サイクリングコース入口チューリップ
桜も随分散ってきました。
山吹の巌のやうに静かなり
芽吹きみな風柔らかく往なしけり
山桜野武士のごとく佇めり
何処から散りくる花と知らぬまま
散り残る花に静けさありにけり
ひたすらに水無川へ散る桜
真昼間の流星とも散る桜
紅つんと空へ捧げて花楓
山桜男心を鼓舞したる
林間の日の斑へと散る桜かな
遠くより香る菜の花畑かな
吾が視力戻れ菜の花畑かな
幹と枝あくまで黒く散る桜
白雲の集まるところ散る桜
絹雲に抱かれてゐる桜かな
菜の花の中でポーズを決める人
ドレス着て踊る菜の花畑かな
まづ天に座を定めたる牡丹の芽
著莪の花森はここより始まりぬ
花馬酔木垂れて苔庭重くせり
一輪の明るさ三つ葉躑躅かな
花楓ざわめくやうに揺れてをり
花楓点茶一服五百円
ひと鉢の揺るぎなき幹山桜
鉢植えの大きな洞の山桜
鉢植えの大樹の芽吹き愛でにけり
鉢植えの風受けてゐる柿若葉
花楓盆栽園の入口に
青空のまるで妖精花楓
惜しむことなきがごとくに散る桜
咲満ちて少女の三つ葉躑躅かな