奥武蔵はあちこち歩いているが、北部はまだ歩いていないところが残っている。
釜伏山から二本木峠の間だ。
以前に秩父鉄道の野上駅から釜伏山に登ったが、この時は風布に下りて波久礼駅に出た。
そこで今回は、寄居からバスで東秩父村の大内沢に出て、そこから登谷山に登り、
そのあと稜線を皇鈴山(みすずやま)から二本木峠まで歩き、内手に下ることにした。
朝暗いうちに出発し、寄居駅南口から東秩父村の和紙の里行のバスに乗る。
大宝というバス停で降り、少し歩くと花桃で有名な大内沢の案内看板があった。
地図看板のところから右手の道を登っていくと大内沢に出る。
日当たりのいい南斜面に家が点在し、畑には花桃やミカンなどが植えてある。
花桃の里として観光名所になっているので、花の頃に妻と来たことがある。
とてもいいところだ。
大内沢地区の北のはずれの尾根を集落を見下ろしながら登っていく。
地区内をあちこち歩けるように新しい道が整備されているので、逆に迷いやすい。
紅葉した大木とみかん畑。
高い樹木がないので見晴らしがいい。
美しい黄色に色づいた大きなイチョウの木があった。
さて、どこかで山道に入らなければならないのだが、よくわからない。
ハイキングコースではないので道標もない。
見当をつけながら歩いてい行くとなにやら水道施設らしいものがあって行き止まりになってしまった。
戻るか悩んだが、施設のフェンスに沿って道らしいものがあるのでそこを進んでみた。
その道は古い山仕事の道らしく上へと続いていたが、
途中に灌木などが伸びていたり、大きな枝が落ちていたりで歩きにくかった。
途中から道をはずれて斜面を直登した。
斜面の上には舗装の道があることはわかっていた。
それほど苦労せずに車道に出ることができた。
そこは予定した地点からそれほど外れていなかった。
そこは別荘地帯で、道の両側に何軒も建っている。
でもみな雨戸をしめて、だれもいないようだ。
しばらく車道を歩いて登谷山ののぼり口をめざす。
大内沢から登ってきた道と秩父の野上からの道が合流する峠が山頂への入り口だ。
幅が広くてなだらかな道に落ち葉がいっぱい。
途中に秩父の皆野町の方が見えるところがあった。
9時20分、登谷山669m山頂に到着。
山頂のすぐ横にはコンクリートの建物があるが、東側は大展望が広がっていた。
寄居町と鐘撞堂山が見下ろせる。
北関東の平野の向こうには日光の山が見えるはずだが、今日は霞んでみえない。
南の方向には、これから行く皇鈴山。
その左奥には、奥武蔵の笠山や堂平山が見えている。
立ったまま水を飲み、塩豆大福を食べた。
ふたたび峠に戻り、少し車道を南へと歩くと皇鈴山への登山道があった。
最初は狭くて少し急な道だが、少し行くとゆったり広くなる。
山頂はずいぶんと広々としている。
私の背後、東側の東秩父村側には車であがってこれる広い展望台がつくられていた。
展望台のはずれまでいってベンチに腰を下ろし、カップラーメンを食べる。
目の下には小川町へと続く谷が見下ろせる。
左下の方向に、通ってきた大内沢の集落が見える。
ほんとうに日当たりのいい桃源郷のようなところだ。
花桃が満開の頃見下ろしたらピンクの絨毯を敷き詰めたように見えるのではないだろうか。
内手のバスの時間までかなり余裕があるだが、
ぼうっと景色を見ていてもつまらないので出発した。
皇鈴山からまた車道にでて、次に隣の愛宕山にむかう。
車道にでるところに大きなカエデがあって、真っ赤に染まっていた。
黄金色の葉も美しい。
お隣の愛宕山650m。
ちゃんと三角点がある。
山頂東側に石塔が立っていたので覗いてみると、愛宕神社と彫ってある。
だからこの山は愛宕山なのだ。
そしてそのすぐ下には、なぜか小さな天文台の建物が。
誰のものなのかな?
使っているのだろうか。
このあたり大きなカエデが多くて、見ごたえのある紅葉が広がっていた。
足元も紅葉のじゅうたん。
愛宕神社から二本木峠に出て、峠道を内手へとくだる。
車道から山道へのところには必ず道標があるので迷わなくて済む。
しばらくは落葉樹の森の斜面をのんびりと下る。
古くからある峠道なので、急こう配が少なくてとても歩きやすい。
この峠の道も上部は落葉樹林で、ところどころ落ち葉が赤く染まっている。
やがて少し下に下りてくると針葉樹の森にかわる。
民家があらわれると、道端に石仏がいくつも並んでいた。
馬頭観世音の石碑もある。
のんびり歩いてきたけど、やはり内手のバス停にはバスの30分前についてしまった。
風のない暖かな日だったので、一枚に脱いで歩いてちょうどいいぐらいだった。
うちには3時前に帰れそうだ。

































































