開幕まで15カ月となった平昌五輪ですが、本当に開催されるのか危ぶまれる状況には変わりがないようです。

 

ソウルから伸びる高速鉄道を建設中ですが、1月に工事中の鉄橋が崩落して話題になりましたが、今度はトンネルの手抜き工事が発覚しました。

 

トンネルの掘削工事の時に、測定エラーによって123メートルという短い区間で86センチもズレが生じていました。これに対して行った補修・補強工事を発注者に報告せずに実施し、更にトンネルを支える鋼管を切断していたため、荷重に耐えられずに天井が崩落する可能性もあったようです。

 

こんなことでは五輪開幕までに高速鉄道が開通するのかも怪しいですし、仮に開通したとしても高速鉄道を利用して五輪を観戦しに行くだけでも命懸けになるかもしれないですね。

 

 

安全性については、競技場にも問題が多々あります。

 

スキージャンプの会場付近は風が強く、日常的に秒速3メートル以上の風が吹いているようです。スキーのジャンプ競技では、風が吹くと選手が風に流されて危険なため、秒速3メートル以上の風が吹くと競技を中断し、5メートル以上になると試合が中止になります。冬は特に風が強く吹くようですので、スキーのジャンプ競技が予定通り開催されるのか不安があります。

 

アルペンスキーのコースでは、設計よりも傾斜面を高くしたことで雨の多い日には斜面が崩落する可能性があるようです。22の傾斜面と10個のゴンドラの支柱が安全基準を下回っており、30ある照明灯のうち25個が風による荷重に耐えられず強風によって倒壊の恐れがあるようです。

 

アイスホッケーの会場では、屋根への積雪による荷重を考慮していなかったため、積雪の荷重によって破損する可能性があるようです。更に、鉄骨の支柱に塗るはずだった耐火塗料が設計時よりも7割も少なくなっており、火災の際には大きな被害が出る恐れがあるようです。

 

仁川のスケートリンクでは、製氷機に取り付けられていたガスボンベが落下して、ガス漏れ事故が発生しました。

 

事故の原因は、製氷機を運転していたのが初心者であったことと、ガスボンベを横積みにする古い製氷機を使用していたことでした。いずれも安全面よりもコストの低さを優先させたため、この事故は人災と言われています。この会場は平昌五輪の会場とは異なりますが、こういった安全への意識の低さは韓国全体に共通することですので、平昌五輪でも安全意識の低さで事故が起こる可能性は十分あるような気がします。

 

 

安全を確保するために競技場などの改修するためには、新たに工事が必要となります。しかし、平昌五輪では資金不足が問題となっており、経済が低迷しているため政府の台所事情も厳しくなっています。改修工事を行いたくても、工事資金をどうやって捻出するのかが大きな問題となります。

 

それにしても平昌五輪は、競技をする選手も命懸け、競技を見に行く観客も命懸けになるかもしれないですね。非常にスリル満点の五輪になることは間違いないでしょう。



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