オールウェイズ・朝日町の夕日 -37ページ目

友人Mの不思議な放課後

友人Mの話。

テンションのUPDOWNが激しい奴。

朝と昼が違う。

だから仲間と言える存在も片手で丁度良い人数しかいない。


普段の彼の生態が気になった友人3名と、探る事にした。

実行当日、下校の列車をMが乗るであろう時間から1本早めに乗った我々3名。

彼が駅までの道のりを、バイクかチャリンコか徒歩かを先に調べる。


その日は、チャリンコだった。

彼の自宅はチャリンコで10分の場所。

尾行する段取りも決めた。

ようやくMの乗った列車が大口駅ホームに滑り込んできた!


開始!


彼は、無愛想に改札口を出て、うつむき加減でチャリンコに向かう。

青いママチャリにまたがり動き始めた。

先の路地を曲がった事を確認しダッシュで追う我々3人・・・。

ようやく帰宅。


離れた場所から彼の部屋の窓を監視する。

10センチ程開き、煙が出る。


「帰宅後の一服タイムだな~」


部屋にいる事を確認できた!

裏の塀を登って、足音を殺し窓の下に到着した。

部屋から意味不明の音楽が流れてる。

ゆっくり中を覗き込んだら、敷きっ放しの布団に制服姿で座り、タバコを咥えるMの姿が見えた。

黙って様子をみる。


次にMは、靴下を脱ぎ始めた。

その瞬間、足の指と指の間に手の人差し指を突っ込んで匂いを嗅ぎ始めたガーン

Mは大きなため息をひとつ付き、立ち上がった。

思わず隠れる3人あせる


次にカセットデッキのテープを替え再生させる。

又これも聞いた事が無い曲・・・

するといきなり、エアーギターで歌いだした!

思わず噴出しそうになったが我慢した。

5分位して着替えを始めた。

洗濯物を出すために、一旦部屋を出た。


すぐに部屋に戻り今度は、3段BOXの置くに手を伸ばし、何かを探してる。

ようやく手に取ったのは、エロ本3冊だった。

品定めの様にじっくりと選んでる。

こんなにもか?と、思うくらい厳選に時間をかけるM.

おかずは決まったらしい!

始まった・・・。

目をそむける我々だった・・・・。

一人だけ終始見てるH。


突然堪えられなくなり、大声で笑い始めた。

部屋の中のMが慌てて窓を閉めた。

一目散で逃げようと塀を登ろうとした時、


「待て~!」


とMの興奮する声がした。

その場で立ち止まり、Mの所まで行った。


「見たな~、俺のひとときの楽しみの時間を。弟が帰って来るまでの貴重な時間を潰したな~」


と言い出した。

誤る事は考えていない。

それどころか、足を嗅ぐ行動、エアーギター、エロ本の選ぶ時間の訳を知りたく、聞きたくて仕方無い。

真っ赤な顔をしたMがようやく落ち着き、説明してくれた。


足の指の匂いは、今日一日動いた証の確認


エアーギターは内面的なキャラの反動


エロ本については、その時の気分に合ったページだと言う。


いずれにしても理解できなかった汗


あれから25年経ち、Mはその読めないキャラを変えずに過ごしてる。

根に持つ性格らしく、未だに当時の事を言うMは存在してる。

大晦日の出来事

17歳の大晦日。

当時の我々の年代の過ごし方も様々。

仲間内で集まり宴会する奴ら、家族と過ごす奴ら、彼女と過ごす奴ら・・・。


その年の大晦日に「変わり者の友人T]を誘った。


「今日は何か予定ある?」


「何すんの?」


「何処か走りにいかん?初日の出を見て帰って来るつもりだけど」


「ん~、寒いしパスしとくよ」


との事。

次に、Mに連絡した。


「じゃあ、今晩年越しそば食べたら出てくるよ!」


結局、その夜の描いてたプランと変わってきた。

本来なら、Tと2台のバイクで大口を出発し、暴走仲間達と合流し、宮崎方面に走る予定でいた。

Mは原付バイクしか持っておらず、誘いようが無かった。

MとHとBと私の4名で飲み会をする事となった。

寒い中、酒やつまみを買い込んで、小学校の校舎と城山の石垣の人目に付かない場所に陣取った。

ビールで乾杯し、焼酎にうつる。

Hが先に酔っ払った。

それ以外の者は、マイナス気温に耐え切れず、ひたすら飲むが温まらない。

しばらくすると、遠くから爆音が聞こえた。

バイク数台と車が数台のグループと察しする。

爆音は、次第に国道を南下していく。

宮崎方面に向かってる。

大晦日の人気の目的地だった。

私は、諦めきれず酒を止めた。

寒さと、ジュースでアルコールを抜くようにしてる。

頭の中は、バイクをいつでも、一人でも動かせる状態でいなきゃ!と考える。


突然、Hが、


「栗野まで行けば誰かしら集まってるんじゃない?便乗させて貰えないかな?」


と、意外な意見。

他の友人も、


「俺も行きてぇ~。」


と、更に意外。

私のバイクにHを乗せて、他はそれぞれの原チャに乗って一路栗野へ向かった。

268号線を軽く蛇交しながら走る。

栗野のタイヨーの駐車場に着くと、先輩や知った顔ぶれが揃ってる。


「お前ら来たか?」


と、歓迎される。


「お前のバイク出すんだろ?良かったら、俺にまくらせて!」


と、言われ寒さに耐え切れなかったので快諾した。


「俺はどの車に乗れば良い?」


「適当に乗れば?」


探してるうちに遠くから、


「こっちは2人は乗れるぞ!」


と、聞こえた。

早速向かって後部に乗り込む。

すると、見たこと無い顔。

しかも女連れ・・・。

見た目が危ない・・・。


「やべ~あせるヤクザみたいな人の車に乗ってしまった。」


やがて先頭集団が走り始めた。

後を追う。

バイク5台に、車が30台が連なる。

都城経由の日南海岸行き。

前の席のカップルは会話してるが、私とは会話は無い。

都城に入った瞬間、他のグループとトラブル発生。

運転席の男が車を降りて、相手をボコボコにする。


「今日は大人しくあのまま酒を飲んどけば良かった。最悪の大晦だ~」


と心で思った。

私のバイクも見ないし、知った顔が全く見えない。

どこかで逸れたらしい。

取り合えずの目的地は把握してたので、向かった。

日南海岸には、沢山の同じ目的を持った奴らで混雑してる。


「早く、顔見知りを見つけ出し、強引に車に乗るか、自分のバイクに乗る!」


と、決め探す。

自分のバイクを見つけた。

必死にバイクの元に走ってたら、赤の回転等がサイレンを鳴らして走ってきた。

それまで乗せて貰ってた車の運転手が、


「おい!早く乗れ!逃げるぞ!」


と叫ぶ。

動揺した私は、結局戻った。

スタート地点の車両はバラバラになり、誰が何処にいるかわからない。

何かし、24時間営業のたこ焼き屋の前で止まった。


「腹減ったろ?たこ焼き食えよ!」


「はい、有難う御座います」


心にも無い返事を、最大限の丁寧な敬語で言った得意げ

少し走った駐車場で食べてたら、


「お前、家何処?何処まで送れば良いの?」


と、聞かれ、


「大口です。バイクが行方不明だから大口まで送って頂けたら・・・」


と、意を決して返事した。


「良いよ!どうせ帰る途中だし」


快く言ってくれた。


何だ~。意外に良い人じゃん音譜

安心して図々しく寝てしまった。

起こされた場所は、自宅近くだった。

お礼を言って分かれた。

同時に、自分のバイクと同級生の安否が気になってきた。

取り合えず、Bのバイクは自宅前に停めてあるので、ここには寄るだろうと確信してた。

少し仮眠を取るが、気になって仕方ない。

午前10時位、遠くで聞いた、慣れ親しんだバイクの音が聞こえた。

そのまま飛び出し、バイクをお迎えした。


良かった~、無事帰還


皆の昨夜の事を互いに報告しあった。

私以外の連中は、楽しかったを連呼。

又、来年も行きたいとも言う。

逆に私の昨夜の報告は、全員爆笑してた。


「お前が、一番最悪だったんじゃね~」


と、大笑いされる。


全員お年玉収集の為解散した。

夢の一夜が、忘れもしない一夜になった。

少ししか乗れなかった愛車の手入れをはじめる・・・・

町の床屋さん

髪の毛を伸ばしたい一心で、女ッ気の無い男子校に入学したのでヘアースタイルだけには妥協しなかった。

中学時代は、坊主だったので自宅でバリカンを使ってたが、これからはそうはいかない。

先輩にどこか良い散髪屋は無いかと聞いても、好みの違いもあって賛否両論。


結局、「池崎理容店」に行ってみた。

店内に入り、すぐの所に待合の椅子がある。

座って待ってると、店主らしきおじさんが、


「いらっしゃい。初めてだよね~。今日は、どうしたいの?」


「横を刈上げてください」


「じゃあ、こちらの椅子にどうぞ」


と、案内された。

3つのカット椅子が並び、一番奥には常連らしき客がいびきを掻きながら散髪してる。

メガネをかけたおばさんがカットしてた。

恐らく、店主の奥さんだろう・・・。


カットが始まる。


「あんたは、いつも夕方この前を通るよね?どこ高校?」


「栗野です。」


「じゃあ、家はどこなの?」


と、会話が始まる。

それから、


「栗野は男子校だから彼女をつくるのに難儀やろ?それとも既におるんやろ?」


と、いきなりの内容。


「いや~、いませんよ~」


「大口高校や農林高校の連中はこの店の前を女連れで歩き回るよ。あんたも頑張ってつくりなさい」


「はい、頑張ります・・・・」


カットが終わり、顔そりが始まる。


「眉毛の細さは?もみ上げの位置は?額の角度は?学校に注意されない程度にやってあげるから」


と、言われる。

ドライヤーで乾かし、最後のセットの段階にきた時、ドライヤーとブラシを渡された。


エッ?何故?


「おじちゃん達は、あんた方若い連中の思うセットが出来ないから、自分でした方が良いんじゃない?」


と、ありがたい言葉。


数週間後、そこの散髪屋に行った。

今度は、友人3名と。

その日は、暇らしく並んでカットする。

おじさんとおばさん、そして息子さんの3人やってくれた。

おじさんとおばさんは、カットの途中の合間に必ず一服する。

一人の客に対し、3回は一服タイムにはいる。

息子さんは、エロネタトークばかりを連呼する。

横でそれを聞いてたおじさんが、


「俺にも女子高校生を紹介して!」


と、ウソか本気かわからない会話で入ってくる。

やっぱり親子・・・。


そしていよいよセットに入る。

各自が、ドライヤーとブラシを渡され、並んでセット開始!


「これから、3人でデートやろ?」


と、冷やかされ店を後にする。


あれから25年経つ。

噂では、息子さんは早くで亡くなり、しばらく夫婦でされてたが、おじさんも無くなったと聞いた。

おばさんが一人で切り盛りし、無くなった息子さんの子供が資格を取りに行ってると聞いたのは、7年前。

きっと、おばさんとお孫さんでやってらっしゃるんじゃないかと推測する。


ヤンチャ時代を支えてくれた店とそこの人達だった。