鉄柵の合間合間に青葡萄
今日は、雲の多い日ですが、油断をすれば大変です。
立看に前向駐車白木槿
登校は友達同志アイスクリーム
昼顔の水のごとくに淡かりぬ
バス停の埋もるるほどに草茂る
一時の天下なれども猫じやらし
自己主張してやまざりぬ藪枯らし
鬼百合の表情知れぬほど伏せて
鬼百合の群れて一帯悪の巣に
鬼百合や敵対すれば鬼となり
鬼百合の蕊を大きく四方に延べ
鬼百合や里に伝はる物語
鬼百合のぶら下がりをる昼の闇
人のなき苑に噴水立ち上がる
噴水の雲より白く空に立つ
噴水の水滴どれも丸くなる
噴水の音に流れのありにけり
かき氷キッチンカーへ少女達
初蝉やつと公園に立ち止まる
初蝉の空にゼンマイありさうな
縄文の荒々しさや藪萱草
金魚草青空といふ自由あり
木下闇八つ墓村の社かと
城趾の止まれば藪蚊襲ひくる
館跡雑木林の道涼し
雑草に混じりて戦ぎをる紫蘇の葉
畑とは見えぬ茂りや紫蘇畑
曇天を白く映せる青田かな
青田へと一目散に堰の水
夏蝶の急くことなにかありにけり
白茄子のふくふくふくと無人市
底紅や二階の窓を三味の音