翔ぶものと躑躅に沿へる小径かな
今日は、全くの夏ですね。
駅前の空地たんぽぽ絮なせり
葉桜のしかと青空背負ひをり
新緑や赤児の眠り胸に抱き
姫女苑今も水車の廻る道
斎場を取り囲みをる白躑躅
山巓の真白き富士や夏霞
奥多摩を退かせたる夏霞
大菩薩連山遥か夏霞
夏霞関東平野広げをり
山といふ穏やかなもの夏霞
葉桜の鮮やかなりし日の斑かな
木道が薫風呼びてをりにけり
ひたすらに日を浴びてゐる姫女苑
真昼間は愁ひのありぬ夕化粧
新緑の艶大空へ見せてをり
柔らかく風と会話や青楓
夏の蝶ひかりを空へ弾きをり
白犬のどこまでもゆく青野かな
一角は芥子の花咲くシェア畑
葉柳や巨木の跡に育ちをり
葉柳や空ゆく風は奔放に
母と児の会話青野を歩みくる
木道が蚊柱立たせをりにけり
新緑の色様々な森をゆく
夏の日を小川が流しをりにけり
野茨や楽しき日々は短くて
野茨やなにか見つけてゐる親子
静けさへひたすらに舞ふ草の絮
たんぽぽの一輪日の斑見つけをり