白雲と黒雲同居迎へ梅雨
築地に年に一度の検査に行ってきました。一日仕事です。明日と明後日は、尾瀬を歩いて来るので、留守にします。
額の花私鉄沿線てふところ
夏鳥のしきりに鳴ける高架駅
鈍行の後が特急迎へ梅雨
土地の名に付く方角や迎へ梅雨
鈍行は八両編成夏帽子
六月のついつい下山遅れがち
六月の高層ビルを覆ふ雲
六月の顔見合せて座る席
六月や晴天の日の物干場
旧街道ゆけば卯の花腐しかな
林道のどこも卯の花腐しかな
杣の村卯の花腐しなりにけり
石畳湿り卯の花腐しかな
雨雲の低し卯の花腐しかな
同棲の二人卯の花腐しかな
青空へ一歩一歩や山滴る
鳩待へ抜けゆくバスや山滴る
山滴る風大ひなる山毛欅の森
山滴る湖に一艘観光舟
桟道の後の岩場や山滴る
植田はも命の息吹早もあり
日に風に見守られをる植田かな
農民の佇みてゐる植田かな
アルプスの山肌降りてゆく植田
里山もアルプスも入れ植田かな
滴りに潤ひてゐる項かな
滴りを両手に受けて山の道
滴りの女神の涙なりしかと
滴りや祠小さき山の神