現在の日本は、世界有数の森林国です。国土に対する森林の比率は他の国や地域に比べて非常に高くなっています。

 

地域・国

森林の比率

日本

66%

アメリカ

23%

西ヨーロッパ

27%

旧ソ連

35%


 

日本の森林は原生林よりも、人に何らかの手当をされた二次林(里山や雑木林など)や人工林が多く、人工林は森林の約4割を占めています。

 

戦国時代には日本の森林は乱伐されましたが、江戸時代には幕府が山林乱伐禁止を命じたこともあり、森林資源が豊富になりました。

 

英国では、1500年代後半から海運国家として発達しましたが、木造の大型船を造るために大量の木材を伐採したため、江戸時代の頃には既に森林の多くが消滅して枯渇していました。英国の田舎に行くと、美しい草原が広がっています。しかし、それらの多くはかつて深い森でした。木材の伐採により木がほとんどなくなり、森が消滅してしまったのです。

 

江戸時代は森林資源が豊富だったので、大きな火事があっても、再建するスピードは驚くほど速かったようです。大きな商家は、常時木材商に自分の店の再建分の材木をキープして、設計図に合わせて切り込みやその他の加工をして保管していました。火事の後は、それを組み立てるだけでよかったので、わずか数日で店を開けて商売を始めていました。

 

 

また、森林は百姓の暮らしにも不可欠なものでした。肥料の供給源であり、薪や炭など燃料の採取地でもあり、木の実や山菜などの食料や牛馬の飼料の採取地でもありました。特に肥料の供給源として非常に重要でした。そのため、村の領域内には山野があるのが一般的でした。



(日本人が知らない江戸時代)
○日本人が知らない江戸時代
○江戸時代の農民は収入が増えたが年貢は増えなかった
○大規模な治水工事が江戸時代に行われていた
○都市が発達し街道が整備された江戸時代
○江戸時代は法治社会だった
○江戸時代に整備された上水道