城山のチゴユリ | 俳句とお星様と山歩き

俳句とお星様と山歩き

俳句は、日々の散歩の頂きものです。お星様の話は、今は中断中です。山歩きは、主に奥多摩周辺が主です。2006年1月6日に開設したヤフーブログから移転してきました。よろしくお願い申し上げます。

 

採光のための天窓夏隣

 

日影から城山・大垂水峠へ行ってきました。

 

新緑の明かりとなりぬ山の道

囀や岩場へ一歩踏みしめる

囀や日の斑と共に山の道

山道の採りてゆけよと蕨かな

新緑のトンネルとなる山の道

息吸へば新緑に満つ山の道

森をゆく風は伝言山躑躅

谷の風ガマズミの花持ち上ぐる

金蘭の王者のごとく尾根に立つ

街の音足下としたる夏の山

清楚なる気品の十二単かな

囀に呼ばれし吾の歩幅かな

新緑へ吸はれるやうに登りゆく

鳥を観る人は垂直夏初め

眼前に揺るる小米卯木かな

風分けて新緑分けて尾根の道

新緑を褥としたる青き空

新緑の風の行方となりにけり

父と娘の観鳥会や夏来たる

新緑や木の根に滑りをりし人

笹分けて日の斑を分けて夏の山

林床の乙女曙菫かな

逢ひたくば来よと曙菫かな

交かる鳥双眼鏡で観てをりぬ

彫深く曙菫咲きをりぬ

稚児百合やこの里に貴種流離譚

稚児百合にそれぞれ童話ひとつづつ

稚児百合やお話し聞かすやうに風

一度は歩を留めよと碇草

竹籔へ腰を落として碇草

竹籔の秘事めきて碇草

竹籔の私観てよと碇草

山のバス追ひかけてゆく薄暑かな

卯の花や風も湿りてゐるやうな