警部補・姫川玲子の警察ものシリーズの3つ目で、短編が7編。

 

「私が犯人だったら、こんな夜は現場を見たくなるだろうなと思って・・」などと、

犯人の心理を考察しながら調査する様は、まさしく「出来る女」。

 

アラサー美人刑事という設定で、実写化したら誰になるだろう?なんて考えながら読み進めた。

 

「国宝」とは「人間国宝」のこと

 

映画を観てから読んだが、この順で正解だと思う。

 

このページ数が3時間に納まるわけがなく、多数のエピソードは削られストーリーは少し変わっていた

ということが分かった。だからどうということはないが。

 

映画が芸のための「冷酷」なら、この原作本は「人情」といったところか

 

 

国宝にまで昇りつめるには多くの犠牲がともなうが、それ以上にひとの情に包まれていないと到達できないのだろう

 

任侠(ヤクザ)が経営不振に落ちった病院を救うはなし

 

任侠といいながら、どこもヤクザな思考はなく

そこに心/気持ちがあるのか

行動の根本にあるのは人であれば同じなんだな

 

そして組織のトップを張るにはこういった人情と計算が求められるが

そうそう誰でも持っているわけでもないよな

と思う

 

正義をつらぬく純真な男たちの姿がすがすがしい

 

 

任侠シリーズ、他も読んでみたくなった

 

ヤクザの息子を引き取って自分の息子と一緒に育てた歌舞伎役者

世襲制の強い世界で、我が子を差し置いて後継者を指名する

 

先代が死ねば誰も寄り付かず後継者のはずが脇役へ

結局は芸で劣ろうとも世襲の血を引いた者が世に出る

 

これでもかの、醜いエピソードを並べて裏事情を暴露

 

人間国宝となりようやく目指す景色を見るも、そこまでに失ったものは多すぎた

ただ、悪魔に心を売るくらいしないと、芸を極めたどり着けない景色なのかもしれない

彼も晩年はひっそり孤独に消えていくことだろう

 

映画とは少し違うらしい原作本が読みたくなった

 

経営者、家族、従業員、出入り業者、客といったラブホテルにまつわる7つのストーリー。廃墟となったホテルに始まり、読み進めるごとに時間がさかのぼり、ラストは開業当時。

 

批判覚悟に言えば、奥に流れるのは「低学歴=低収入」といった前提。

ただ、「=不幸」ではないという人間模様が救い。

 

面白いエピソードが多数ある。

映画化されたということで、これも観てみたい作品のひとつだ。