モロッコ彫刻の細緻 ベン・ユーセフ・マドラサ
ベン・ユーセフ・マドラサ。
コーランの教えを学ぶ、神学校。
1階のパティオ(中庭)の壁面を埋め尽くしていたのは、
神を讃えるアラビア語と、
シンプルな紋様で独特の世界を描くタイル、
そして、気が遠くなるほど精緻で、美しいレリーフ。
幾何学模様や文字装飾などが
表現するのは神の世界。
偶像崇拝を禁止されたイスラム世界で、
その情熱が向かった先が、
アラベスクとよばれる装飾文様でした。
このマドラサの装飾を手がけたのは、
レコンキスタによって故郷を追われた
スペイン・アンダルシア出身のイスラム教徒たち。
マラケシュの喧騒から隔離されたかのような静かな空間は、
そんな彼らの思いがこめられているかのようでした★






