北海道に根付く♪アイヌと伊福部昭の音楽のおはなし | つながっていこう~オンライン版絵本で支援プロジェクト【公式ブログ】

北海道たかたかです。
6月が好きです。
一番過ごしやすい気温で、日中が長くて得した気分になります。
北海道では貴重な半袖時期をいよいよ迎えま~す♪

さて、

今日は絵本とは直接関係のないお話で恐縮ですが・・・
先日
「アイヌ音楽と伊福部昭」コンサートの司会進行役としてお手伝いし、学んだことがあったので、ここで少しお付き合いくださると嬉しいです(^^♪

伊福部昭(いふくべあきら)さん

今年生誕110年。
「誰、その人!?」
と思う人も多いかも知れませんが、
あの「ゴジラのテーマ」を作曲した人!というと、
 あ~~、

と分かって下さるでしょうか。
あの特徴的な音楽は、一度聴いたら耳から離れない中毒性がありますよね(笑)

 



改めてWikipediaを見ると、学校の校歌や自治体の町歌から映画音楽、歌舞伎音楽、歌曲、テレビ向けなどなど、その膨大な作曲活動に驚きます。まさに
日本の大作曲家です!

伊福部さんは北海道の釧路に生まれ、父親が音更村(現音更町・私の故郷デス)の村長に就任していた少年時代は音更に暮らしアイヌの人々とよく交流する日常がありました。

 

この時接したアイヌの歌や踊りをはじめとする伝承芸能、各地から集まる開拓者が歌う様々な民謡により自身の音楽の原体験を得、特にアイヌの叙事音楽「シノッチャ」からは生涯忘れえない深い感銘を受け、同時にその後の作曲家としての人生に決定的影響を与え、生涯に渡ってその源流を忘れることのない作曲活動をされています。
中学から大学までは札幌で過ごし、ここで音楽活動をスタートさせ、大学時代には「日本狂詩曲」がフランスの作曲コンクールで一位入賞し、世界的評価を得ることになります。
ギターやヴァイオリンも独学だったそうです。

19歳の時に書いた
「ピアノ組曲」は、先日のコンサートで江原千咲子さんが熱演!
「盆踊り」

「七夕」

「演伶(ながし)」

「佞武多(ねぶた)」

の全4曲からなり、

音更、札幌、青森などでの日本の伝統音楽体験に基づく作品です。

🎹ルンルン 
江原千咲子さんのYouTube(ねこべ音楽チャンネル)に、演奏会当日の演奏がアップされていますよ。

 


🎹ルンルンまた、伊福部さんが音更でのアイヌ民族との交流に思いをはせた代表曲シンフォニア・タプカーラ」を聴くと、まるでゴジラのテーマを彷彿とする曲調です。

<参考動画>

 



「タカラ」とは、

足を力強く踏み鳴らしながら進み、神に感謝を捧げる“大地の音楽”。
「ピアノ組曲」や「シンフォニア・タプカーラ」の代表されるように、
伊福部音楽の特徴、強調される音の反復にアイヌ音楽からの影響があるといわれています。

アイヌの人々はとても誠実で温厚。アイヌ(人間)以外はカムイ(神)とあがめ、あらゆる生活シーン、生きても死んでも楽しくても悲しくても、全ての営みに歌や踊り、楽器演奏があります。


大地とともに生きる人々の鼓動であり、

ともに伝えあって生きていく響きです。

子ども時代の原体験が育む五感や交流を通じた心の形成は、必ず“人としての根っこ”になり、その影響は計り知れないものだと改めて思います。

アイヌ音楽も伊福部音楽も、まさに「北海道に根付く音楽」であることを、誇りに感じます。


音符私のおすすめ、このアイヌの音楽は一度聴いたら脳内リフレイン必至。トンコリとムックリの名手・安東ウメ子さんの音楽もどうぞ。

 

 




折角なので、

キラキラ私が好きなアイヌの絵本もご紹介しておきます。

①    けちんぼおおかみ

作: 神沢 利子 絵: 赤羽 末吉 偕成社 1987年

 

イソップ物語のような可笑しみのある北海道・石狩の民話です。神沢利子さんの文と赤羽末吉さんの絵が、このお話にぴったりの世界観です❣️


②    イソポカムイ

作: 藤村久和 絵: 手島 圭三郎 絵本塾出版 2010年08月

 

大好きな手島圭三郎さんの版画。

≪神々の物語≫シリーズ。
年寄ったうさぎの神さまの悲哀のようであり、可笑しみのようであり・・・。

『ホーリムリム ホーリムリム』という言葉のリズムが楽しく、うさぎの躍動感や風を感じます。

 

 


③    パヨカカムイ

作・絵: かやのしげる  小峰書店 2000年

 

病気をまき散らす鼻つまみ者でさえも”神”だなんて!アイヌの考え方に驚いたのなんの。でも、それは生きていくためのメッセージとして受け入れたということなのだろうなと。最強の防衛策がユカラだったというのも、アイヌらしいなと思った作品。

そしてこの絵も好きだなぁと思ったら、何と!かやのさんの作でした。国会議員をされていらした方ですが、多才ですね~

 


④    おおかみのこがはしってきて


作: 寮 美千子 絵: 小林 敏也 

 ロクリン社  2019年01月18日

 

紙のカバーを取ると、

表紙は鮮烈な赤!アイヌ模様が美しい!
幼子がお父さんに問い、答える対話が何ともほのぼの。

こうして物事の本質が伝承されていくのだなぁ、親子の絆を深めていくんだなぁと思わせる一冊。


✳️


「道の駅おとふけ なつぞらのふる里」

伊福部さんを紹介するコーナーのPianoに、ゴジラのテーマの数小節分の譜面が置いてあります。行く機会があったら、是非奏でてみて、伊福部ミュージック、そしてアイヌ(人間)の鼓動を体感してみてくださいね。

 



HOKKAIDO LOVE 💝

 

最後までお読みくださりありがとうございました。
  by たかたか