主治医が興奮した表情で口にしたのは”これまでの治療の結
果ほとんど身体へのダメージを認められません。従ってこの
まま4回目の投与を今晩行います”と告げられました。確か
に施術後は徐々に免疫力が低下するというので3回をワンセ
ットにして、しばらく休息というのが常識なんだそうですが
私の血液検査の結果は1、2回目は僅かですが入院当時より

微増。3回目でやっと下がり始めたものの、まだ体力に余裕
があるというのが医師の判断でした。私はベテラン看護士に
”延長というか、4回目を追加するケースはありましたか?
”と訊ねましたら首をかしげながら”あんまり聞いたことは
ありません”と応えてくれました。自覚症状は全くなし食事
も大盛りに代えてもらい階段や天気のいい日は外に出て散歩

をしたりして病人になることを避けてきたかいがあったと思
いました。手慣れた手順で投与を受け1日置いて医師が来て
”まだ余裕があります。このまま一気に次の治療に移ります
それはリツキサンという点滴による抗がん剤の投与になりま
す。懐かしい薬品でした。九大病院ではこの薬と併用して腫
瘍の根絶を図ったのですが腫瘍は生き延びて、がんセンター
に廻された因縁の薬でした。

 特別に延長戦にまで治療を延期して頂き、そのうえ
 因縁の薬を投与され身体の調子とは真逆に薬の効果
 の不安を感じた          ぐっさんハイ
     

 

定刻になりましたらベテラン看護士がふたり現れて”最初は
副作用を少なくする薬です”といって味も素っ気もない只の
薬を開封して手渡しますから飲みました。能書きには吐き気
止めとありました。1時間後にまた、ふたりの看護士が来て
”今度は2種類で、1個は錠剤。そのあとはパウダーのを飲
んで頂きます”といって開封して手渡された薬は味のない歯

磨き粉みたいなもので、抗がん剤というには、あっけないも
のでした。僅か3年ぐらいなんですが抗がん剤も猛スピード
で改良されていることを実感しました。抗がん剤を投与した
後は血液検査をして、さらに継続していいものか判断しなら
が治療をしていく用心深さは変わりませんでした。で、気に
なる副作用なんですが医者や看護士が口を揃えて言うように

能書きにあるような反応は現れませんでした。九大病院では
痛さと苦痛、吐き気などに悩まされ紛らわせるように点滴の
金具をステッキ代わりに病棟を這いずりまわって襲ってくる
苦難をかわしたようなことは今回は全くない平穏さでありま
した。もっとも、ここまでは点滴もありませんでした。3回
目を終了した翌日、主治医が検査データーを握りしめながら
飛び込んできました。

 ヘンな話ですが苦しまないと効き目がないというイメ
 ージで受療していますと大げさな割にはなんともない
 という治療に大丈夫だろうかという疑問が湧いた。 
                   ぐっさんハイ
     

 

さあ、また駄文をお届けさせて頂きます。案外、復帰が早か
ったじゃないのとおっしゃる方がいらっしゃると思います。
こうしてヨチヨチしながらキーを叩いている私もそう思って
いるぐらい、あっさりした退院でした。実は入院して数日は
検査三昧で普通はこの時、立派な病人になるんですが、へそ
曲がりの私は検査の合間に階段の昇り降りや階段の手すりで

屈伸運動などをやり、天気のいい日は外で日に当たりながら
散歩したり深呼吸をしてフレッシュな空気を胸一杯吸い込ん
で出来るだけ病人にならないよう突っ張っていました。幸い
病院の主治医も理解があって大いにやりなさいと止められな
かった幸運もありました。そうして数日後、”これから抗が
ん剤による治療を行います。予定では隔日毎に3回います。

初回だけは事故防止のため看護士が手伝って服用して頂きま
すが2回目からは自分で飲んで頂きますと硬い表情で言いま
した。抗がん剤による治療は腫瘍を死滅するだけでなく身体
の細胞も傷めます。つまり血球がゼロ近くになり免疫力がな
くなって風邪を引きやすくなったり、ばい菌の抵抗力がなく
なってトラブルの原因になるんです。いよいよ緊張の1日目
を迎えました。

 周囲は誰も楽に治療を受けられるようになったと口を
 揃えますが、私と家内は緊張しました ぐっさんハイ