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高倉和也の朝令暮改

お笑い芸人・高倉和也のブログです。

カレーにトンカツ、蕎麦にコロッケ。

餡掛けチャーハン、麻婆ラーメン。

美味しいものと美味しいものを足したらもっと美味しい。

バカっぽい理屈だがこれが宇宙の真理だ。

 

別に食べ物に限った話でもない。

仮面ライダーがさらに変身してウルトラマンになったらもっと強いとか、悟空が悪魔の実を食べたら無敵じゃんとか。

それは、もちろん怪獣だって例外ではない。

あの怪獣とこの怪獣が合体したらとか、あの怪獣に羽が生えたらとか。

お気に入りの怪獣を強くしたくて、いろんな要素を全部乗せ、野菜マシマシした空想をしてしまう。

 

では、その空想をゴジラに対してするとしたら。

 

もしもゴジラが空を飛べたら。

もしもゴジラが念力を使えたら。

もしもゴジラがビームを自由自在に曲げられたら。

角があったら。大きな牙があったら。

力の源は宇宙エネルギーで、背ビレはキラキラしてトゲトゲしたクリスタルで・・・。

 

そんな思いつく限りの強そうでカッコいい要素を足しに足したゴジラを、公式がやっちゃった怪獣。

それが今回紹介するスペースゴジラだ。

 

スペースゴジラは、その名のとおり宇宙のゴジラだ。

宇宙だからスペース。わりと直球なネーミングだ。

ちなみに昭和のガメラシリーズには「宇宙ギャオス」という、もっと直球の怪獣も出てくる。

見た目も身体が銀色になっただけで普通のギャオスと変わらない。

それに比べれば、スペースゴジラはやや変化球気味ともいえるかもしれない。

 

ところで、この怪獣が登場する「ゴジラVSスペースゴジラ」公開当時、僕は小学校低学年くらいだった。

その頃の僕はこの「スペース」という言葉に、何とも言えぬカッコよさを感じていた。

持っていた怪獣のソフビ人形で遊ぶときなんかも、勝手に脳内設定で適当な怪獣を宇宙からやってきたことにして名前をつける。

「スペースビオランテ」や「スペースラドン」など、うちにソフビがあった怪獣は片っ端から出身地を改ざんされてしまったのだ。

一番気に入っていたのは「スペースキングギドラ」で、ただでさえ強いキングギドラにスペースがついてもう最強!とニヤニヤしていた。

よくよく考えればキングギドラはそもそも宇宙怪獣なので、やたら出身地をアピールしてくる変な名前だとは気づかなかったけれど。

まあ、そんな僕も今ではすっかり大人なので、もうなんでもかんでもスペースをつけて喜ぶようなことはしていない。

宇宙由来の妄想をするときはもっぱら「ギャラクシー」とか「コズミック」を使うようにしている。

漢字だと「暗黒物質」とか。年相応に知的な響きがしていいだろう。

 

さて、そんなどうでもいい話は置いておいてスペースゴジラの話だ。

とりあえず、どんな怪獣なのかその姿を見てほしい。

がっつり戦闘中のスペースゴジラ。

ビームのエフェクトも相まってすごいボリューム感だ。

全体像がわかりやすい画像も出しておこう。

こちらは、どことなくオフショット感のある画像だ。

右手にタバコでも持っていたら完全に休憩中だろう。

 

まあ、見ての通りゴジラをベースにしたデザインだが、全体的に肉厚になっていたり背ビレがデカかったりと一回り大きいサイズ感。

何より目を引くのは肩の結晶体だ。

普通のゴジラでさえ背ビレと尻尾のせいで仰向けでは寝られないだろうに、こんなものが肩に付いていたら横向きにもなれない。

うつ伏せで寝たら顔がむくむだろうに。

スペースゴジラは毎朝リンパマッサージをしてから暴れているのだろうか。

 

そんな外見を持つスペースゴジラ、お察しの通り劇中の誕生経緯もゴジラに由来したものだ。

ざっくり説明すると、なんやかんやで宇宙に運ばれたゴジラの細胞が、なんやかんやでブラックホールに飲み込まれ、すったもんだで結晶生物を吸収、あれよあれよと超新星爆発に巻き込まれるも、どっこい生きてて怪獣化、ということになる。

 

つまり、ゴジラに結晶生物と宇宙エネルギーを合体させてできた怪獣というわけだ。

ちなみに、ゴジラの細胞が宇宙に運ばれた経緯として劇中で語られるものの一つに、前回紹介したビオランテが関わるものがある。

粒子となって空に消えたビオランテだが、その一部が宇宙空間に飛散し、ゴジラ細胞を運んだというのだ。

この説をとるならば、スペースゴジラはゴジラ+結晶生物+宇宙エネルギー+バラ+沢口靖子によって構成された怪獣ということになる。

そう思って見れば胸や腹部の色はパラっぽいようにも見えるし、沢口靖子っぽいところもある気がしてくる。佇まいとか。

 

誕生と同時に本能でゴジラの存在を感知したスペースゴジラは、なんか気に食わないという理由のみでゴジラを倒しに地球にカチコミを仕掛けてくる。

かなり好戦的で、そのうえ残忍な性格なのだ。

苦も無くゴジラの住む島に飛来したスペースゴジラは、そこでリトルゴジラに出会う。

リトルゴジラとはゴジラと同じ種族の子供で、ゴジラが親となって育てている怪獣だ。

その辺の関係性を瞬時に見抜いたスペースゴジラは、リトルゴジラを自身の作り出したクリスタルの中に監禁してしまう。

怒ったゴジラも軽くあしらい、「助けたいなら俺を倒してみな」とばかりに最終決戦地・福岡へとゴジラを誘うのだ。

ゴジラからしてみれば、会ったこともない親戚の兄ちゃんくらいの距離感のやつが急に家にきて、息子を監禁したうえ殴りかかってきたような状況。

完全に犯罪被害者だ。

TV番組ならここで一旦再現VTRを切って、スタジオのタレントにこの先の展開を聞く流れになるやつだ。

この画像もどことなく「近づいちゃいけません!」と言っているように見える。

 

しかしまだまだ止まらないスペースゴジラ。

福岡タワー周辺に現れると、周囲を自分が戦いやすい環境に作り替えていく。

宇宙エネルギーを受信するためのクリスタルの塔を何本も建て始めたのだ。

監禁・暴行の次は不法占拠・違法建築ときた。

怪獣界でも稀にみる凶悪犯罪者だ。

 

考えてみると、平成VSシリーズでここまで明確に悪者として描かれた怪獣は他にはいない。

例えばキングギドラは世界征服のため操られた怪獣であり、その目的の障害になるためゴジラと戦った。

ビオランテにもその裏には同情すべきバックボーンがあり、そのほかの怪獣も何らかの目的があったうえで、結果としてゴジラと戦ったにすぎない。

だがスペースゴジラは、明確にゴジラを倒すという意思をもって地球に現れる。

ある種サイコパスじみた執念で、目的を果たすために手段を選ぶことをしない凶悪さ。

対照的に、ゴジラは圧倒的善玉として描かれる形になった。

ゴジラを、超常的とはいえ一つの生物として描写してきたVSシリーズの中ではかなり擬人化が施された役付けだ。

人間とゴジラの共闘も描かれるなど、ベタだが熱いシーンもある。

これらを引き立てるという意味で、スペースゴジラは必要悪と言っていいだろう。

 

実際、福岡での最終決戦はこれ以上ない悪役ぶりだ。

前半こそ自在に曲がる光線やミサイルのように飛ばすクリスタル、果ては念力でゴジラを浮かべるなどやりたい放題。

だが、人類側の起点により周囲のクリスタルを破壊され、エネルギー吸収の役割がある両肩の結晶体も破壊されると形勢は逆転。

怒りを込めたゴジラの一撃で爆散するという、きっちりテンプレに沿った最後を迎えることとなる。

 

思えばこのスペースゴジラ以降、名前にゴジラを冠する敵怪獣は現れていない。

メカゴジラは正義側だったし、それも最後に登場したのは20年近く前だ。

モンスターバース、そしてシンゴジラと、スタンダードなゴジラはしっかり味わい尽くしてきた。

そろそろ、ジャンクで特盛の新スペースゴジラを頂きたいところだ。

幽霊を見たことがあるだろうか。

もしそんな経験があるならば、その幽霊はどんな様子だっただろう。

おそらく、不気味さの中に悲しみをたたえたような、そんな雰囲気であったと思う。

 

幽霊というのは、なぜかみんな悲しそうな佇まいで現れる。

映画や小説に出てくる幽霊もどこか悲しげだ。

悲しさと不気味さがあってこその幽霊であって、そうでなければ幽霊とはいえないだろう。

 

例えば、ホラー映画で金縛り状態になり、恐る恐る足元を見るシーン。

そこにいたのが満面の笑みでカレーをモリモリ食べている男だったら、ちっとも怖くないだろう。

いや、怖さはあるかもしれないが、それはもう幽霊ではなくわんぱくな不審者だ。

幽霊であるなら、悲しげな顔でぼぅっと立っているべきなのだ。

もちろん食事は化けて出る前に澄ましておく。

 

そんな、幽霊が背負う悲しみと不気味さを纏った怪獣がいる。

それが、今回紹介するビオランテだ。

 

ビオランテはバラとゴジラ、そして人間を掛け合わせることによって生まれた怪獣だ。

ゴジラの身体を構成する細胞は、驚異的な生命力を持つという特徴がある。

そこに注目したのが、白神博士という科学者。

この白神博士、亡くなった娘・英理加の遺伝子をバラに移植して育てるという、なんともコメントしづらい趣味をお持ちだ。

博士はそのバラにさらにゴジラの細胞を組み込むことで、英理加に永遠の命を与えようとしたのだ。

 

しかし、案の定というかゴジラの細胞を得たバラは暴走。

怪獣化し、湖にその姿を現した。

これがビオランテ「花獣形態」と呼ばれる姿だ。

見ようにとってはパリコレに出てくるモデルみたいに見えなくもない。

しかし、湖にぼぅっと立つ様は結構不気味だ。

さっきの話ではないが、夜中足元にこんなのが立っていたら悲鳴を上げるだろう。

さすがに実生活で怖いのは嫌なので、足元に立つのは怖くない怪獣にお願いしたい。

ジェットジャガーとか。

暗い部屋で見ても多分笑う。

むしろ部屋にジェットジャガーがいる状況に笑ってしまう。

 

このビオランテ花獣形態、見た目もさることながらその鳴き声がとても物悲しい。

女性が泣いているような、悲鳴を上げているような印象を受ける。

そして、その印象どおりとてもか弱い。

ゴジラとの初戦では、あっという間に熱線で焼き尽くされてしまうのだ。

 

だが、ビオランテの怪獣としての特徴は、再生能力の高さにある。

金色の粒子となっていったん消滅したかに思えたビオランテ。

しかし、熱線を受けた影響で異常再生、異常進化をとげて、再びゴジラの前に現れる。

 

それが、ビオランテ「植獣形態」だ。

花獣形態のときに感じられた不気味さや、人間的要素を感じる見た目とは一転、重量感のある怪獣としてのフォルムに変化。

それでも顔つきは僅かばかり人間味があるようにも思える。

なんというか、山奥にいる悪い魔女とか、詐欺がばれて逆上した時の悪徳占い師みたいにも見える。ような気がする。

例えが限定的すぎて絶対共感は得られないだろうが、なんだかそう見えるのだ。

 

この植獣形態、再生力に加えて硬い外皮による防御力の強化もされている。

そして、なんといってもデカい。

ゴジラと比べてもこのサイズ差である。

劇中でもこの巨体を活かし、ゴジラを飲み込まんと食いついてくる。

しかしその隙をつかれ口内に熱線を撃たれ、突き抜けた衝撃により後頭部が吹き飛ばされている。

 

一進一退の攻防の中、ゴジラは人間側の作戦の影響により戦意喪失。

ビオランテもまた、白神博士の言葉を受け人間の心を取り戻し、自らの意志で消滅。

金色の粒子となって空に消えていったのだ。

 

こうしたビオランテの一連の動きは、幽霊もののストーリーラインに近いものを感じる。

愁いを帯びた幽霊から祟りを起こす悪霊に、そして未練を払しょくし成仏するというものだ。

 

そうした視点から見ると、幽霊であるビオランテに対峙するゴジラはさながら除霊を行う祈祷師といったところか。

熱線で炎上させて霊本体をお焚き上げするという、だいぶ強引な手法の除霊だ。

 

結果としてゴジラに倒されるのではなく、父親の改心により悲しみを解消し成仏したビオランテ。

それは怪獣化する以前からバラとして強引に生かされていた苦しみからの解放でもある。

もしゴジラに倒され強引に消滅させられていたとしたら、人としての心が救われることはなかっただろう。

悲しみとともに感じる安堵は、怪獣としてではなく一人の人間に戻ったゆえに感じるものだろうか。

そういった情緒的な部分が、ビオランテが他の怪獣とは一線を画すところなのかもしれない。

 

きっと、天国では怪獣ではなく人としての姿で、この世界を見守っていることだろう。

天国に行く前にフライング気味に人に戻ってるし。

リアルタイムで劇場で観た人は、唐突にスクリーンに大写しになる英理加役・沢口靖子に何を思ったのか。

それはさておき、悲しみや未練を抱えている様子ではない。

怪獣でも幽霊でもなく、英理加として旅立ったことの証明だ。

 

かわいそうなのは〇けない

 

前回前々回に続き、またもやキングギドラの活躍ぶりの話である。

 

ここまで、昭和から平成序盤にかけてゴジラと戦い続け、その度に気持ちよく負けていたキングギドラ。

 

「ゴジラVSキングギドラ」出演以降はVSシリーズには出演してはいないが、設定上は存在感のある活躍をしている。

 

VSキングギドラ終盤で、未来で身体を機械化してゴジラに挑み、ともに海に墜落したキングギドラ。

その後の作品で海底から引き揚げられ、その身体に施された未来の技術を隅から隅まで解析され、新たな兵器が開発されることになる。

 

生身の状態で負けて海底で眠っていたのに、無理やり起こされ気づいた時には身体が機械になっていたギドラ君。

無理矢理操縦され操られ、ゴジラに負けて海に没したのに、死んだ後も身体を弄りまわされるとは、なんとも不憫である。

しかも人類に必要なのは未来の機械の技術だけ、ギドラ本体は必要ないというのが悲しい。

おそらく身ぐるみ剥がされたあとは、身体は捨てられてしまったのだろう。

WEB広告によくある、女の子がやたらひどい目にあうコミックみたいな話である。

 

ともあれ、そこで得られた技術はVSシリーズ終盤まで活用されることになる。

 

鬼の居ぬ間に

 

VSシリーズ終了後はしばらくゴジラはスクリーンから遠ざかる。

そこで、散々負けた相手がいないうちに、別の怪獣と戦うことにする。

しかし、選んだ相手が悪かった。

その相手とは、モスラである。

ゴジラに勝った数少ない怪獣だ。

ビビッてる相手がいない隙にイキろうと思ったら、もっと強いやつにケンカを売ってしまったのだ。

 

しかもこの時期のモスラさん、平成モスラシリーズという主演作での主人公補正のおかげで、相当な戦闘力インフレを起こしている。

それまでのモスラと違って平気でビームも出すし、水中でも活動できる。

小さくなって相手の体内を攻撃するというエグい技もあるという万能っぷり。

 

一方のキングギドラも、生命エネルギーを吸い取るため子供をさらって閉じ込めるという、犯罪臭のする方法でパワーアップ。

そのおかげか、一度はモスラを倒すことに成功する。

しかし脚本の都合上ここであきらめないモスラさん、過去に戻ってまだ幼いころのキングギドラを倒すという作戦に。

シレっとタイムトラベルをこなし過去に戻り、恐竜がいた時代で無双していたギドラを倒すことはできたが、そこで力尽きてしまう。

 

だがギドラ君、今回はそう簡単に負けはしない。

爆散することなく残っていた尻尾から身体を再生し、再び現代に蘇ったのだ。

前にも寝たまま未来に行って、そのあと現代に戻ってきたりしているのでその辺は慣れたもんである。

 

これで現代はモスラ不在、ゴジラもシリーズ違いで出演ナシと初めて完全勝利を収めたかと思われたギドラ君。

だが、力尽きたと思われていたモスラ、なんと地中に一億年以上眠ったまま現代に復活する。

キングギドラでさえせいぜい二百年くらいしか眠ったことがないのに、あっさり記録を塗り替えての登場だ。

復活した時のモスラさんの姿。全身からあふれる殺意がすごい。

 

鎧をまとってガッチガチに進化したモスラが強すぎるのか、得意技を持っていかれたショックなのか。

ギドラの攻撃はモスラに全く通用せず、最後はシンプルに体当たりで身体を貫かれて負けてしまう。

ビームではなく物理で負けたのは、怪獣総進撃でボコボコリンチにあって以来ではないだろうか。

トラウマがよみがえりそうである。

 

メタ的方向から攻める

 

メンツを取り戻すことに失敗したキングギドラ。

モスラとの対決を経て「脚本の都合」というメタ的な部分に気づいたのか何なのか、新たな策でゴジラに挑む。

「悪役は最後は負ける」というお約束から抜け出すため、正義の味方ポジションで映画に出演したのだ。

「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」がそれである。

この映画におけるゴジラは、この頃の作品には珍しく完全な悪役だ。

なんせまず顔が怖い。

このポスターの時点で、すでに怖すぎるゴジラから逃げ出しているように見えるがきっと気のせいだろう。

左下のほうに映画タイトルに名前が入ってない奴が見切れているようにも見えるがそれも気のせいだ。

ゴジラの「ゴ」一文字と同じくらいしか画像面積がない怪獣が映り込んでいるようにも思うが気のせいである。

 

この完全ヒール役のゴジラに対し、今回のギドラは「護国聖獣」という正義側ポジション。

古来より国を護ってきたというカッコいい設定である。

散々宇宙や未来から襲撃してきた過去をイジリづらいくらいカッコいい。

 

おまけに今回はモスラが味方である。

もはやお膳立てが過ぎるというか、勝ってくださいと言わんばかりの状況。

しかし、良いところまで行ったものの今回もギドラは敗北。

どうやら、お膳立てではなく負けるための前振りだったようだ。

 

最高の天敵・キングギドラ

 

その後の映像作品では、キングギドラとしての出演は劇場アニメ版ゴジラ三作目に出演。

正直に言うと自分はアニメ版は二作目までしか観ていないのだが、風のうわさではまた負けているようだ。

 

一番最近の出演作は、皆さまご存じ「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」である。

この作品では、宇宙からやってきた悪役怪獣が数万年眠っていた氷河から目覚めるという設定で登場。

今までのキングギドラ要素の集大成的役付けであり、同時に完全に負けフラグが立っている。

というか、公開時すでに次回作でゴジラとキングコングが戦うことがわかっていたわけで。

少なくともゴジラは負けないでしょ、という現実的にも八方塞がりな状況なのだ。

まあ、結果は言わなくてもわかるというものだ。

 

このように、その強さにも関わらずいまだ白星なしのキングギドラ。

毎回かなりゴジラを追い詰めてはいるのだが、最後の一押しが足りず負けてしまう。

しかし、もしこれで本当にゴジラを倒してしまったら興ざめしてしまうのも事実。

そう考えると、毎回気持ちのいい勝ちっぷりをゴジラに与えている魅せる試合巧者なのかもしれない。

今後もぜひ、強くて悪くてカッコいいキングギドラが出てくる映画が観たいところだ。

そして、またこっぴどく負けてください。

 

心機一転、新生キングギドラ

 

前回の昭和キングギドラに続き、今回は平成以降のキングギドラのお話である。

 

昭和までのキングギドラは宇宙からやってきた怪獣だった。

平成に入ってからのVSシリーズに登場したキングギドラはそのあたりの設定も変わって、未来人の手によって作られた怪獣になっている。

作り方はとっても簡単である。

まず、未来から連れてきた人工生物のペット3匹を用意する。

次に、タイムマシンで過去に移動。

移動した過去のとある島にペットを放置する。

すると、その島で行われた核実験の影響で3匹は融合し、三つ首の怪獣キングギドラになるのだ。

 

未来のペットとかタイムマシンとか、SF的要素はあるが、肝心なところは核任せというわりと雑な作り方である。

そもそも、核実験に巻き込まれただけで怪獣化するわけがないだろ!と思うかもしれないが、それはゴジラ映画のお約束だ。

ゴジラだって核の影響で怪獣化しているし、カメやイカ、カマキリにクモなんかも放射性物質のせいで怪獣になっている。

 

さて、そんな流れで誕生した平成生まれのキングギドラがこれだ。

いやあ、良い。

年齢的に直撃世代である僕としては、やっぱり平成VSシリーズのキングギドラが大好きだ。

この、いかにも悪役な面構えがいい。

こんな顔のやつがコンビニの前にいたら入るのをためらってしまうだろう。

昭和のキングギドラは首や翼の細やかな操演がカッコいいが、デザイン面では僅差でVSギドラのほうが好きだ。

 

負けても起きる、起きても負ける

 

さてこのキングギドラ、未来人に操られて順調に街を破壊、ゴジラとの戦闘も優位に進める。

が、未来人が倒されコントロールを失うと一転、ゴジラにボコボコにやられてしまう。

どうもキングギドラ君、指示をもらわないと仕事ができないタイプらしい。

なんだか急に親近感が湧いてきた。

 

ともかく、ゴジラによってボコられてしまったギドラ君。

翼には穴が開き、真ん中の首は熱線で吹っ飛ばされ、海の底に沈んでしまう。

しかし、それでも低体温状態で命をつないでいたキングギドラ。

23世紀の未来技術でサイボーグ化され、人類の味方として再び現代に帰ってくる。

 

それが、メカキングギドラである。

これっすよ。

この、生物と機械が絶妙なバランスで融合したフォルムがたまらない。

画像だとわかりにくいが、真ん中の機械化された首がガッツリメカ寄りのデザインになっているのが、残った左右の首との対比になってメリハリが感じられる。

 

機械化により色々装備は追加されているのだが、やはり目玉は胴体に仕込まれたマシンハンドだろう。

マシンハンドとはその名の通り、巨大なマジックハンドのような拘束器具である。

これによりゴジラの身体をがっちり掴み捕獲してしまう。

 

こういう、胸や腹あたりからぶっ放す系の装備というのは、最終奥義感があって非常にアツい。

後年のゴジラ映画における機龍のアブソリュートゼロや、平成ガメラのウルティメイト・プラズマなどがいい例だ。

逆に、VSシリーズのメカゴジラやモゲラが放つ腹ビームは、割とポンポン撃ってる感じがしてそこまで好きではない。

まあ、全武装を解放した弾幕攻撃がアツいのでその辺はトントンといったところだろうか。

 

そんな重武装をモリモリに盛ったメカキングギドラだが、マシンハンドで掴んだゴジラを何処化へ運び去ろうとする途中、ゴジラの熱線を受け墜落してしまう。

身体を機械化するという、かなりの捨て身の策に出たにもかかわらず負けてしまうあたり、悪役怪獣の宿命といったところだろうか。

いや、機械化後は正義寄りなんだけれども。

 

ポジションチェンジで勝ちに行く

 

だがそんなキングギドラ、VSシリーズ終了後の作品ではがっちり正義側の怪獣としてスクリーンに帰ってくる。

今までは悪役としての立場を考慮していたわけで、勝っていいポジションについたギドラの活躍たるや・・・。

と、続けて書いていくと非常に長い話になってしまうので、今回はここまで。

はたして、正義の怪獣キングギドラの強さはいかに。

 

まあ、負けるんですけどね。

 

カタログスペック最強怪獣

 

「強そうな怪獣」と聞かれて、皆さまはなんと答えるだろうか。

力が強いとか、大きいとか、ビームが撃てるとか。

まあ、そんな感じに答えるのが普通だろう。

 

こういう時、うっかり面倒なタイプの人に聞いてしまうとややこしくなる。

怪獣と人間の強さをはき違えて、「国家権力」とか「莫大な富」なんてことをしたり顔で言ってくる人もいるかもしれない。

「これは怪獣の話ですよ」と伝えても、「本当の怪物というのは、人間の心の中にいるのかもしれませんね・・」

なんて、使い古されたサイコスリラーのオチみたいなことを言われて苦笑いでその場を去るしかなくなってしまう。

 

そんな、付き合いたくない部類の人をまとめて吹き飛ばしてくれそうな強さを持っているのが、今回紹介するキングギドラである。

 

 

どうだ、この強そうさ要素特盛のデザイン。

空も飛べてビームも出せて、おまけにゴジラよりも一回り大きい。

人間なら巨漢のマッチョがピストルをもって空を飛んでるみたいなスペックだ。

しかも頭が三つある。

頭が三つある銃を持ったマッチョが飛んできたら勝てる気がしないだろう。

そんなやつが、宇宙から落ちてきた隕石から出現するのだ。

怪獣だからいいものの、人間型でこの設定だったらホラー映画だろう。

 

そんな怪獣キングギドラの出すビーム。引力光線という名前である。

この引力光線の設定、諸説あるようだが威力が凄まじい。

曰く、地球上の引力を遮断して建物などを不安定にして破壊する。

曰く、物体の分子間の引力を遮断し結合を破壊してしまう。

あまり気軽に地球上でぶっ放すのはやめてほしい代物だ。

 

この引力光線と制空能力を武器に、昭和時代に初登場したキングギドラは金星の文明を三日で滅ぼしてから地球に飛来している。

ところで金星は、浮いている雲が硫酸で出来ていたり、気温が400度以上あったりする。

そんな星にある文明なら、初めから八割方滅んでいる気もするのだが。

 

まあとにかく、そんな星を滅ぼすほどの戦闘力を持った怪獣なのだ。

さぞかし多くの怪獣を倒してきたと考えられるだろう。

 

ゼロ勝である。

 

昭和キングギドラ、激闘の歴史(負け越し)

 

結構な作品に出演しているにも関わらず、これまで一度も勝ったことがないキングギドラ。

ちょっと、これまでの戦いをみてみよう。

 

デビュー作である「三大怪獣地球最大の決戦」では、ゴジラ・モスラ・ラドンと対峙する敵役として登場。

この映画は今でいうアベンジャーズ的な作品で、これまで単独で主役を張っていたゴジラたちが集結する筋書きだ。

つまりサノス的な立ち位置での登場となり、登場シーンも隕石から噴き出た炎から出現するという気合の入りよう。

しかしいざ主役三体が集結すると、石を投げつけられたり糸でぐるぐる巻きにされたりする。

そもそも首が三本あるからといって、怪獣三体を同時に相手取るのは無理がある話だ。

やはりというかなんというか、結局散々やられた挙句宇宙に逃げ帰ってしまう。

 

翌年公開の「怪獣大戦争」では、ゴジラ・ラドンのコンビと対決。

この時のキングギドラは、宇宙人に操られた状態で出現する。

自分の意志を無視されて負けた相手と再戦させられるキングギドラの心情を想わずにはいられない。

やっぱり負けちゃうし。

モスラが抜けてもやっぱり勝てないようだ。

 

と、この二作でしっかり負けているにも関わらず、続く出演作「怪獣総進撃」では10体の怪獣相手に戦わされる。

どうも、見た目が強そうなばっかりに負け続けていることを考慮してもらえないらしい。

で、案の定こんな感じである。

 

 

今改めて見てみると、今の時代に放映したらいろんな団体から抗議が来そうな場面である。

それが時代のニオイを感じて良いという面もあるのだけれど。

 

この後、昭和の時代にはもう一作、新登場の怪獣のパートナーとして出演する。

まあ、当たり前のように負けてしまうのだが。

すっかり負け癖がついてしまったようだ。

 

さて、昭和の作品のキングギドラ君は雰囲気だけの勝ち星なし、なんとも惜しい役回りであった。

しかし人気怪獣のキングギドラ、時代が変わり平成、そして2000年代と、出演作は続いていく。

さらにはゴジラシリーズ以外の東宝怪獣映画にも出演と、出番は続いていく。

 

と、いうことで、平成以降のキングギドラについてはまた次回。

はたして、どのような活躍をみせてくれているのだろうか。

 

まあ、負けるんですけどね、