
日当たりて霜野の上に観覧車
武蔵五日市までの景色です。結構な霜でした。そこに、観覧車が見えるところが味噌醤油で、そこのところが面白いです。今年も残すところ、後、一日です。皆々様に置かれましては、どうか、よろしくお願い申し上げます。
水滴を庇に宿し霜の駅
集落と眠れる山と青空と
霜はみな渓の煙となり登る
林間に冬青空といふ宇宙
万両を裾に抱きて冬の山
尾根かけて枝々かけて冬の鳥
林間の微かな日差し冬の蝶
影もまた不在証明冬の蝶
目の裏にその足跡や冬の蝶
熊鈴の追つてくるかに枯木立
朴落葉雪のごとくに山の肌
頂上は御師の集落山眠る
見上ぐれば青空ばかり枯木立
濡れ落葉踏みにし跡や山眠る
飛行音はるかに山の眠りをり
木漏れ日に吾が影長き枯木立
登り来て関東平野冬霞
霊気はも深く籠りて山眠る
日陰れば霊気ことさら冬の山
人声か烏の声か山眠る
冬山の空の奥処に潮騒の音
御師の家ここも正月飾りかな
参道の杉の古木も冬木立
登り来し尾根見上ぐれば雪催
木造の親しき駅や冬の鳥
山男顔して撮るや冬の尾根
龍のごと亀のごとくに焚火かな
奥多摩の焚火に咽ぶ渓ひとつ
午後の日に重畳」として冬の山
「熊注意」人と出会はぬ枯木立
冬ざれて大杉の根のなほ露は
奥多摩に分厚き冬の雲垂るる