Jacky張學友(ジャッキー・チョン)/活出生命LIVE演唱会 | 音楽日記 & バンコク日記

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張學友活出生命Live演唱會2004 台湾初回盤 でもまだ通常盤見てないけど…
 どこの国、地域においても同じことだが、中華圏にも歌声の求められるシンガーがいる。最も有名な人は日本でもとても有名な 鄧麗君 (テレサ・テン)である。最近の若手でその地位にいるはマレーシア華僑のFish 梁静茄(フィッシュ・リョン)かもしれない。

 男性歌手でいったらJacky 張学友(ジャッキー・チョン)ほど、歌声の評価をされている歌手はいない。それはこの「活出生命LIVE演唱会」というライブアルバムが証明している。このライブは「彼が他の歌手の歌をカバーする」というコンセプトに行われた一夜だけのチャリティー公演のライブアルバムだが、カバー曲でライブを行えること、CD,DVDでリリースできることで、彼の歌声がどれだけ多くの人に魅了されているのだが分かる。このライブは唯一の英語曲であるビージーズの「First of May (邦題:若葉の頃)」に始まり、北京語曲13曲、広東語曲11曲で構成されている。曲も90年代を主に60年代の曲や80年代の曲もあれば、昨年04年ヒットした曲もある。鄧麗君 、張國榮(レスリー・チャン)も歌えば、近年活躍している 楊千_ (ミリアム・ヨン)、Jay 周杰倫(ジェイ・チョウ)、Yan-Zi 孫燕姿(ステファニー・スン)といった歌手の曲も歌う。地域、言語に関係なく、老若男女が楽しめる内容になっている。

 彼の歌声の魅力は、柔らかく澄み切った響き渡る声だ。この歌声で歌う孫燕姿の曲「天黒黒」は彼の歌声の特徴が良く分かる一曲。ちょっと曇った歌声が魅力の彼女の歌うこの曲を、張学友は見事に彼のやさしく澄み切った歌声を生かして歌っている。自分に囁きかけるように歌う孫燕姿に対し、張学友はやさしく歌っている。他の歌手の曲を歌ってもカラオケにはならない。それは彼が彼の歌声の魅力を使ってどの曲も丁寧に歌っているからである。周杰倫の「星晴」張学友らしく澄み切った声で高音の曲を歌いこなしている。

 そして、カバー曲集の後半では多くの香港人の好きな張國榮の「追」(邦題:君さえいれば)、Beyondの黄家駒在籍時の名曲「情人」と香港の失った天才の曲を続けて歌う。彼の歌う張國榮のカバーは香港地区ではこのアルバムのハイライトとなっている。死後いまだに愛されている名曲を張学友が歌う。この興奮は曲のイントロが始まった瞬間に鳴る拍手でわかるだろう。

 最後の5曲は自身のヒット曲を歌う。ここで歌われる曲は全て97年以降の曲だ。85年にデビューして今年で20周年になる張学友。歌声の魅力を全面に出した97年の大ヒットアルバム「不老的傅説」から2曲のほか昨年の「Life like a dream」からの曲を含め歌っている。「不老的傅説」以後、彼の歌声に対する評価が変わったといえる。それまでは香港4天王としてアイドル、タレント的扱いだったが、一歌手として、一音楽製作者としての道は97年以降と言っても過言ではない。

 是非5年後にまた同じ企画でライブを行ってもらいたい。その時までにはどんな名曲が生まれ、その名曲を彼はどう歌うのだろう