O様邸外壁塗り替え工事が終了して、今日やっと足場を解体できます。
こちらの外壁の仕上げは、元はモルタル搔き落としという仕上げでした。
左官職人が壁にモルタルを擦りつけて、さらにその上に白い細かい粒子状の砕石とプラスター、セメント系の材料を混合したリシン系の仕上げ剤をコテで塗り付け、さらにそれを針状のブラシで搔き落とした壁の仕様です。
最近は工期の短縮やコスト面などで不利もあるからか、あまり使われなくなりました。
その点逆に今採用すれば新鮮に感じるかもしれません。
サイディングなんかにはない風合いが良く私は好きです。
搔き落とし壁は古くなると表面がポロポロと剥離しやすくなります。
それでも特に問題はないのですが、大きなクラックが入っていることも多く、そうした場合には何らかの処置が必要です。
機能的な面では大丈夫でも、景観的な面で塗り替えを希望する場合が多くあります。

この写真は、塗料を塗る前の工程ですが、その搔き落とし壁の上にカチオンタイトという材料を全面に塗ったところです。
全面セメント色のグレーです。
ここ大事なとこです!!
これを塗料の密着性をよくするために、搔き落としのポロポロ壁の上に塗ります。
これを塗らなくても塗装はできるのですが、耐久性に格段の差がつきます。
例えば、ガラス面にモルタルは塗れませんが、先にカチオンを塗ればモルタルでも塗れます。
それぐらい強力です。

足場がとれてリニューアルした外装が姿を見せました。
薄いグリーンの外観です。
シリコン塗料のマスチック塗装というローラーで厚塗りする工法です。
搔き落とし壁について考えていたら、ちょっと違う話にはなるけど、そういえば外国人に比べると日本人はアンチエイジングに異常に固執するのではないかと・・・・。
テレビや通信販売などで、化粧品メーカーやサプリメントのメーカーなどが煽るからというのもあるのかもしれませんが、いつまでも若くいたいというのは人類の永遠なる欲望です。
逆に巷では、エイジング塗装という、材木などをわざと古ぼけた感じの風合いに仕上げるのが流行っていたりします。
あと、アンティークレンガやタイルなどはもう随分前から流行りだし、今や定番の建材です。
ジーパンなんかも新品でもウォッシュド加工は当たり前ですが、それも似たような感覚なのかな・・・?。
新しいものを古く見えるように新しく作るというなんか錯綜した概念のような気もしますが、私も嫌いではありません。
しかし、どちらかというと良質なものが経年で変化する本質的な価値の方が好きだし、大事にしたいなと、個人的には思います。
ビンテージの価値観ですね。
住宅リフォームの仕事をしていてよく思うのですが、和室のヒノキの柱が経年の変化でやけて飴色なったり、搔き落としの外壁が風雨や日射にさらされたり、苔が生えて経年により変化をしている様子はあまり一般的に好まれないような気がします。
これもビンテージの価値観ではあると私は思います。
私自身はそういった和風の搔き落としや柱の経年による変化に対して風合いや味わいを感じますし結構好きです。
何が言いたいのかよくわからなくなりますが・・・
アンチエイジングの気概は大事です。
でも、自分自身ユニクロのスキニージーンズを履いてみた時の鏡に映った中年男の姿の情けなさを感じた時のように、やり過ぎはだめだと思いました。(まるで時代劇の岡っ引きのようでした)
外見よりも人間として、ビンテージワインのような深い味わいのある人にならなければと思います。(ビンテージワインは飲んだことありませんが・・・)
住宅も良い材料を使って造り、手入れをしていけば年を重ね時期に深みのあるビンテージになります。
たまにそういった、古くても貫禄のある立派な家にリフォームの依頼で行くことがありますが、床にCFを貼って壁にビニールクロスを貼ってくださいなどと言われるとなんかがっかりしてしまいます。
そういった場合、まずやめといた方がいいですよと言うのですが、私の家ではないのであまり強くは言えません。
それでも一応説得は試みますが、仕事の依頼をしているのに
この人何言ってるの・・・!??みたいな顔をされることもあります。
人それぞれの価値観は違って当然ですが、そのものについての本質的な価値感にはこだわりたいですね。