B-1グランプリというイベントを知っている人は多いと思います。最近はイベントで提供される各地の料理を楽しむために50万前後の人が訪れ、テレビなどでもイベントの様子が毎年ニュースで伝えられています。

 

B級グルメの中でも有名な富士宮焼そばは、1回目と2回目でゴールドグランプリ(第1位)に輝き、多くの観光客が富士宮を訪れるようになったきっかけのイベントでもあります。

 

B-1グランプリはB級グルメの日本一を決めるイベントだと思われていますが、実はそうではありません。私も、B-1グランプリの”B”はB級グルメの”B”だと思っていたのですが、そうではないようです。

 

B-1グランプリの正式名称は「ご当地グルメまちおこしの祭典!B-1グランプリ」です。実はB-1グランプリというのは、町おこしのイベントなのです。そして、B-1グランプリの”B”は、地域BRAND(ブランド)の”Bなのです。

 

実際にB-1グランプリは、地域ブランドを確立するために活動している町おこしの団体による共同PRイベントなのです。

 

 

B-1グランプリには、誰でも出展できるというわけではありません。出展するためには愛Bリーグの加盟団体になる必要があります。

 

Bリーグの入会資格は、「食のまちおこしを通じて、地域を元気にしようという志を持ち、一定の活動実績がある団体であること。」となっています。企業や飲食店などが営利を目的として入会することはできません。

 

 

B-1グランプリは、平成182月に青森県八戸市で第1回大会が開催されました。このときは、10団体が出展して、来場者は17千人でした。

 

2回大会は静岡県富士宮市で開催され、21団体が出展して来場者は25万人と急増しました。現在のように注目を集めて多くの人が参加することになったのは、この第2回大会の成功が大きかったと思います。

 

昨年の第9回大会は福島県郡山市で開催され、59団体が出展して453千人が来場しました。第7回の北九州大会では最多の61万人が来場していました。

 

 

B-1グランプリでは、箸を投票することによってグランプリを決めています。これは、どの料理がグランプリなのかを決めるのではなく、どの町おこし団体がグランプリなのかを決めています。

 

そして、箸を投票することにしたのは、投票によって順位を決めた方がイベントとして盛り上がるというのもあり、更に箸を投票してもらうことで確実にゴミを回収できるためでもありました。

 

 

メディアで大々的に取り上げられるようになり、大会に多くの人が来場することによる弊害も出てきているようです。人気メニューには長い行列ができるため、食べるためには何時間も待たないといけないこともあり、12メニューしか食べられないこともあるようです。

 

大会で優勝すると殿堂入りをして、次回以降の大会は投票の対象から除外されることになります。そうなると、年々投票対象の団体が少なくなってしまい、競争が徐々になくなってしまうということになります。

 

また、毎年開催される大会に参加するには資金面や人的資源などの面で大きな負担がかかるようで、近年は愛Bリーグから脱退する団体も幾つか出てきています。

 

そして、B-1グランプリが町おこしの イベントであることを来場者のどれくらいの人が理解しているのか疑問です。料理の善し悪しだけでどこに投票するのかを決めている人が多いと思います。主催 者側は町おこしのイベントだと主張していますが、グルメイベントだと言われても仕方ないかもしれません。

 

大会の注目度が上がり大規模なイベントとなりましたが、上記のように色々な問題点も出てきているようです。今後のB-1グランプリは、どのようになっていくのでしょうか。


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