がんについて考える…(3)です。
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…というふうに変容していってしまうと…。
そして、ここからが行き過ぎてしまうところなんですが、
みんなのためを誰よりも思っているわけだから、
自分の考え方をみんなが受け入れて当然、
と錯覚してしまうのです。
しかし、受け入れられない・・・、
なぜ?
この気持ちがどんどん膨らんでくると、
周囲の人間に必要以上に干渉してしまったり、
相手の考え方を強制的に変えようと試みたりします。
…何だかこれ、体内にできるがんの姿に似ているんです。
最初オデキみたいな頃は、
周りからもちょっと一風変わったやつだな、
というくらいにみなされていますが、
無視されると、だんだん凶暴化し、
「お前にも俺の気持ちを分からせてやる!」とばかりに、
周囲の正常細胞をがん化させていきます。
でも、そんな切なる思いはなおも届かず、
ついに手術で切除され、放射線や抗がん剤で
焼き殺されてしまう目にあいます。
「な、なんでー?!」
がん細胞の無念。
みんなのために身を挺してがんばってきたのに、
最後に、こんな仕打ちが待っているなんて…。
彼の無念は
「これだけみんなのためを思ってやってたのに、なんだよ!」
という形をとって、再発や転移という現象に表れていくことにも
なってしまいます。
犠牲心が強かった細胞、反転して恨みモードになってしまうのです。
***
あるガンのクライアントさんに、こうした話をしたら、
「それって、私そのものですよ」
とおっしゃっていました。
みんなのためを思ってがんばってきた。
でも、いつも間にか自分だけ、取り残されていた…。
『病気は才能 』で、僕はがんについてこのように書きました。
『 ある実験で、カラダの細胞を分離して、
孤立した単細胞生物のように培養した場合、
1.その増殖速度は食べ物の供給速度に比例する
2.細胞は自己統制することなく分裂と運動を行う
3.分裂して生まれた細胞は親細胞に極めて似ている
4.新しく生まれた細胞は新しいタイプに分化することなく原始的な状態にとどまる
という結果になるそうですが、分離された細胞は、
がん細胞とおなじようなふるまいをするのです。
これは何を意味するのかというと、がん細胞は、
カラダの外側にいる時には、正常細胞なのだ、ということです。
増殖しようとするのは、細胞本来の生命維持に照らし合わせて考えると、
当然の成り行きです。
ただ、そこがシャーレの上ならいいのですが、
「カラダの内側」となると話は別です。
じつはカラダの内側こそ特殊な空間で、
それぞれの役割を持った分化した細胞たちが調和的な世界を創っているからです。
ここに、増殖一辺倒のがん細胞が紛れ込むと、とても困ります。
がん細胞は、決して間違ってはいないが、
あえて言うなれば、「場違い」になってしまっているのです。 』
明日に続く。
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