今日は、過ごしやすい天気ですね。
青空へ近む湖畔の皐月かな
遠足や一塊となる子らの声
ボートゆく一人は空を見てをりぬ
紫陽花や大樹の下といふところ
夏空の青すぎないかヒマラヤ杉
石像の高さなりしよ額の花
炎昼や吾が脳天に水のなし
山帽子烏が影を落としゆく
白詰草男ひとりの休養日
白詰草烏一羽の歩みゆく
野原てふ起伏あるもの白詰草
野になにか奏でてをりぬ白詰草
紫陽花や森に精霊ゐるごとく
小夜の雨きらり泰山木の花
神の喉ごくり泰山木の花
緑蔭てふ深き静寂に潤へり
額の花子らの声にも弾みをり
ヘリの音遠くで聞きぬさくらんぼ
空割れて自由となれる夏の雲
天と地の合間自由に額の花
小径へと鋭き葉つぱ夏薊
雨粒のひかれる蛍袋かな
翔ぶものの棲家の蛍袋かな
食住を揺らして蛍袋かな
日の斑にて護られてゐる銀竜草
木漏れ日に不動なりしよ銀竜草
小夜の雨震はせ定家葛かな
静けさを震はせてをり山紫陽花
海底にある竜宮や靭草