藪蘭や文人偲ぶ記念館
今日は、ようやく梅雨らしい梅雨になったという感じですね。
藪蘭や湧水縄文よりのもの
藪蘭や縄目毛羽立つ結界石
藪蘭や空白々と降れる雨
藪蘭や飛石に塵ひとつなし
山巓へ幾筋の道鴎蘭
すぐそこに大空開け鴎蘭
一筋の雲の軌跡や鴎蘭
林間に大きな日の斑鴎蘭
山巓に富士をどかりと鴎蘭
麻耶蘭や都へ続きをる小径
武蔵野の草藪分けて麻耶蘭咲く
麻耶蘭や富士とつながりをりし雲
麻耶蘭や大地を洗ふやうに雲
麻耶蘭や民話に夫婦物語
林間の日差しを受けて相模蘭
街道は峠を越えて相模蘭
国境なりし峠や相模蘭
一村は武田の姓や相模蘭
一箇所に祀る地蔵や相模蘭
暗がりの岩場棲家に鍾馗蘭
谷はみな里へ開けて鍾馗蘭
霊山の谷を鎮めて鍾馗蘭
盗賊の大きな岩屋鍾馗蘭
霊峰にものの気配や鍾馗蘭
土地の名が武士の姓なり采配蘭
関東を見下ろす高み采配蘭
一列にゆく山道や采配蘭
一斉に風の笹の葉采配蘭
采配蘭夫の後追ふやうに妻