直線で夏空区切る倉庫群
良い天気でしたが、それほど気温が上がってないように思われました。
関東に初夏の富士くつきりと
新緑の枝々自由奔放に
新緑の影やはらかき樹下にをり
新緑の空の褥となりにけり
新緑の風に真白きドレス舞ふ
楠若葉ひかりの精となりてをり
天と地の合間に弾む楠若葉
ひかりへと両手透かせて若楓
定家葛鋼のアーチ昇りゆく
新緑に癒やされてゐる眼かな
緑陰に球根入れるための籠
水辺あり緑陰があり夏の苑
餓鬼大将遊びてをりぬ藪手毬
王冠は一人一人に栃の花
白犬の綺麗な毛並み栃の花
夏雲とガマズミの花語り合ふ
夏雲かガマズミの花天に浮く
一輪二輪人立ち止まるアヤメかな
吾もまた佇みてゐるアヤメかな
山道の歯向かひてくる夏薊
香りにも青葉の森の深さかな
緑なす森を音なく人歩む
日の斑まで全て緑や森の中
香しき五月の森を歩みゆく
群れてゐて孤独二人静かな
二人静同級生の歩みとも
愛されて裾野を覆ふ定家葛
妖精の調べの小米空木かな
森の風頬ゆく小米空木かな