親切で愛情のある行為をしたときに分泌されるオキシトシン。
これは、心と体に良いものとされる。
一方、外敵から仲間や子どもたちを守るために分泌されるのもオキシトシンとも言われる。
つまり、オキシトシンがあるために闘争が生まれるという理屈にもなる。
ところで愛の反対は、無関心と言われる。
だから、愛の反対は、憎しみではないのだと。
でも、愛の反対は憎しみでもあり、相反する要素で成り立つとも言えるのではないか?
状況によって正反対に思えるくらいの反応が生じるのが人間の心。
どちらが良くて、どちらが悪いという具合に選択し、あるいは切り捨てられるものでもない。
言葉で考えるが故にその限界を垣間見てしまうことがある。
しかし、その限界の先にあるものをどう掴むのか?
言葉にしえないものをどう肚に落とすのか?
そんなことを問い続けながら読むのに最適な本だと思う。
断定したら間違いにつながる。
自分の思いの正しさに囚われる愚かさを認識したい。