悪が残虐性の根源と思われている。
しかし、本当は正義の側に立った時、加虐のブレーキが利かなくなることが、その根源。
本を読むことで自身の正当性を裏付けていくことは、危うい。
むしろ、己の悪徳性、ミステイクに自分を気づかせることが、智慧の世界への扉が開かれていくように思う。
世の中には、幼稚な正義が出回り過ぎているように感じている。
智慧ではなく、知識のほうで勝負が決まるという稚拙な思考の表れなのだろう。
真の読書とは、己の稚拙さからの脱却と成熟を目指すもの。
薄っぺらい幸福論、成功論でわいわい楽しくやっている己の稚拙さに気づけなければ、学び、気づきとは到底いえない。
甘ったれた自身の精神に時に厳しい鉄槌を下すことも読書の重要な役割だ。
苦しい読書が歓喜を導く。
でなければ、心を燃やせない。