落葉拾ひ光に満ちる園児の手
今日は、天気の良い一日でしたが、午前中は病院でつぶれました。
静けさに降り積む桜紅葉かな
本堂へ抜ける小径や冬の虫
木守柿むかし国府のありし町
温泉街渓谷挟み冬紅葉
ひもすがら風啼く海や神の留守
日時計の草茫々や神の留守
散紅葉白テーブルへ載りにけり
待ち人か時間つぶしか小六月
枯柳街の歴史を知つてをり
せせらぎに急かされてゐる冬紅葉
天界へ抜けゆく冬の鳥の声
冬空を狭め高層ビルの街
散紅葉射貫くハートのモニュメント
紅葉の空を大きくビルの空
ビルの空紅葉の空と結び合ふ
白雲と出会ひてをりぬ冬紅葉
大名の名の付く庭や式部の実
せせらぎの音に頷く石蕗の花
日の斑得て白光するや石蕗の花
垣根よりぐいと首出し石蕗の花
湾曲に紅葉の映ゆるビルの玻璃
園児らの手より零るる落葉かな
拾ひをる栞のための落葉かな
子供らの落葉紙幣として遊ぶ
落葉はも扇のやうに持ち歩く
手をつなぎ欅紅葉を歩みゆく
日溜りにひたすらに散る紅葉かな
日溜りの落葉のどれも生きてをり
高層のビルのテラスへ散る紅葉