン後のシングルスの試合では勝てていませんが、対戦するとなると決して侮れない相手です。
ベスト8まで錦織が勝ち抜くと、第2シードのナダルとの対戦が予想されます。非常に厳しい戦いになると思いますが、もしナダルに勝つとしたらまだ体力がある時ですので、準決勝や決勝で対戦するよりは良いかもしれません。
女子では、大坂が第1シードで出場しますが、クレーコートは大坂のプレースタイルとは合わない部分もあり、ハードコートの全米や全豪と同じような戦いは難しいでしょう。
クレーコートは球足がおそくなりますので(詳しくは「テニスにおけるコードサーフェスの違い」参照)、攻撃的な大坂のプレースタイルだと苦戦を強いられます。但し、昨年からフィジカルがかなり向上して走らされても態勢が崩れにくくなっていますので、長いラリーになっても以前よりポイントを取れるようになっています。
これまで全仏では3回戦進出が最高成績ですし、過度な期待はせずに、まずはベスト8を目指してベスト4まで行けば上出来ではないでしょうか。
他のシングルスに出場する日本人選手は、男子は西岡良仁とダニエル太郎、女子では土居美咲と奈良くるみです。日本では全仏オープンが開催されるローランギャロスのような赤土のコートがなく、不慣れなために苦手とする場合が多いですが(ダニエル太郎はスペインを拠点にしていますので例外ですが)、是非とも頑張ってほしいですね。
(関連の記事)
○テニスにおけるコートサーフェスの違い
○錦織と対戦するジョコビッチについて
○現在の男子テニス界は凄い選手が存在している
○テニス用語あれこれ
○テニスのトッププロは多くのスタッフを抱えている