大神直樹の酒日記
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白金乃露(芋焼酎)

白金乃露(白麹)

製造元:白金酒造
鹿児島県姶良郡姶良町

現時点、自分の中で一番うまいと思う芋焼酎ベスト5に入る焼酎。

数年前からこの蔵は「磨き芋使用」と称するようになった。
芋を洗う段階で、機械ブラシでもって芋についた泥と一緒に表面の皮も削ってしまうのだ(確かこういう製法だったかと)。
芋のデンプンや旨味成分は表皮にあるので、そこを削いでしまってはもったいないという意見もある。たしかに “芋っぽい”旨味は足りないかもしれないが、代わりにすこぶる上品な旨さが広がる。

本当に上品だ。
しかも口あたりのなめらかさ、バランスの良さ、個性という点でもきわめて優れている。


ちなみに、この焼酎を造る白金酒造は明治創業で、今でも「石蔵」を持ち、そこではカメ仕込みや木桶蒸留などの手作り感覚あふれる製法を継承している。
が、この焼酎については近年立てられた新工場で造られており、いわゆる「手造り」ではない。
しかしそんなことはどうだってよい。ただただうまい。
大神直樹の酒日記-白金乃露

伊佐大泉(芋焼酎)

伊佐大泉

鹿児島県菱刈町(現伊佐市)。
大山酒造による唯一の銘柄「伊佐大泉」。

伊佐地方には「伊佐美」というプレミア銘柄を作る甲斐商店、「伊佐錦」を造る大口酒造があるが、この蔵はその中でも一番小さい蔵元。

この蔵では昔から麹フタによる麹造りを続けている。
最近は焼酎の付加価値化によって麹室でもって手造りで麹を造る蔵は増えたが、この蔵はそんな流行とはかけ離れたところで焼酎造りを行ってきた。

それもこれも社長の頑固な方針があってこそである。
売れない時期もこの製造方法、単一銘柄数を貫いてきたのはすごい。

この蔵の人たちはめったに鹿児島を出ない。

焼酎の試飲会には年に数回、従業員や社長の子息が鹿児島から朝イチで来るのだが、たいてい遅れてきて、そして夕方の飛行機に乗るために早く帰ってしまうことは一部業界人には有名w

そして試飲会のテーブルには「伊佐大泉」が一升瓶で一本だけドーンと置かれているだけ。
(他の蔵はいくつもの銘柄を並べたり、ブースを装飾したりしている)
このインパクト、そして社長含め蔵人のキャラクターは強烈である。


最近、家で芋焼酎を飲むことが続いた。
「伊佐大泉」を飲むのは久しぶりではないのだが、最近、たてつづけに芋焼酎が続き、その中でこの銘柄を飲むと、その違いが一目瞭然だった。
うまい。
香り、ボディともにしっかりしている。
ボディのしっかりした、というかいわゆる「芋っぽさ」を強調した芋焼酎は他にも数あれど、この焼酎のように腰が重いというか、軸がしっかりしたボディの強さのある焼酎はさほど多くはない。

自分は3:7~4:6(焼酎:水)の常温の水割りで飲んだ。
多少うすめだがまったくうすくない。

この「伊佐大泉」一本でいく姿勢はこれからも変わらないと思う。
蔵元の個性、味の個性ともに陰ながら応援していきたい蔵である。
大神直樹の酒日記-伊佐大泉

稲乃露・えらぶ(黒糖焼酎)

稲乃露・えらぶ

沖永良部酒造・徳田酒造(鹿児島県沖永良部島)

沖永良部島の地元の焼酎である。
蔵元名がふたつあるのは、この蔵は共同瓶詰めを行っているからである。
いくつかの小さい蔵で造った黒糖焼酎を一箇所の瓶詰め所に持ち寄って共同のタンクに貯蔵し、瓶詰めする。これが共同瓶詰め。

この蔵の代表銘柄には
「稲乃露」(徳田酒造の蔵で造られた黒糖焼酎)
「えらぶ」(徳田酒造以外の小さい蔵元で造られた黒糖焼酎をブレンドして瓶詰めされたもの)
のふたつがある。

先日、この焼酎を飲む機会があったので簡単な感想を。
「稲乃露」…島のレギュラー酒にふさわしい飲みやすさとキレのよさ。これぞ地元民の味。
「えらぶ」…「稲乃露」より若干貯蔵年数が長いらしく、また別の蔵で造られているので「稲乃露」とは味が違う。一言でいうと「まろやかで旨い」。思わずうなってしまった。

どちらもロックか水割りでゆっくり飲みたい。
サンゴ礁の島・沖永良部の風景が広がる。そんな銘柄。


簡単に島の説明など↓
沖永良部島
さとうきびなど農業が盛んな島。しかし農薬問題が心配なため地下水は飲まれず、もっぱら水道水が使用されている。サンゴ礁の隆起した島で、水はもともと石灰分が多い硬水。
和泊町は沖永良部酒造「稲の露」、知名町は「天下一」「昇龍」といったふうに集落ごとの決まった銘柄が飲まれているようだ。
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