駅前の空深々と夕燕
昨日の句会のまとめをして、発送して、午後遅くにようやく散歩が出来ました。
湾曲に空を歪めて夕燕
国道の風真つ直ぐに山法師
叢雲の押し寄せてくる山法師
夕顔の垣根灯してをりにけり
夕顔や雨意を孕める雲来たる
木下闇風が揺らしてをりにけり
薄闇に石楠花の色くつきりと
石楠花の拳ほどある蕾かな
石楠花や人肌を恋ふときありぬ
木下闇結びてゆける烏かな
黃菖蒲や風にも静寂ありにけり
草原の黃菖蒲獣なりしかと
姫女苑姿見のごと水面かな
しつかりと見開きてをり忍冬
野茨や午後には荒れる天気予報
野茨や人の欲望果てしなく
薔薇揺らす風を生みたる電車かな
取り壊す予定の団地夕薄暑
工事用塀の高さや夏燕
救急車薄暑の街を通り過ぐ
人にみな淡き想ひ出矢車草
鈴蘭や自転車で歌高らかと
柵に沿ひ立ちてをリたる銭葵
唇に歌乗せてゐる紫苑かな
曇天に青葉の楔打つ大樹
夕闇に一体となる青葉山
太幹を無数の青葉天へゆく
大空にある大波や青葉光
青葉はもひと塊にうねりをり