11月12日に中央線梁川駅から南にある矢平山に登った。

矢平山は、倉岳山や高畑山など富士山の展望地として知られた山と同じ稜線上にがある。

中央線の上野原から四方津、梁川、鳥沢、猿橋、大月、初狩そして笹子。どの駅からも山歩きができる。

とりわけ、鳥沢から高畑山や倉岳山へはアプローチも便利で山頂の展望もよい。

しかし、矢平山へ登る人は少ないだろう。

地理院の地図にも山名表示がない。

しかし、標高は860mでそこそこあるのだが。

 

写真は、梁川駅のホームから撮った倉岳山方向。

駅からすぐに山へと入れる。

 

この日は、朝、予定より寝坊してしまったので、梁川には8時少し過ぎに着いた。

 

 

駅から甲州街道を東に少し歩き、寺下峠の道標で南にはいった。

実は、その少し手前で南に折れたら行き止まりだった。

信号のあるところまで歩けばいいのだった。

 

 

すぐに桂川を渡る。桂川は、藤野すその山中湖が水源の一つ。

やがて相模川となって相模湾にそそぐ。

このあたりでも河岸段丘が発達していて結構谷が深い。

川面にはまだ朝日があたっていなかった。

 

 

川を渡ってそのまま南に歩くと山にそうように西に折れ、

少し行くと道が分岐していた。

ここにも道標があって、寺下峠へは左の登りの道に入る。

 

寺下峠というのは、梁川から秋山川の寺下に抜ける道にある峠だからそういうのだろう。

 

登りの道が、少し上を通っている舗装の道と合流するところに登山口がある。

しかし、道標が道から外れた少し上の方にあるので、

私は見落として、舗装の道をそのまま歩いてしまった。

舗装の道を少し歩くと橋があり、北側に扇山などが見渡せた。

しかし、登山口が見当たらないので、地図を出して確認し、

引き返して、写真の道標を見つけた。

 

寺下峠へのこの道は、登山で使う人も少ないようで、ご覧のように落ちた枝などで荒れ放題。

道にはたっぷりと落ち葉が積もっているので、段差や浮石が見分けにくい。

 

 

谷から斜面にはいると落ち葉に埋まって踏み跡も判別しずらい。

写真に写っているところは、これでも道なのだ。

踏み跡のわずかなくぼみが頼り。気を付けないと滑り落ちてしまいそう。

 

登山口から30分ほどで峠みたいな尾根を乗越す。

 

 

道は、隣の谷へと下る道と右手に登る道に分かれる。

ここにも道標があって、右が寺下峠道だと示してあった。

この道はしばらくは歩きやすかったが、

やがて落ち葉に埋もれた細い踏み跡になってなかなか大変だった。

 

 

しかし、周りは落葉樹林となって、秋らしい色合いに染まっていた。

地理院の地図をみて、このあたりの山は、落葉樹が多いので紅葉を期待していた。

 

細い踏み跡になって道は、左下がりのトラバースが続き、足元に気をつかう。

やがて、谷底がせりあがってきて、道は谷底を歩くようになった。

 

目の前が岩にふさがれたようなところがあって、

そこを乗り越えると道がわからなくなった。

このあたりから左の斜面にあがるらしいのだがそれも見つからない。

 

振り返ると岩の下の木に赤いテープが巻いてある。

そこで、もどってみると、落ち葉に埋もれた斜面に踏み跡らしいものがあった。

 

 

斜面をのぼると木々の色づきもまして、あたりも明るくなってきた。

尾根状のところをジグザグに登り、次に左の斜面のトラバースにはいった。

この道は、わりと傾斜がゆるく、道もしっかりしている。

ここまでくれば寺下峠はもう近いはずだ。

 

 

登山口から1時間半で、倉岳山から続く稜線上にある寺下峠についた。

 

反対側には、秋山川の寺下にくだる道がついている。

私は、稜線を左へと進む。

右へ行けば、立野峠を経て倉岳山にいたる。

 

 

途中にある丸ツヅク山763mへとむかう。

左に木の間越しに目的の矢平山がみえる。

全山紅葉している。

 

稜線の道にも美しく色づいたカエデなどがあった。

足元もあいかわらず落ち葉で埋め尽くされている。

 

 

こちらは赤みが鮮やかなカエデ。

黄色や赤茶が多い中で、ところどころこのような鮮やかな赤にもめぐりあえる。

 

 

ふと足元を見ると動物のウンチが落ちていた。

雑食系の中型のウンチ。

さて、落とし主はだれか?

 

丸ツヅク山の山頂近くで左へとトラバースしている踏み跡があり、

そこに赤いテープがついていた。

山頂へとむかう道もはっきりしないのでトラバース道にはいってみたが、

先の方の急斜面で踏み跡がはっきりしなくなり、

くずれそうな足元に苦労させられた。

 

地理院地図の破線はたしかに山頂を通らずに手前でトラバースしている。

でも山頂へ向かうほうが安全なのではないだろうか。

 

 

稜線に戻っていったん鞍部へとくだり、登り返して矢平山へとむかう。

岩場の急斜面になってきた。

 

 

ゴツゴツした岩場で、木の根もあるので手がかりには事欠かない。

手足を総動員して登った。

 

 

寺下峠から50分ほどで矢平山の山頂の一角に到着。

山頂は東西方向に細長くなっていて平だ。

 

矢平山とういうのはもともとは家平山なのかもしれない。

奥秩父にある破風山のように家型の山頂をしている山という意味ではないだろうか。

 

 

平らな山頂を少し歩くと少し高まったところに三角点があった。

 

そのそばの木に山名標がつけられていた。

しかし、ここはまったく展望がない。

そこで休憩地をさがしてそのまま先へと歩いてみた。

 

 

少し行くと伐採跡の植林地があった。

木の苗はもう1mをこえて成長しているが、展望が得られそうだ。

 

植林地は動物に食い荒らされないようにネットで囲われていた。

そのネットにそって少しくだると休憩によさそうなところがあった。

 

そこから南西をみると隣り合う山の稜線上に富士山が頂上部をのぞかせていた。

11時半なので、そこで倒木に腰をおろして昼食にした。

 

 

休憩した地点は山頂から東へ少し進んだところ。

こんな感じで、数年は富士の展望が得られそうなので矢平山の休憩スポットにおすすめだ。

 

 

休憩は20分ほどで切り上げて、稜線を先に進み、

大地峠から四方津駅へと戻る。

写真は、稜線を南にはずれた甚之函山への分岐点。

ここから旧大地峠へも行けるようだ。

私は、そのまま稜線をすすむ。

 

 

山頂を出発して30分で稜線上にある新大地峠に到着。

ここからそのまま駅へと下る道もあるが、私は稜線上にある大丸という小さなピークにむかう。

 

 

ここが大丸。

ここは駅へと下る道、稜線を高柄山へと向かう道、金山峠へとむかう道などの分岐点である。

以前に四方津駅から高柄山に歩いたときに通ったはずだが、よく覚えていない。

 

 

四方津駅へと下る道は、途中で舗装の道を横切る。

最近できた林道だ。

舗装の道は山道に並行しているが、くねくねと曲がっているので山道をそのまま進む。

 

 

途中の色合いがいい黄葉があった。

 

こちらの大地峠の道は、寺下峠道とは違って人もたくさん歩いているらしく、

よく整備されていて歩きやすい。

 

 

桂川の谷を見渡せるところもあった。

見下ろす山全体が秋の色に染まってなかなかみごとだ。

低山の秋まっさかりだ。

 

 

新大地峠から1時間10分ほどで下界へと下りてきた。

向こうに四方津駅の大きなエスカレーターが見えている。

駅のではなく、山上にある住宅地のためのエスカレーターだ。

 

 

ふたたび桂川を渡り駅へとむかう。

 

13時47分四方津駅に到着。2時3分の東京行き中央特快で帰宅した。

 

 

秋のハイキング計画。

陣馬山を計画し、晴天にも恵まれたのに、骨折、体調不良、仕事などなどで参加者は3人。

でも、楽しく歩いてきました。

 

中央線の藤野からいこうと思ったけど、バスが早い時間しかない。

そこで高尾から陣馬高原下へとバスでむかう。

平日だけどほぼ満員。

でも陣馬高原下まで、やはり長く感じてしまう。

 

10時半にバス停を出発。

谷間の木が黄葉している。

 

20分ほどの舗装道路歩きが長く感じる。

ようやく山道にはいるとすぐに杉林の尾根の急な登りとなる。

前後に同じバスの登山客が歩いているので「クマ」の心配もないね。

 

標高差350mほどの登りが長く感じられる。

ようやくトラバース道に入るともう山頂は近い。

 

黄葉した落葉樹に囲まれた陣馬山山頂近くの道。

 

バス停から1時間50分で山頂に到着。

空が広い!!

 

快晴に恵まれたけど、風が弱くて富士山も少しかすんでいる。

 

中央線が走っている谷を挟んで高柄山、倉岳山、高畑山などが見える。

 

山頂の白馬の像。

グループの人のカメラのシャッターを押してあげたら、こんどは私たちを撮ってくれた。

 

中央線の名山、扇山とその右に権現山。

その奥に連なる山々は、扇山の右肩から滝子山、ハマイバ丸、大蔵高丸、牛奥ノ雁が腹摺山など。

いやぁ、いい天気だ。

でも南アルプスが見えないのは残念だった。

 

山頂では、年中無休でやっている清水茶屋に入ってみた。

茶屋を使うのは初めて。

私はゆずシャーベット、お二人はなめこ汁。

 

なんと翌日のNHKで陣馬山が放送され、この清水茶から写っていた。

あの茶屋の親父さんは85歳だったんだ。

 

 

帰りは一の尾根から和田へとくだる。

先頭のYさんが快調なペースで歩くので、バス停まで1時間5分で着いてしまった。

 

 

このコースは、2019年6月に電車とバスで来て、榛名神社から榛名湖、掃部ヶ岳から杏ヶ岳とまわって神社まで周回した時に、機会があったら誰かを案内したいと思ったコースである。榛名神社から掃部ヶ岳、杏ヶ岳周回(2019年6月13日)

 

その時は、新緑のまっ盛りでハルゼミの鳴き声が世界を満たしていて、蝉の声の海にどっぷりとつかっているように感じたものだ。

北関東の山々は広葉樹林に包まれていて、きっと秋もいいだろうと思ったのだ。

今回は、妻とその妹さんをつれて、その中から榛名神社から榛名湖までを歩き、バスで榛名神社に戻るという計画だ。

だれでも歩ける楽なコースだ。

 

 

 

11時すぎ、車を榛名神社の町営駐車場に留め、参道を神社へと歩く。土曜日で紅葉の季節とあって結構人が出ていた。

神社への参道は、石畳の道を谷にそってゆっくりと上っていく。その谷全体が秋の色に染まっている。

 

石畳の道が階段に変わる頃から左手の斜面に岩壁が現れてきた。

こうした岩壁が神の宿る場所として信仰の対象となり、榛名神社が祀られることになったのだろう。

 

神社だけに鮮やかな赤のモミジが見られる。

 

社殿は改修工事中で覆いに覆われていたが、お参りをすませ、さっそく奥の山道へと入っていった。

すぐに、大きな堰堤があらわれ、その上から九折岩(つづらいわ)という名の奇妙な形の岩が顔を覗かせている。

 

道は谷底から斜面に移りながらゆるやかに登っていく。

杉林の中で道が分かれている。そのまま登っていくと車道に出て、神社裏のバス停になる。

私たちは右に下る道をたどって谷底へとおり、やがてふたたび落葉広葉樹の中の道になる。

日差しが明るく暖かくなる。日当たりがよくて少し広くなったところで昼食にした。

 

標高も1000mを超えて、榛名湖の外輪山をなす天神峠が近づくと木々の色づきも鮮やかさを増してきた。

 

やがて、峠が近いのだろう、谷の反対側の斜面が目の前に迫り、華やかな彩りの斜面を大きく広げている。

日を一杯に浴びている。

 

峠は駐車場にもなるらしい広場になっていて、それを囲む木々のなかにモミジの鮮やかな赤が混じっている。

 

それそろ神社へと下るための1時間に1本のバスの発車時刻が迫ってきたので、

湖畔には下らずに峠のバス停から13:30に湖畔を出発するバスに乗ることにした。

 

湖畔の景色は、帰りの車を伊香保周りにすることで楽しめる。

小春日和の天気の中、のんびりと秋を満喫したハイキングだった。