広告戦略は、よく好きな人を射止めることだと例えられる。
知ってもらって、格好良いとこ見せて、好きになってもらって、お付き合い。
とにかく自分をアピールする手段・場所はあふれている。
それじゃあ街角や駅で出会う広告は、街で偶然出合う人と同じこと。
もしかしたら、気づかれず素通りされるかもしれないし、
出会えてラッキーと思われるかもしれない。
そんな偶然の出会いのとき広告はどんな顔をすればよいだろう。
いつもどおりでいても、あの人は射止められない。
だから、頭をひねるのです。
TVや雑誌や新聞じゃ伝わらない、いつもとは違う姿を見せて、
誰かをドキドキさせる。
そんな頭をひねった広告たちを紹介します。
コミュニケーションデザインはプロダクトデザインへ 【Fiat Eco drive】

このサイトは、
Fiatの車にUSBに指して、自分の走行データを蓄積した後、
それを見て自分のエコドライブ指数を見たり、
今後の運転に対するアドバイスをもらったり、
そしてその成績を他のユーザーとシェアしたりするためのサイト。
NIKE IDと似たスキームだ。
エージェンシーは、今話題のAKQA。
このサイトの秀逸なところは、
エコという必要だけど退屈してしまいそうなテーマを、
誰もが気になるけど、意外に誰かに評価してもらう機会がない、
そんな自分のドライビングテクニックの評価に絡めて、
エンターテインメントにした点だ。
Fiat車を購入して専用USBをもらったら、きっとやりたくなるはず。
そして、
-エコというCSR的なテーマのPR
-顧客と製品の、購入後のコミュニケーション
-Fiatファンの間でのコミュニケーション
-購入直前の見込み客の購買意欲を刺激
など、色んな課題を一気に解決している感がある。
NIKE IDも、このサイトにも、
プロダクトにも仕組みを組み込むことで、
購買前から購買後の製品を使うところまで、
コミュニケーションデザインがなされている。
ちなみに、これはipodとituneのスキームにも似ていると思う。
ituneは、プロダクトのための必要なプラットフォームでありながら、
ユーザーに限らず無料配布し、その使い勝手の良さをみせることで、
ipod購入見込み客を取り込んだ。
そして、もちろん購入後も
果たして、広告コミュニケーションは、プロダクトデザインの領域に
踏み込む必要性が出てきたんじゃないだろうか。
いや、もう広告と呼んじゃいけないのかも知れない。
このFiatは、プロダクトが与えるユーザーの経験にまで経験している。
そうなると、もはやプロダクトデザイナーの一員だ。
広告代理店が既存のビジネスでの収益確保が頭打ちになった今、
コミュニケーションデザインという名のもとに、
製品販売前から販売後までを含めた、
(もちろん広告活動を含めた)
製品のトータルなコミュニケーションを設計するデザイン集団になる、
という道はあるんじゃないだろうか。
広告代理店の持つリソースの一つは、
消費者インサイトを知り、それをデザインに反映させるスキルだ。
それを売りにして、プロダクトデザインの領域に踏み込み、
広告・販促予算では無いところから、予算を獲得する、という道だ。
もちろん、プロダクトを良く知る従来のプロダクトデザイナーと共に、
行う必要はあるけれど、
広告・販売戦略までを見据えたデザイナーの視点が入ることは、
きっと役に立つんじゃはないだろうか。
と、さりげなくblogを再開してみます。
今度はお外の広告に限定せず、やりたいと思ってます。
今まで見ていただいた方も、
さりげなくまた見ていただければうれしいです。。
コミュニケーションをデザインするための本
この本は本当に楽しみ。
- コミュニケーションをデザインするための本/岸 勇希
- ¥1,890
- Amazon.co.jp
from:汐留ギッシュベイビー
電通の岸さんは、一度社内でセミナーをしてくれたんだけど、
本当にターゲットオリエンテッドな考え方で、
それでも効果の保証までしっかりロジカルに説明がなされていて、、
しかもアウトプットは全部おもしろい!
尊敬すべきプランナーです。
「結婚しますマリエール」も「冷え知らずさん 」も「実況ジェネレーター」も全部彼の仕事。
しかもものすごく情熱を持っていて、
何かを変えるパワーを感じる人でした。
僕の周りにもファンが多いです。
ところで、彼は雑誌局を経ているとのことなのですが、
ターゲット設定からコンタクトポイントを考える際に、
そのターゲットのもっとも読んでる雑誌ランキングから趣向性を導き出して、
それを元に、ものすごくメディアニュートラルに考えていたのが印象的だった。
とりあえず、早く読了したいところです。
みなさまもぜひ!
広告は僕たちの生活のことを考えていますか
Audio books shorten the time というコピーの広告です。
地下鉄の地図のとなりの看板を使って、
Audio books 聞けば移動時間はあっという間ということを、
縮尺を縮めた地図をビジュアルに表現した事例。
OOHに限らず、
広告はもっとメディアの持つコンテクストを考えられたら、
本当はもっとすばらしい。
生まれたときから広告メッセージにさらされてきた僕たちは、
生活すればどこかに広告が割り込んでくる可能性を本能的に知ってるし、
それを無視する術も体得している。
そんなことはわかってるはずなのに、
それでも広告は自分たちに言いたいことだけを言いっぱなしで、
僕たちの生活にいまだに割り込んでくる。
お金を払ってるんだから好きなことを言わせてくれ!
というのはメッセージを得る側には通用しない論理だ。
だからこそ人の気を引くクリエイティブの技術は育ってきたし、
おもしろければそれで良しとされる広告の形が生まれたけれど、
それでも突然脈絡もなく飛び込んでくる存在には変わりない。
本当に受け手のことを想像したら、
もっと彼らがその瞬間興味を持っていることに
寄り添う必要があるじゃあないでしょうか。
メディアに接触するときは何かに関心が向いている時であるわけで、
その気持ちを邪魔せず寄りうこと、
つまりメディアの持つ文脈を考えることが、
本当の意味で受け手のことを想像する、ということではないでしょうか。
ターゲットを絞ってターゲットに寄り添うメッセージを、
ということは増えてきたけど、
その人たちがその瞬間何をしているか、
ということはまだまだ考える余地があるはず。
たとえばオリンピックの時に日本を応援するCMを流すみたいに。
(普段はあそこまで献身的である必要も無いとは思うけど)
とはいえ何も考えず、ぼーっとTVを見たり電車に乗ったりするときもあるのだから、
必ずしもそうでなければならない、
とは言えないんですけどねん。
当たり前のことだけど、
僕らの生活に割り込んでいるという事実を、
たまに思い出さなければならないと思うのです。

