舘ひろし主演のハードボイルドアクション
東映セントラル製作で村川透監督、カメラは仙元誠三とくれば
松田優作主演の遊戯シリーズにピンと来る方も多いだろう。
たしかに、狂暴だがスタイリッシュな映像に仕上がっている。
あらすじ
野本宏(舘ひろし)は舎弟の明(峰竜太)とブツの取引に向かうが
何者か密告され、取引は失敗しブツも金も横取りされしまう。
明は撃たれて死亡し、宏は警察に捕まり、4年が過ぎた。
刑務所から出た宏は八木(山西道広)を痛めつけ、横取りしたのは
井戸垣(今井健司)の組織であることを知る。井戸垣の命で
八木達に襲われた宏だったが刑務所仲間の門田(内田良平)に救われる
そして門田と門田の仲間の元麻薬捜査官の中尾(本間優二)から
井戸垣の組織の大きな取引がある事を知った宏は3人で
組織に復讐のためブツと金の横取りを計画するが…
重要な点
舘ひろしは松田優作とは違う主人公像を確立している。
『ワインとスパゲティ頂戴』というセリフは斬新だった。
村川監督の演出、仙元カメラによるアクションシーンは文句のつけようがない。
日本映画のアクションが光り輝いていた時代を感じることが出来る。
羽田健太郎の全編にながれるJAZZのBGMが素晴らしい。
良かった点
基本的には東映セントラル作品で端役にいたるまで、『探偵物語』(TVシリーズ)に出ていた
俳優が多数出演。松田優作もワンシーン出演している。
ストーリーそのものは使い古された感はあるが主演が変われば光を放つ好例だ。
舘ひろしはこの後『西部警察』『あぶない刑事』でおしゃれでイカス刑事として大成するが、
そのきっかけとなる作品かもしれない。
悪かった点
中島ゆたか、沢田和美、ナンシーチェニー、沢たまきと
いわゆる『いいおんな』が多数出演、華を添えている。
中でも出番は少ないが八木の情婦役の明日香和泉の
リアルな女性としての存在感がある演技がよかった。