Nocturne1の後半について考察。
以前の記事「ストーリー仕立て」から、更に詳しく曲の物語の流れを考えてみます。
まずは最後のピカルディ終止から見て行きたいと思います。
これが重要ポイントで、どのような最後に向かって行くか?を考える事で、曲全体の構成がより見えて来ます。
小説では冒頭と末尾が非常に大事で、コンクールでの1次審査等は、この2箇所をチラッと読んで審査されます。
本屋で本を選ぶ時にも、この方法を使うと便利です。冒頭と末尾だけで、文体のリズム、雰囲気、流れ方が大体分かります。→自分の好みかどうか判断
ピカルディ終止ですが、バッハがよく用いており、ショパンの曲の多くにも使われているそうです。
讃美歌のお馴染みの最後「アーメン」と歌う所もピカルディ終止で、「アーメン終止」と言われています。
勉強中ですので、ピカルディ終止とアーメン終止の違いは何なのか分かりません。
ですが、救済・カタルシスのイメージは合っているかな?
という訳で、再現部については、救済へ向かって行くというイメージで考えました。
再現部はdolcissで始まっています。
これは、ピカルディ終止を暗示しているのではないか?
必ず救いがあるという希望を見出し始めたのではないか?
冒頭と同じメロディーですが、間違い探しのように照合すると面白いです。
同じ旋律の形が度々出て来ますが、何かしら変化を付けて物語を進行させたい、という私の妙な拘りでして。
同じ事の繰り返しじゃ、つまらんやん?
また、dolciss且つここだけアクセントが付いています。
幸せだった過去、故郷と家族に思いを馳せ、再び現実に戻って来たところ。
「これが現実なんだ!」という強い意志のようなものを感じました。
現実と向き合いながら、幸福を見出そうとしているようです。
もう一つ発見👀
私が勝手に過去と現在がぐるぐる巡ってるイメージの部分ですが、左手は変化していますが(調が変わってる?短調と長調が入れ替わっているのか?)レの音だけは変わらないんですね。
不安定な状態だけど、レが真っ直ぐに道標となって帰り道を教えてくれてるみたい。
譜読みしていてよく思うのですが、こういう、軸や核みたいな音ってありますね。
曲によっては、「現在」「地上」を表している気もします。
提示部と再現部は、シが軸になっていて、シレファで世界が構成されている感じがします。
中間部はラが働いてて、ラミファで柔らかく温かみのある雰囲気。
音楽理論が分かってたら、もっと見えてくるんだろうなー。上手く説明出来ない。

そして音の動きが、高音へ高く上がって行く所は「天への祈り」や「訴え」の様なイメージがあります。
これは声楽で歌っていると、よく感じました。高音は、その前の準備が必要で、天に向かって弓矢を放つ様に、音を高く飛ばします。
それだけエネルギーが要るので、主張したり、感情の昂り等が表現されます。
したがって、ピカルディ終止の前の、高音へ、もっと高く上がる所は「神よ!お救い下さい!」と歌っている様に聴こえます。
またまた、私の勝手に妄想ストーリーでした。
順番前後しますが、次は中間部についての考察を書き綴りたいと思います。
前よりも、色々細かいイメージが湧いて来ました。
読めば読む程見えてくるものがあって、譜読みって楽しいですね!


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